メール対応や言葉について神垣が日々思うこと
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 言 葉 コ ラ ム NEW <「下名」とは?>
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先週、今まで知らなかった言葉として
「思料」を挙げたところ、

某グループ企業勤務の読者から
「当社では必ず使われています」
と反応がありました。

さらに
「自分のことを『下名』と言うのも当社だけかも」とな。

「下名」も初めて聞く言葉です。

「下名」を調べてみると小学館デジタル大辞泉には、
一人称の人代名詞。自分をへりくだっていう語。わたくし
の意とありました。

精選版 日本国語大辞典には
(文書の末に名を記した者の意)自称。自己をへりくだっていう語。わたくし
とあります。

某社では
「下名自身は本体社員です」
「下名も異動前は営業部に在籍していました」
のように使うのだとか。

独特な「下名」という言葉の使い方について
こんな記事がありました。

▼覆面座談会

▼社内メールに使う言葉を見直し、社内の雰囲気を柔らかくした取組み

関連して
「下名」に似た言葉に「下命」があります。
2つの意味があり

1つは、命令を下すこと。
また、その命令。言いつけ。

 例)下命を拝する

もう1つは、
注文を受ける側から、商品や仕事などの注文。

 例)ご下命ありしだい、手配いたします。

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言 葉 コ ラ ム NEW                                      <「思料」とは?>
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59歳になった現在も知らない言葉があるもので……

ある報告書を読んでいて
初めて見た言葉があります。

それは「思料」。

「思慮」の間違いでは? と思ったのですが、
調べてみると、辞書にありました。

小学館デジタル大辞泉では、
「思量」「思料」共に意味は、いろいろと思いをめぐらし考えること。
思いはかること。

精選版 日本国語大辞典では
「思料」は「思量」と同じで
あれこれ思いめぐらすこと。思慮。思考。思料。

とあります。

共同通信社「記者ハンドブック」第14版では、
「思料」は「思量」で表記を統一。

「思量する」とは、考えを巡らせる
という意とあります。

報道記事では「思料」が使われており、
自治体や省庁などの“お役所言葉”と言えそうです。

「道路防災工事において不当な利益供与が行われたと思料されることの是正を求める措置請求」

(広島県)

「辞表取りまとめの閣議があったことは思料しますが」(金融庁)

これまで見たことも聞いたこともない言葉だったので
今回調べてみて、勉強になりました。

※参考記事
新・ことば事情4686「思料と思量」

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 言 葉 コ ラ ム NEW    < まぐまぐ大賞2024 結果発表
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2年ぶりに開催された
「まぐまぐ大賞2024」の結果が発表されました。

【仕事のメール心得帖】は
部門別賞「ビジネス・キャリア(無料メルマガ)」で9位でした。

当メールマガジンはを推薦してくださった読者の皆さまに
心からお礼を申し上げます。
ありがとうございます。

前回の22年は入賞は8位まででしたが、24年の今回は10位までになっており
滑り込みセーフという感じでしょうか。

ビジネス・キャリア(無料メルマガ)部門で
10位入賞メルマガがないということは
最下位ということなのか?

