今週は、注意を要する言葉についての考察です。
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仕 事 の メ ー ル 作 法 < 気をつけたい言葉(4)>
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「させていただきます」
「では、後ほど読まさせていただきます」
この一文の問題点は、「読まさせて」の「さ」が余計な点です。
このように不要な「さ」が入った表現を「さ入れ言葉」と呼び、うっかり
使ってしまいがちです。
「させていただく」を分解すると、
使役の助動詞「させる」 + 謙譲語の「いただく」
となります。
この場合の「させる」は、だれかに何かをさせる意味を表しており、
「いただく」とセットで使うことで、相手に許可を得るようなときに使わ
れます。しかし、使役の助動詞には「せる」もあり、「させる」と「せる」
が混同されていることが多いようです。
上記の場合、「読ませていただく」で意味は通じます。相手に敬意を払う
表現を意識するあまり、不要な「さ」が入ってしまった例です。
その他の例では
× やらさせていただきます ⇒ ○ やらせていただきます
させていただきます
× 休まさせていただきます ⇒ ○ 休ませていただきます
× 送らさせていただきます ⇒ ○ 送らせていただきます
実は私も時々使ってしまいがちで、「さ」を入れるべきかとるべきか迷う
ことが多くあります。
「させていただく」とすれば、とりあえずへりくだった表現になっている
はず、という思い込みが間違いを招いているように思います。
一方、「~させていただきます」と人から言われた場合、一見、丁寧なよ
うで強引にことを進めようとする印象を受けます。注意したい言葉です。