今週は、間違いやすい敬語の使い方についてです。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法           < 敬語レッスン(3)>
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                       「部長にお伝えします」

————————
佐藤部長はお電話中です。
————————

職場の内線で他の部署からの問い合わせには、上記の対応で問題ありませんが、
客先からの電話の場合は?

内→内 の問い合わせには、上司を高めて「お電話中です」としますが、外→
内 の場合は、社内の連絡と同じ調子にはいきません。「電話中です」と状況
を相手に伝えるだけでよく、上司のことだからと敬語を使う必要はありません。
また、社外に対しては、上司も内側の人間として扱い、敬称は付けません。

社外の相手に伝える場合は
————————–
佐藤はあいにく電話中です。
————————–
「電話中です」の代わりに「他の電話に出ております」としてもよいでしょう。

同様に社外の相手に連絡事項を社内の上司に伝える場合
————————————
御社の意向は佐藤部長にお伝えします。
————————————
とするのもNGです。

謙譲語「お伝えする」の敬意は上司の佐藤部長に向いていて、「佐藤部長に
お伝えします」では、社外の相手よりも社内の上司を高めていることになり
ます。社外からの連絡事項を社内の者に伝える、と社外の相手に言う場合は
「申し伝える」を用います。

したがって上記の文は
——————————–
御社の意向は佐藤に申し伝えます。
——————————–
とするのが適切です。

このように、客先など社外の相手に対して、社内の上司への敬語をそのまま使
うケースが見られますが、社外に対しては社内の上司も「身内」であり、「○
○部長」といった敬称は使わず呼び捨てにし、敬語を使う対象も上司ではなく
客先になります。内→内、内→外 の敬語の使い分けを混同しないように注意
しましょう。

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今週は、間違いやすい敬語の使い方についてです。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法           < 敬語レッスン(2)>
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                     「読まさせていただきました」

—————————————-
早速、企画書を読まさせていただきました。
—————————————-

上記の一文に使われている「読まさせていただく」。一見、問題ないように思
えますが実は……。

この場合、「さ」は不要。「読ませていただく」とすればよいのですが、謙譲
語「~させていただく」が多用されていることからくる活用の間違いと思われ
ます。
————————————–
早速、企画書を読ませていただきました。
————————————–

または、「読ませていただきました」の代わりに「拝読しました」としても意
味は変わりません。
—————————-
早速、企画書を拝読しました。
—————————-

——————————————————————
社内で検討させていただいてから、ご連絡させていただいていいですか。
——————————————————————

この文のように謙譲語「~させていただく」を多用している文をよく見かけます。
「~させていただく」が続くとすっきりしません。敬語を一文に一つ使い、整理し
てみましょう。
————————————————
社内で検討後、ご連絡させていただいていいですか。
————————————————

あるいは、問いかける形式にせず言い切ると、さらに文は短く簡潔になります。
——————————–
社内で検討後、ご連絡いたします。
——————————–

「~させていただく」を使う前に、それ以外に言い換えることはできないか、
確認してみましょう。

 
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 今週は、間違いやすい敬語の使い方についてです。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法             < 敬語レッスン >
◆─────────────────────────────────◆
                     「ご案内して差し上げます」

—————————————————-
ご到着されましたら、社長室にご案内して差し上げます。
—————————————————-

上記は、相手が自社に到着してからの段取りを説明する一文です。一見、丁寧
な感じもしますが、敬語としてはツッコミどころも。

「ご案内して差し上げます」は「ご案内する+差し上げる」と分解できます。
しかし、ここで謙譲語「差し上げる」を使うと、あなたのために案内してあげ
ているのよ、と恩着せがましい印象を与えます。

「差し上げる」は、「やる」「あげる」の謙譲語。「案内して差し上げる」の
元の文は「案内してあげる」だからです。

この場合は「差し上げる」を使わなくても「ご案内いたします」とすれば文も
すっきりし、相手への敬意も伝わります。

「ご到着されましたら」も「ご到着後」と簡略化すれば、文全体が引き締まり
ます。したがって上記の文を言い換えると

————————————
ご到着後、社長室にご案内いたします。
————————————

メールで知らせる場合でも口頭でも、こうすればすっきり簡潔に、相手に敬意
を払った一文として使えます。今週はこのように適切な敬語の言い換えについ
て見ていきましょう。

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今週は、言葉の思い違いや勘違いについてです。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法 < 嗚呼、勘違い(4)>
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「話」と「話し」

「佐藤さんから話しを聞きました」

「はなしを聞く」という場合、「話を聞く」と書き、「し」は要りません。
「佐藤さんから話を聞きました」と表記します。

一方、「昨日、佐藤さんに話ました」
「はなす」「はなした」のように動詞として使う場合は、送り仮名の「す」が
付いて「話し」、その過去形は「話した」です。
したがって、「昨日、佐藤さんに話しました」とするのが適切です。

