今週は、社名や商品名、ことわざなど本来の表記についてです。
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 の メ ー ル 作 法 < 正式な名称・表記(4)>
◆─────────────────────────────────◆
慣用句の略に注意
今週は、名称の正式な表記について
取り上げてきました。
慣用表現を略した言い回しに
「目からうろこ」「たなぼた」
などがあると、以前、メールマガジンで書いたことがあります。
略したまま使っている慣用語としては
ほかに
「怒り心頭」もあります。
× 先方の失礼な対応に怒り心頭でした。
「怒り心頭」で終わりではなく、
「怒り心頭に発する」まで書いて、
心の底から怒りの気持ちがわき上がってくることを
意味します。
○ 先方の失礼な対応に怒り心頭に発しました。
ちなみに「怒り心頭」の後に続くのは
「発する」であり、「達する」ではないので、
間違えないように注意を。
「顰蹙」を「買う」と言いますが、「売る」とは言いません。
不快なことに眉をひそめる様が「顰蹙(ひんしゅく)」で、
人が不快に思うことをして嫌がられることを
「顰蹙を買う」と言います。
× 彼の発言は顰蹙です。
○ 彼の発言は顰蹙を買っていました。
「溜飲」を「下げる」のであって、
「上げる」でも「晴らす」でもありません。
胃が消化不良を起こして、胃液がのどまで上がってくるような状態を
「溜飲(溜飲)」と言い、
それが下がれば、すっきりすることから
恨みや不快に思う気持ちを解消して、
気が晴れる様を「溜飲を下げる」と言います。
× 我慢せず言いたいことを言って溜飲を上げる。
○ 我慢せず言いたいことを言って溜飲を下げる。
このように慣用句は、
むやみに省略すると元の意味が分からなくなり
間違いのもとです。
意味を理解するためにも
通して記憶して使うことをお勧めします。
「まぐまぐ大賞 2016」キャリアアップ部門で
2位に入賞しました!
2015年に編集協力した単行本「一目置かれる大和言葉の言いまわし」が文庫化
取材、ライティング、編集のお問い合わせは・・・
神垣あゆみ企画室