ともあれ、
入賞したおかげで、昨日からメルマガ読者も増えていて、
うれしくありがたく思っています。



当メールマガジンを創刊したのが2005年1月10日。
来年で創刊20年を迎えます。

時代の変化のスピードは年々早くなり
伝達ツールも多様化しています。

ビジネスメールを取り巻く環境や状況、
職場のコミュニケーションの方法も
20年の間に大きく変わりました。

創刊当初にメルマガで書いたことが
現在は通用しなかったり、陳腐化したりしていることも
少なくありません。

20年前はまだ、
どこの職場にも設置され、使われていたファックスが激減。

伝達手段も電話よりメール、
メールよりチャットと様変わりしました。

20年前は、
メールに手紙の様式を取り入れる傾向が見られたものですが

「結論から先に書く」
「無駄に言葉を飾らず簡潔に書く」
ことが定着したからなのか

一周まわって、手紙のような書き方、例えば、
時候の挨拶を添えるといった手紙の様式が
より丁寧なメールとして語られている記事も見かけます。

ただ、人から人へ言葉で伝えることは、
その手段が変わっても
事実や意見、意思を
正しく、的確に、分かりやすく伝える
という本質は変わることはありません。

表面的な言葉で、その場限りの安易なやりとりを
即座にしてやりすごすこともできますが、

少なくともわたしは
相手にきちんと思いを伝えたいので
そのための言葉の使い方に気を配り、表現の工夫をし続けたいです。

自分自身の知識や方法論をアップデイトしつつ
書いて伝えるための“心得”を当メールマガジンで伝えていければ、
と思っています。

これからも【仕事のメール心得帖】をお読みいただけると
うれしく思います。

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言 葉 コ ラ ム NEW
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本日の配信で、当メールマガジン
4500号を迎えました。

初期から読んでくださっているかた、
最近から読んでくださっているかた、
すべての読者の方々に心からお礼を申し上げます。

2025年、創刊20周年を迎えるわけですが
創刊時は39歳だった私も来年は59歳。

メールもメールの使い方も
メールを取り巻く環境も
20年で変わりました。

個人的に
メールには絶対的なルールはない
と思っています。

ルールのようなものがあったとしても
20年前と現在では、ルール自体が変わってきています。

例えば、メールの開封確認。

20年前は
「メールの開封確認をすべきでしょうか」
という質問が当メルマガに複数寄せられていました。

でも、今は
開封確認を求めるメールを見かけません。

このように
20年前に通用したルールが
今は陳腐化しているケースも少なくありません。

メールをはじめとする
デジタルなコミュニケーションは
日進月歩で進化しているのですから。

ビジネスメールにおいて20年前は
お手本とする定型文や美文が求められていました。

でも、今は、形式より中身。

いかに、的確に、無駄なくスピーディーに
処理・対応できるメールであるか、
がポイントです。

例えば
メールの冒頭の定型文
「いつもお世話になっております」。

わたしは懇意な客先には
使わないことが増えてきました。

代わりに、

「早速、ご返答いただき、ありがとうございます」

「〇〇の件についてご連絡いただき、ありがとうございます」

といった一文を使うことが多いです。

形式的な「いつもお世話になっております」
は1通目のメールだけでよく、
後のメールのやり取りには不要
と思うからです。

というか、書いたところで意味をなしてなく
入力する時間がもったいないとさえ思います。

メールよりビジネスチャットの使用頻度が高い職場では、
もうとっくに
「いつもお世話になっております」は
使われなくなっているのではないでしょうか。

このように
コミュニケーションの進化に伴い
古いルールに縛られず、
自分と相手にとってより良いルールに最適化していくのが
「現在のメール作法」。

当メールマガジン
日々、アップデイトしながら
最適なコミュニケーションの方法をお届けしていきたいです。

これからも
【仕事のメール心得帖】
よろしくお願いいたします。

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言葉について徒然なるままに
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言 葉 コ ラ ム        < AIでできること、できないこと
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AIで生成されたイラストをよく見かけるようになりました。
同様に、文章もAIで生成できます。

いわゆる型通りの文章は、AIを使ってスピーディーに作成できますし、
状況に応じた指示をすれば、“伝わる”文章も作ってくれます。

▼参考記事
心の通ったメールも1分で完成!
ChatGPTを使って御礼や謝罪メールを作る方法

このように
イラストを「描く」ことも文章を「書く」ことも
AIが代替してくれ、それを人が利用するという流れは今後、
もっと増えていくでしょう。

文章に関して言えば、これまで仕事のやりとりで、どう書いてよいか悩み、
時間がかかっていたメールの文章も
AIに指示すれば、整った文をすぐに送信できるようになるでしょうし
すでに利用している人もいるかもしれません。

