Short Versionでお送りした「書くこと」についての雑感、最終回です。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法 < 書くこと徒然(3)>
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恋文のように
▼ 相手がいるから書ける
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日記は典型的な三日坊主です。何度も挑戦しましたが、ダメみたい。
その日あった主だったことだけ書きとめておけばいいものを、感情込みで
長々と綴ってしまい、あとで読み返すとこっ恥ずかしくて、続いた試しが
ありません。
でも、それが、手にとってもらった後ゴミ箱行きになるチラシでも、一瞬
目にとまるだけのポスターやパンフレットでも、誰かに向けて書いいてい
るぶんには、幾つ書いても苦になりません。
駆け出し時代に先輩達から教わったのは「どんな文章もラブレターを書く
ように書け」ということでした。文章で振り向かせろ、と。
▼ 八割のの困難と二割のエクスタシー
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企画書だって、プレゼンする相手をどうやって振り向かせるか、仕掛けを
考え、言葉を選びます。取材した相手の魅力を読者に伝え、振り向かせる
ために、発した言葉に光を当て活写します。
そうやって今まで何百と綴ってきた仕事の恋文。広告や販促物はその大半
が見知らぬ人の手に渡り、目に触れ、すぐに消えていきました。冊子や出
版物も時とともに忘れ去られる運命です。ホームページに至っては、次々
と新たに書き綴っていかなければ、すぐに飽きられてしまう…。
そういうものだし、それが私の仕事ですが、時折、そんな不毛な恋文に
「ありがとう」と言葉をかけてくれる人がいます。そんな時、あぁ、片想
いではなかったんだなぁ、と改めて気づくのです。
この二割の恍惚があるから、昨日も今日もこれからも書き続けていけるん
でしょうね。