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今週は、敬語の使い方についての雑感です。
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仕 事 の メ ー ル 作 法              < 敬語の問題(5)
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                 「させていただきます」に抱く違和感

今週は、敬語の使い方に感じる疑問や違和感について取り上げてきました。

読者から質問がありました。

<読者からの感想>—————————————————-

時折、テレビに出ているタレントさんが、
「歌わさせていただきます」
「読まさせていただきます」
「話(はな)させていただいて…」
とおっしゃいます。私にはすごく違和感があります。

いつかのメルマガに「させていただく」についてありましたが、
ピッタリくるものではなかったように思い、おたずねしています。

どなたかに代わっておこなう(代行)動作の場合に多い気がいたしますが、
それにしても…と思うのです。ご教示いただければ幸いです。
(読者 A.Mさん)
———————————————————————-

「させていただく」の氾濫は減るよりも増えていく一方という感じがしますが、
こうして「おかしいのでは?」と疑問に思う読者がいることを心強く思ってい
ます。

「させていただく」を補わなくても、自分の行為なのですから
「歌います」
「読みます」
「話をして…」
で意図は伝わると思うのですが、観客や視聴者を意識し、へりくだった言葉づ
かいになるのかもしれません。

敬語の「させていただく」問題は、折に触れ、当メールマガジンでも触れてい
て、バックナンバーにわたしの思いを書いていますので、参考にしてください。

「お話をさせていただく」< おかしな敬語(3)>VOL.1559

「させていただく」の行方< 読者からの質問(5)>VOL.2803

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【しごび】 の お 知 ら せ -1
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まぐまぐニュースに過去のメルマガ記事が紹介されました。

意味が微妙に異なる同音類義語の使い分けについて。
女子アナが「荒らげる」を「あらげる」って読んだのは間違い?

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今週は、同じ読みで表記が異なる言葉を取り上げます。
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仕 事の メ ー ル 作 法              < 敬語の問題(4)
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                        「企業文化の味付け」

今週は、敬語の使い方に感じる疑問や違和感について取り上げています。

7月9日配信の 社外よりも社内の敬語?< 敬語の問題 >VOL.3113
への読者からの感想を紹介します。

<読者からの感想>—————————————————-

> しかし、企業によっては社外に対して以上に、社内の上下間で敬語の使用を強
> いられるところもあるとか。

数えてみれば4つの会社に勤めた身として、この企業文化と言うのは厄介だと
しみじみ思います。

一般論で言えば、レポートは、である調・敬語抜き・(肩書名以外の)敬称不要
・道徳的コメントは不要……など、ある意味うるおいのない書き方が良しとさ
れていると思います。
そして、それを判ったうえで企業文化の味付けをするのが、その企業における
「優秀なレポート」のようです。

この「企業文化の味付け」が一筋縄ではいかず、私が経験しただけでも

・顧客企業には社内文書では「さん」は不要
vs 社内文書でも敬意を示すのが正しい態度だ
・社員の役職名は正式に書け(ex.神垣課長)
vs 社内文書は役職名は略語でいい(ex.神垣K)

など、会社によって180度違うようなケースもありました。
このことへの対策は「なじむ」しかなく(社長に迎えられたとかなら別かもし
れませんが)下っ端で移った際は怒られて早く修正できたのですが、役職者と
して移った時は誰も注意してくれないので、自分で「法則」を見つけるのが大
変でした。

> 会社案内や自社のウェブサイトでは「風通しの良い社風」を謳いながらも、社
> 内での敬語の使用に必要以上に気を使わなければならいのだとしたら、随分窮
> 屈な話です。

個人的にはことさら「風通しの良い」を強調する会社の方が、そういう不文律
が多いように思います。
(読者 O.Hさん)
———————————————————————-

会社の数だけ、敬語の使い方やメールの書き方などの「社内ルール」が存在す
るのかもしれません。

敬語に関して、ここ1~2年で増えてきたと感じるのは
「今、社長はおられません」「社長にお聞きしないと……」といった「社内向
け敬語」を、そのまま「社外向けの敬語」として使ってしまうケースです。
取材などを通じて企業に電話連絡する際に、こういうやりとりが増えてきまし
た。

社外の相手に自社の上司のことを伝えるのであれば、
「今、社長の○○は不在にしております」「○○に確認いたします」と返答す
るのが「社外向け敬語」の使い方だと思うのですが、対応している担当者はそ
のことに気づいてません。