AIで文章を生成することで、
本来、自分がすべき業務に集中、注力できるならば、大いに活用すればよい、
と個人的には思っています
(ただ、AIで文章を生成するにもテクニックは必要)。

一方で、では、AIで下記のようなメールが書けるだろうか、とも思います。
▼【全文公開】孫正義のスカウトメールに学ぶ「人を動かす伝え方」

画像にある孫正義氏からのメール文。

冒頭は「嬉しく思ったよ」と口語文、
その後に「覚悟です」「出来ません」「幸運なことです」「期待しています」
という文が続き、最後も「がんばろう!」と呼びかける口語文。

「日本のブロードバンドの夜明けのために命をささげる覚悟です」の「ささげる」は
平仮名になっていますが、
AIが書いたら「捧げる」と漢字になっているでしょう。

孫さんのメール文にあって、
AIで生成した文章にないもの。

それは相手に伝えようとする「熱量」。

語りかける口語文と「ですます」調の文が入り混じって生まれる文章のリズム。
漢字変換されてない「ささげる」の文字からは、一気に入力したことが伺えます。

文章としては、ある意味、いびつでアンバランス。
だけど、会食した後、この文面が孫さんから送られてきて
心動かされない人はいないでしょう。

人の感情はきちっと整えることはできません。
天気だとか、会った人だとか、起きた出来事に影響を受けて
都度、揺らぎ、制御がきかいないこともある。

きちんと整ったお手本のような文章はAIで生成できますが
人が持つ熱量やパッションを言葉にすることまではAIにはできません。

学校でも社会でも
整えること、整うことを教えられ、求めらてきたわけですが

人に代わってAIが整えてくれることが増えれば
逆に人は、整わなくてもよいのでは?

例えば、整然と線を引くことはAIに任せ
ペンを持つ筆圧で変わる線の太さや細さ、
癖のある字といった整えようのないものが人が醸し出す“味”として
注目されるようになるかもしれません。

パソコンで打った活字が浸透しきった今
手書きの文字が新鮮に映るように。

文章も、
捉えどころがない感情をどのように表現するか
その人にしか書けない表現力とか、創造力が
一層求められていく気がします。

そのためには
感情を動かす体験をより多くし、
それを言葉にして伝える訓練を積むことが必要。

AIにやすやすと作られてしまうような
整った文章を書いている場合ではないのかもしれません。

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最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

「まぐまぐ大賞2024」部門別賞「ビジネス・キャリア(無料メルマガ)」9位 入賞

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誤って使いやすい言葉を取り上げます。
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間 違 え や す い 言 葉        < 「張る」か「貼る」か >
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読みは同じでも意味が異なる言葉があります
(同音異義語)。

文字を入力するとき、迷ったり
間違って使ったりすることを避けるためにも
意味の違いを知っておきましょう。

「ポスターを接着剤ではる」の「はる」は
「張る」と「貼る」のどちらでしょうか?

答えは、「貼る」です。

「貼る」は、のりなどで付ける、付着を
意味します。

例)切手を貼る、レッテルを貼る、貼り薬

一方、「張る」は、
取り付けるとか、広がる、という意。

例)テントを張る、氷が張る、張りのある声

という違いがあります。

ただ、新聞表記では「張る」が一般用語で、
「貼る」は特別用語に分類されます。

ポスターを告知のために「掲示する」場合は
「防災ポスターを張る」。

接着剤やのりを使って壁に付着させる場合は
「ポスターを風で飛ばないように貼る」
となります。

「タイルをはる」も
タイルを取り付ける場合は「タイルを張る」
タイルを貼付する工法を強調する場合は
「タイルを貼る」とします。

「貼る」か「張る」か迷う場合は
一般用語の「張る」を使います。

※参考
記者ハンドブック 第14版: 新聞用字用語集

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