名詞として使うときは「話」
例)思い出話、昔話、作り話
プライベートな話、話にならない
話をする。

動詞として使うときは「話し」
例)話し上手、話し言葉、話し合い
話しながら歩く。
誰かに話したくなる。

似たような例に「折」と「折り」があります。

時期、機会、場合を表すときは「折」で、送り仮名の「り」は付きません。
例)折から、折に触れ、折を見て

一方、動作わ表すときや接尾語として使う場合は「折り」で、送り仮名の「り」
が付きます。
例)折り合い、折り返し運転、菓子折り、指折り数えて

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今週は、言葉の思い違いや勘違いについてです。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法 < 嗚呼、勘違い(2)>
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名前の勘違いへの対処

勘違いの最たるものに名前があります。

これまで何度となく取り上げてきましたが、メールの宛名が、明らかに誤っ
ているのに、相手が気づいてないということがあります。

一度とならず二度、三度とメールのやり取りをしても、相手は神垣ではなく
「新垣様」と書いている……ということが最近もありました。

二度、三度と間違いが続いた時点で、「あぁ、相手は気づいてないなぁ。勘違
いしたまま刷り込まれてるなぁ」と分かるだけに、訂正をすべきか否か迷いま
した。

しかも、相手は私が尊敬し、慕っている人。実際に会い、話もし、名刺交換も
しているのに、相手は「新垣」と思い込んでいる……というのは、心情的に軽
くショックでもあります(好きな相手だからこそ、名前を間違えてほしくない
気持ち発動。さらに深読みして、名前も覚えてもらえないほど、印象薄いのか
という落胆)。

通常なら、二度目の返信あたりで名前の間違いをさりげなく知らせるところで
すが、その相手には最後まで知らせることができず、「でも、間違われたまま
で終わるのは嫌だ」と思い、やり取りが終了する際に最後に書き添えてメール
を送信しました。

相手を責めるつもりは毛頭なく、ただ覚えておいてほしい、という気持ちだけ
で知らせましたが、間違いを知らせる方も知らされた方も気まずいものです
(これが対面なら、もっと笑いを交えて知らせることもできるのでしょうが)。

上記の場合は、相手に対する私の個人的な感情が発動したために、無駄にがっ
かりしてしまったわけですが、一方で、間違いをさり気なく知らせたつもりが、
相手が必要以上に恐縮して、こちらもさらに恐縮するというケースもあります。

相手が名前を間違っているメールを、こちらから返信する際、文面を全文引用
して返信するときもきまりが悪いです(相手は気づいてないことが多いですが)。

このように名前の勘違いは、悪気がないだけに双方とも対処に困ることが多い
ものです。

相手の間違いには寛容に、自分は間違えぬよう細心の注意を払う、という心づ
もりでいるのが得策かもしれません。

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今週は、言葉の思い違いや勘違いについてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法 < 嗚呼、勘違い(2)>
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「胸が熱くなる」

社内行事で、ある記念館を見学した3人の事例を挙げます。年齢も役職も異な
る3人の感想です。

「彼らが遺した言葉に胸が熱くなりました」
「子どもを持つ親として、胸が熱くなりました」
「手紙には家族に対する感謝と前向きな言葉が多く、胸が熱くなるものがあり
ました」

三者三様の感想文に、共通して使われている「胸が熱くなる」という言葉。じ
いんと感動がこみ上げてくることを指します。

戦地へと向かう若者たちが家族に宛てた遺書の展示を見学し、心を動かされた
様子を述べる際に、3人がそれぞれに使っているのですが、この場合は感動で
胸が高ぶる状態というより、悲壮な状況にありながら家族を思う遺書を目にし
て「胸が痛む」「胸に迫るものがあった」「言葉もない」といった表現の方が
しっくりくるように感じました。

「胸が熱くなる」を調べているうちに、「胸熱(むねあつ」という略語が【20
10年ネット流行語大賞】のトップテンにノミネートした若者言葉の一つとあり
ました。感動の程度を表す言葉として、別のニュアンスで使われていたことを
今さらながら知り、上記の感想文に「胸が熱くなる」が共通して使われていた
理由が理解できました。

人が心を動かされている状態を、とやかく言うのも野暮な話ではありますが、
感情を表す言葉にはプラスの方向・思考を表すものだけでなく、悲しみややる
せなさといったマイナスな感情もあります。

心動かされた状態を「胸が熱く」という言葉だけで片付けてしまうと、上記の
事例に挙げたような、別の人が書いているのに似たような感想になってしまう
ことを残念に思いました。

言葉の勘違いというテーマから外れるかもしれないですが、気になったので
書いておきます。

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