そんなとき、「社内敬語」の規律は厳しそうだけど、「社外向け敬語」の使い
方は教育してないのだなぁ、と思ってしまうのです。もちろん、社内の上下関
係に基づく規律や言葉遣いは必須と思いますが、力点の置き方が内向き(=社
内)か、外向き(=社外)かは、こうした電話対応でも見えてしまうものだと
感じています。

業務の効率化や本当の意味で「風通しの良い社風」にするための「社内ルール」
であれば良いのですが、社員の手かせ、足かせになるようなルールは、会社の
発展の妨げにもなりかねないと思います。

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今週は、敬語の使い方についての雑感です。
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仕 事 の メ ー ル 作 法              < 敬語の問題(3)
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          「お手伝いをさせていただきたいと存じております」

今週は、敬語の使い方に感じる疑問や違和感について取り上げています。

「会社をあげて誠心誠意できる限りのお手伝いをさせていただきたいと存じて
おりますので、ご遠慮なくご相談ください」

上記は、企業→顧客に向けた一文です。
「お手伝いをさせていただきたいと存じております」から敬語を取り除くと
「手伝いたいと思っているので」。相手に対して、「手伝いが必要なら、手伝
いますので」とう気持ちからの一文と思われます。

でも、このようなときは「手伝いたいと思っている」とか「手伝おうか?」と
言われるより、「手伝うよ」と言われる方が私はうれしいです。手伝いが必要
なとき、そう言われれば「ありがとう。助かる」と答えられるし、手伝いが必
要でないときは「ありがとう。今は必要ないから大丈夫」と返せます。

前文に戻って、「会社をあげて誠心誠意できる限りの」手伝いをしたいのであ
れば、「お手伝いをさせていただきたいと存じております」と敬語を重ねるよ
り「お手伝いいたします」と言い切る方が、顧客の心をつかめるのに……と思っ
てしまいました。

上記の文を書き換えるとしたら…
「会社をあげて誠心誠意、できる限りのお手伝いをいたします。どうぞ、遠慮
なくご相談ください」
とする方が意気込みが伝わってくると思いませんか?。

敬語を重ねて丁寧な言い回しにすることが、相手に対して「言葉を尽くす」こ
とではないはず。相手に対してどう行動するか、どう対応するか、伝えるべき
は、その人、その企業の「姿勢」です。

例に挙げた丁寧すぎる言い回しの文を見るにつけ、言葉で相手を敬うことの方
に重点が置かれ、実際の行動・対応に結びついてないような気がするのです。

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仕 事 Begin の メ ー ル 作 法           < 敬語の問題(2)
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                    その「さん」や「お」は必要?

今週は、敬語の使い方に感じる疑問や違和感について取り上げています。

先日、ラジオ番組で「○○のファンさんに支持されています」と言っていまし
た。またあるときは「このたびの災害では、多くの方がお大変な状況だと思い
ます」と言っていました。

「○○のファン」である人たちを呼ぶ場合、敬称の「さん」を付ける必要があ
るのだろうか。また、形容動詞の「大変」に丁寧語の「お」は必要なのだろう
か、と思ってしまいました。

「○○のファン」として「さん」を付けなくても、「○○のファン」である人
たちに失礼にはならないし、呼び捨てにしていることにもならないはず。

「お大変な状況」という言い回しも、被災した人達に対して失礼にならないよ
うに、という配慮から来る言葉だと思うのですが、その前の「多くの方」の
「方」という言葉が丁寧なので、「お」を付けなくても「大変な状況」として
差し支えないのでは?

上記に挙げた一文はそれぞれ
「○○のファンに支持されています」
「このたびの災害では、多くの方が大変な状況だと思います」
とすればよいと考えます。

このように相手を気遣うあまり、「そこまでしなくても……」と感じる敬称や
丁寧語の使い方が増えているように感じます。そうした過剰な言葉遣いが増え
るほど、使っていない方が肩身の狭い思いをすることがあります。特にラジオ
やテレビなど、“音声”で入ってくる言葉は人から人へ伝わりやすく、難儀だ
なぁと思います。

以前にも「さん」付け問題を取り上げています。参考にしてください。
▼「さん」付けの謎< 気になる敬語 >VOL.3024

 

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仕 事 Begin の メ ー ル 作 法            < 敬語の問題
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                       社外よりも社内の敬語?

