今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 読者からの質問(4)
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気になる言葉

<読者からの質問>————————————————

私が気になっている「間違えやすい使われ方のことば」のなかのひとつに
「悩ましい」があります。

本来は「色っぽい」とか「そそる」とか、
女性に対して男性から発せられる、
そういう言葉だったように思うのですが、どうなんでしょう?

テレビや年輩の上司や雑誌などでも目や耳にするようになってきたので
意味が変わったのか、もともとそれで正しいのかよくわかりません。

もうひとつ「確信犯」は未だに浸透しませんね。

間違っていても、大勢が使うようになれば正しいことになって
しまうのでしょうか?
仕方ないのですが割り切れないところもあります。

読者 C.S 様
——————————————————————

以前、「間違いやすい慣用句」のテーマでこのメルマガを書いたときに
いただいた質問です。

三省堂「大辞林」第二版によると…
「悩ましい」の意味として次の3つが記されています。

1)感覚に性的な刺激を受けて、心が落ち着かない。
2)気持ちがはれない。悩みが多い。
3)病気などで気分が悪い。

昔、「気絶するほど悩ましい」(阿久悠の作詞)という歌がありましたが、
歌のタイトルの「悩ましい」はまさにC.Sさんが書かれているのと同様で
1)の意味合いですよね。

このほかに 2)のような思い悩む状況を表すときにも「悩ましい」が
使われているようです。

「確信犯」は「道徳的・宗教的・政治的な信念に基づき、自らの行為を
正しいと信じてなされる犯罪」が本来の意味ですが
一方で「悪いことと知りながら犯罪を行う人(もしくはその行為)」
「結果を予想した上で計略を巡らす人」
という意味で使われている傾向があります。

取り違えた意味のまま浸透していく言葉があるのも否めませんが、
「これでいいの?」と疑問を持ち、言葉を見直してみることも大切
と感じます。

調べたり、話題として人に投げかけて一緒に考え、言葉への興味を持ち
続けていきたいものです。

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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(3)
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                            敬語の使い方

<読者からの質問>————————————————

これまで、敬語の使い方を何回か紹介されていますが、
日本経済新聞が発行している日経インテレッセ10月号(No.138)を
ご存知でしょうか?

ここで、「あなたの敬語大丈夫ですか?」(監修:国語学者 萩野貞樹氏)
という特集があり、特に「いただく」の使い方について、
自分の理解が正しくなかったという結果が出て、
もう、何がなんだか分からない状態です。

例:
01:
A さきほど、お電話いただいたとのことですが。 ×
B さきほど、お電話くださったとのことですが。 ○

02:
A ファックスを送りましたので、ご覧いただけますか?  ×
B ファックスを送りましたので、ご覧くださいませんか? ○

03:
A 少々、お待ちいただけますか?  ×
B 少々、お待ちくださいませんか? ○

04:
A 料金着払いでお送りいただきますようお願いします。 ×
B 料金着払いでお送りくださいますようお願いします。 ○

読者 T.H 様
——————————————————————

日経インテレッセの特集は読んではいないのですが、
「いただく」と「くださる」は判断に迷いますよね。

文化庁の「敬語の指針」40ページに
「いただく」と「くださる」の使い方の問題が取り上げられています
(第2 敬語の適切な選び方 5「いただく」と「くださる」の使い方の問題)

「敬語の指針」によれば
「ご利用いただく」は謙譲語I
「ご利用くださる」は尊敬語
と区別しているようですが、結局はどちらを使っても良いとあります。

上記の例はいずれも「尊敬語」として相手を立てる言い方である
「くださる」が正しいとしているようですね。

これも一理あると思いますが、私自身は文化庁の「敬語の指針」の解釈を
基準にしています。

敬語の使い方については細かく見ていくときりがありませんが、まずは、
自分自身で理解・納得でき、相手に対して失礼にならない表現であれば
よし、としてもよいのではないでしょうか。

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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 読者からの質問(2)
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女性の呼称

<読者からの質問>————————————————

よく男性の方は 『小生』 と自身のことをメールで書かれるのですが、
当方が女子であることを相手方に伝えるために適した表現はないもので
しょうか?

最近、初めてお目にかかるお客様と駅で待ち合わせることになったの
ですが、名前だけでは 性別の判別がつけづらいこともあり、
こちらの特徴として“女性”であることを伝えようと思ったのですが
『女子』以外に言葉が思いあたりませんでした。

読者 C.D 様
——————————————————————

確かに、女性が自分を称するときの呼称は思い浮かびませんよね。
C.D さんの質問に相当する回答が下記のページにありましたので、
ご紹介します。
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa2089852.html

「私」は男女ともに使う言葉ですが、敢えて平仮名書きで「わたくし」と
すると女性らしさが感じられます。

初めて会う人と待ち合わせるような場合、自分が女性であるとイメージ
しやすい目印を相手に伝えるのも一つの方法と思います。例えば

「赤いバッグを持っています」
「紺のパンツスーツです」

といった見た目の特徴を伝えると分かりやすいです。

合わせて
「新幹線口の改札の前にいます」
と場所を特定しておくと、さらによく分かります。

相手には自分の名前を知らせておき
「神垣ですが、○○さんでいらっしゃいますか」
と声をかけて確認するのも大切です。

私は以前、初対面の担当者とビルのエレベーター前で待ち合わせたとき
お互い、待ち合わせ時間の20分くらい前から同じ場所に居合わせていた
のに相手は男性がくるものと思い込んでいて、私から声をかけるまで気
がつかなかったという経験があります(前任者が私が女性だと伝えてく
れていなかったんです。とほほ…)

