今週は、敬語の使いすぎについて取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法       < 過剰な敬語
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「拝読させていただく」

メールがこれだけ普及し、
ブログやツイッターで情報発信する人が増えた今
「書く」ことへの関心の高まりと共に
敬語に対しても気を遣う人が増えてきているように感じます。

その一方で、相手に失礼のない表現を考えすぎて
必要以上に敬語を使っている文を目にすることも
多くなりました。

このテーマ、これまでにも何度となく取りあげているのですが
正直言って、ネタが尽きません。

ということで、「過剰な敬語」表現について
改めて取りあげていきたいと思います。

▼ 「拝読」そのものに謙譲の意
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「ご著書を拝読させていただきました」

この一文の間違いは、本メールマガジンの読者のかたなら
もう、お分かりですね。

「拝読」自体に謙譲の意味合いが含まれるため
「させていただく」は必要なく
「拝読しました」として失礼にはなりません。

「拝読させていただいております」
と現在進行形で「読んでいます」と伝えたい場合も
「拝読しております」。

これに似た表現で
「拝読いたしております」もNG。

「する」の謙譲語「いたす」もこの場合は
「拝読」に含まれているため必要なく、
「拝読しております」
として差し支えありません。

 
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今週は、気をつけたい表記の仕方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法            < 表記の使い分け(5)
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                           文語体の表現

世間一般に使われている「口語体」という文体に対し、
話し言葉と一線を画す、本来の文章語として使われていた「文語体」。

公文書などで使われてきた名残で、現在も使われているものが多くあります。
アクセントとして使うぶんには、文章に威厳と表情を与えるのですが
多用すると、古めかしい印象を与えます。

文語体と知らずに使っているケースもあるので
主な文語体と、口語体での書き換え例を下記に挙げます。

▼文語体の表現    ▼口語体の表現
—————–  —————–
あたかも       まるで
おおむね       だいたい、おおよそ
いかなる       どんな、どのような

~にて        ~で
~のみ        ~だけ、~ばかり
~すら        ~さえ

遠からず       そのうちに、まもなく、近いうちに
少なからず      かなり、たくさん、とても
悪しからず      よろしく

AおよびBでは     AとBでは

料理に使う調味料と一緒で、ほどよく使うことで
文章が引き立ちますので、文語体をすべて排除すべきとは思いません。

ただ、文語体の多用は、一文が回りくどくなったり、
重苦しい印象を与えます。
一文を長くしてしまう原因にもなるので、使い方には注意が必要です。

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今週は、間違いやすい敬語表現についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法           < 謙譲語の間違い(4)
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                       「ご到着いたします」?

「する」の謙譲語は「いたす」ですが
尊敬語と混同していいるケースもあります。例えば…

「広島へはいつ、ご到着いたしますか?」

相手に到着を尋ねる場合は
謙譲の「いたす」ではなく
下記のように尊敬の「なさる」とします。

「広島へはいつ、ご到着なさいますか?」

ほかにも
「広島へはいつ、お着きになりますか?」
でもよいでしょう。

「広島へはいつ、ご到着ですか?」
「広島へはいつ、お着きでしょうか?」
という表現もあります。

「心配いたしておりました」と自分の気持ちを伝えるのは
謙譲表現として問題ありませんが

相手に対して
「ご心配いたしませんように」
と使うのはNG。

この場合は
「ご心配なさいませんように」
と尊敬の「なさる」を使います。

 
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今週は、もたつきのない、すっきりした表現の仕方についてです。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法       < 文章のぜい肉を取る(3)
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意思を伝える表現

下記は、研修を終えた新入社員が感想を述べた一文です。

「お客様に失礼がないように、
名刺交換や電話応対などをやっていかなければならない
と思いました」

この一文で“ぜい肉”にあたるのが
「やっていかなければならないと思いました」
です。

「やる」はよく使われている言葉ですが
「する」のくだけた表現。
この場合も「やって」より「して」と
書き換えたいところです。

「~していかなければならない」と
「~と思いました」がつながると
表現が回りくどく、はっきりしません。

「していきます」
「行っていきます」
と現在形で表現すると
前向きな姿勢や意思が伝わってきます。

文の結び方としては、下記のような表現もあります。

「お客様に失礼がないように、
名刺交換や電話応対をしていこうと
肝に銘じました」

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今週は、もたつきのない、すっきりした表現の仕方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 文章のぜい肉を取る
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「~と思います」

今春入社した、複数の新人社員が書いた文章を
読む機会がありました。

新入社員研修の感想を書いた文章だったのですが
全員に共通しているのが
文末のほとんどが「~と思います」で
しめくくられていること。

「一層、努力していきたいと思います」
「学ぶことができたと思います」
「今後も生かしていきたいと思います」

実際に「そう思っている」から
「~と思います」と書いているに違いないのですが

400字余りの文章に、「~と思います」が何度も使われていると
読んでいても今一つ、ピリッとしません。

言い切れない、断言できない
自信のなさゆえの表現が
「~と思います」。

しかし、3つに2つくらいは
「一層、努力します」
「学びました」
「今後も生かしていきます」
と言い切る表現があると、意思が相手に伝わります。

同様に
「~と思われます」
「~かもしれません」
「~のはずです」
なども「曖昧」「逃げ腰」のイメージを与えます。

きりっと引き締まった文章を書く際には
使用を控えたい表現です。

今週は、このように
文章をもたつかせる余分な言い回しを
取りあげていきます。

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今週は、要点がひと目でわかる簡潔なメールの書き方についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法       < 簡潔に書く(4)
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                         気遣いはほどほどに

 相手への気遣いが、却って文章を長くしていることがあります。
 例を挙げてみてみましょう。

(例文)————————————————–

  ずいぶん先のことだと思っていた○○会の例会が
  近づいてまいりました。

  梅雨入りで足元が悪い中ではありますが、
  どうぞよろしくお願いいたします!

  明日、レジュメなど、当方で印刷してお持ちするもの、
  他に用意するものがございましたら、
  どうぞお知らせくださいませ。

  実は、いちばん△△さんのお話を伺いたいのは
  私自身でもあり、明日がとても楽しみです!
  どうぞよろしくお願いいたします。

 ———————————————————

 上記の例文は、相手への気遣いに満ちた文章です。
 このメールを読んで、嫌な気分になる人はいないでしょう。

 ただ、この調子で、文章を続けていくと
 ちょっとした確認や
 事前の連絡で送信するつもりのメールが
 10行、20行と結構なボリュームになってしまう恐れがあります。

 送る側、受け取る側の親密度にもよりますが
 すべての文に気遣いをちりばめるより
 伝達すべき内容を簡潔にまとめ

 メールの冒頭や最後に
 相手を思いやる一文を添える方が
 効果的です。

 例えばこんな感じ。

(例文)————————————————–

  いよいよ、○○会の例会が近づいてまいりました。
  明日の例会での卓話、どうぞよろしくお願いいたします!

  当日、配布の資料などございましたら、
  お知らせください。準備しておきます。

  このたびの△△さんのお話、
  タイムリーなテーマだけに興味津々です。
  楽しみにしています。

 ———————————————————

 用件は最初の4行に凝縮し
 最後の3行に気持ちを込めています。

 このように用件は簡潔に伝え
 最後の数行に気持ちを添えると
 メール全体がキュッと引き締まります。

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