企業の新入社員研修レポートを読んでいて
「入社してから様々な講習を受講させていただきました」
「先輩方から社員としての心構えを教えていただきました」
「部署では○○の勉強もさせていただいています」
といった敬語の使い方が気になりました。

新人だから、会社に対して「講習を受講させていただく」とか「先輩から教え
ていただく」という言い回しになるのかもしれませんが、研修で何を学び感じ
たかを報告するレポートにも、こうした敬語は必要なのでしょうか。

レポートの主旨が、研修を受けた「事実」の報告であれば、上記の一文はそれ
ぞれ
「入社してから様々な講習を受講しました」
「先輩方から社員としての心構えを教わりました」
「部署では○○の勉強もしています」
で差し支えないと思うのですが。

しかし、企業によっては社外に対して以上に、社内の上下間で敬語の使用を強
いられるところもあるとか。

もちろん、上司や年長者に敬意を払うことは礼儀として忘れてはならないこと
ですが、社外の顧客より社内に向けた敬語の方が重んじられるというのは、大
変ではなかろかと想像します。

会社案内や自社のウェブサイトでは「風通しの良い社風」を謳いながらも、社
内での敬語の使用に必要以上に気を使わなければならいのだとしたら、随分窮
屈な話です。

今週は、こうした疑問に思う敬語の使い方について取り上げていきたいと思い
ます。

 

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今週は、読者から寄せられた敬語についての意見を紹介します。
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 仕 事 ‎Begin の メ ー ル 作 法 < 読者の気になる敬語(5)>
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                        「おります」問題

今週は敬語について読者の方から寄せられた声を紹介してきました。

<読者の声>———————————————————-

「おります」について、質問ではないのですが、モヤモヤした思いを吐露させ
てください。

相手の行為などに「おります」を付けた文章をもう何年も前から頻繁に目にし
ます。例えば次のようなケースです。

ア 講師のA様は、政府の審議会委員のほか、××などを歴任されております。
  (講師の紹介)

イ このたびB誌で連載を始めることになりました。この雑誌では既に先輩のC
  さんが連載を行っております。(社内向け掲示板で)

ウ (企業見学の時間について)10時30分~を希望されていらっしゃいますが、
  どのくらいの時間を予定しておりますか?

エ 貴社で提供されておりますWebサービスで、何かお困りのことはござい
  ませんか」(DMで)

オ 総理は常々、×××と言っております。
  △△省は×××と説明しておりますが、(国会質疑で質問者の発言)

カ 本日、(M社から)M社の製品に関する複数の脆弱性と修正プログラムが
  公開されております。

私は常々、相手や第三者の行為に「おります」を使うのはNGだと話しているの
ですが、あまりに頻繁に登場するため、自分自身が「おります」の用法を限
定的に考えすぎなのかと戸惑うほどです。

上のうち、カ)は謙譲語II(丁重語)とも取れますが、紛らわしいので私が
原稿チェックをしたときは「公開されています」と直しています。

不特定多数に向けた発信の中で謙譲語を使う必要はないと考えていますが、
似たような「おります」用例があまりに多くて、うっとうしいとさえ思ってい
ます。

神垣さんのご見解をぜひお聞かせください。  
                           (読者 A.Mさん)
———————————————————————-

「います」より「おります」の方がなんとなく丁寧な感じがすることから、
使われているのかもしれませんね。少し整理してみましょう。

・相手を敬う「尊敬語」の主語    → 相手
・自分をへりくだる「謙譲語」の主語 → 自分

・「いる」の尊敬語は「いらっしゃる」
  例)課長はいらっしゃいますか?
・「いる」の謙譲語は「おる」「おります」
  例)会場には私がおります。

というポイントを踏まえ、せっかくなので、上記の文例を確認してみましょう。

ア 主語は「講師のA様」なので、尊敬語を使い「歴任していらっしゃいます」

イ 主語は「先輩のCさん」なので、
  「連載をなさってます」「連載を続けて(担当して)いらっしゃいます」

ウ 主語が「見学者」か、「見学を受け入れる企業側の人」かによって
  文章が変わると思います。よく分からないので保留。

エ 貴社がWebサービスを提供するうえで、何かお困りのことはございませんか。

 「あなたの会社(=貴社)で困っていることは何ですか?」と問いかける文
  なので、このように書き換えるほうが分かりやすいと思いました。

オ 主語が総理なら「総理は常々、×××とおっしゃっています」と尊敬語。
  総理側の人が対外的に言うのなら「総理は常々、×××と言っております」
  と謙譲語。

  「△△省」が主語で事実確認するだけなら、敬語は不要で
  「△△省は×××と説明していますが、」

カ M社が主語であれば、A.Mさんが書いている通り「公開されています」が
  妥当と思います。

関連するバックナンバーの参考記事はこちら

▼「お客様がおります」< 気になる敬語(2)>VOL.2857

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