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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 読者からの質問
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文末の書き方

<読者からの質問>————————————————

最近とみに、疑問に思っていることがあります。
それは、文末の書き方です。

内容により、お礼を相手に言うときは「ありがとうございました」で
終われるのですが、報告の終わり方などの時はもう全て今のところ
「よろしくお願いいたします」で終わっています。

そこで、今回ほかにも良い言い回しがありましたら、ご伝授頂けたら
と思い、メールを差し上げました。

読者 ま~にゃ様
——————————————————————

「よろしくお願いいたします」は無難なフレーズでもあり、メールでの
使用頻度も高いですよね。私も辞書登録して、よく使っています。

ただ、ハンで押したように「よろしくお願いいたします」ばかり連発する
のも気になります。

ま~にゃさんの質問にある「報告」の際の終わりの一文としては

以上、ご報告まで。
以上です。ご報告まで。

と書くのも一つではないでしょうか
(私は「以上です」と「です」をつけるようにしています)。

あるいは、以前もこのコーナーで回答したことがあるのですが
「よろしくお願いいたします」の「よろしく」の部分に変化をつける書き
方もあります。例えば

ご確認をお願いいたします。
ご対応をお願いいたします。
ご協力をお願いいたします。

という具合です。

「それでは、よろしくお願いいたします」
「引き続きよろしくお願いいたします」
というフレーズも私はよく使います。

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今週は、感じのよいビジネスメールへの書き換え指南です。
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仕 事 の メ ー ル 作 法          < 書き換える技術(2)
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                           ご持参ください

読者のかたから次のような質問を頂きました。
——————————————————————

「お申し出ください」と同様(?)に迷うのが「ご持参ください」です。

「参る」は謙譲語と思いますので、他人に何々してくれというのに
使うのには抵抗があります。

で、「資料をお持ちください」などと書いているのですが、
なんか漢語の魔術か「ご持参ください」の方がおさまりが良い気がして、
いつもむずかゆい感じがしています。

「持参する」を「参る」に分解するのが気にしすぎなのでしょうか?

読者 星のおじ様
——————————————————————

星のおじ様のように「持参する」を「持って参る」という謙譲語として捉
え、人の動作に使うことに抵抗を感じる人は少なくないようです。

では、「ご持参ください」を言い換え・書き換えるとしたら・・・

「○○をお持ちください」
「○○をお持ちになってください」

で相手への敬意は十分伝わりますね。

参考までに
文化審議会国語分科会「敬語の指針」の記述を挙げておきましょう。

「敬語の指針」では、「参る」や「申す」は謙譲語IIに当たる敬語としつ
つも、「ご持参ください」といった表現の中に含まれる「参る」は、既に
謙譲語IIとしての働きを失っていると言ってよく、「ご持参ください」を
「相手側」の行為に用いるのは問題ない、としています。

つまり、もともと「持参」という言葉が持っていた謙譲の意味が薄れてき
ているということでしょう。

※謙譲語IIとは…
自分側の行為・ものごとなどを、話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。
例)参る、申す、いたす、拙著、小社 など

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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 読者からの質問(5)
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「お申し出ください」の言い換え

<読者からの質問>————————————————

「お申し出ください」
という言葉は、正しい敬語なのでしょうか?

仕事柄、セミナーの司会をすることがあるのですが、
一度、「お近くのスタッフまでお申し出ください」
と言ってしまったことがあります。

「申し出る」は自分に対して使用するので、
「お」をつけてもおかしいと思い、
一瞬にして恥ずかしい気持ちになりました。

(中略)

こういう場合は、どのように言い換えればいいのでしょうか。
「お申しつけください」
でもよいと思うのですが、和やかな場面では
少しかた苦しい印象を持ってしまいます。

読者 I.M 様
——————————————————————

「申し出る」の解釈には諸説あるようですね。
ここでは「申し出る」の解釈ではなく、どのように言い換えると適切かを
提案したいと思います。

I.Mさんがセミナー司会者として会場のお客様に呼びかける場合、
I.Mさんが“立てる”相手はお客様。お客様に対して尊敬語で呼びかける
のが適切と思われます。例えば…

「お近くのスタッフにお尋ねください」
「お近くのスタッフまでお知らせください」

という言い方です。
「お近くのスタッフまでお申しつけください」では硬いと感じられる場で
は上記のような表現がしっくり来るように思います。

私は客先に対してのメールでは「お申しつけください」を使うことが多い
です。書き言葉としては収まりがよく、丁寧できちんとした印象があるか
らです。

懇意な相手には「お尋ねください」「お知らせください」を使うことが多
いですね。

その場面や相手との距離感を考え、使い分けてみるといいのではないでしょ
うか。

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