今週は、読者から寄せられた敬語についての意見を紹介します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法                       < 読者の気になる敬語(2)>
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                         「お迎えにあがる」

今週は敬語について読者の方から寄せられた声を紹介しています。

<読者の声>———————————————————-

正しい敬語なのかわからない表現がありましたので、メルマガで取り上げて
いただけると嬉しいです。

【お迎えにあがる】という表現は敬語として正しいのでしょうか。
ネットで検索してみたところ、
あがるは尊敬語だから間違いだという記事
あがるは謙譲語だから正しいという記事
両方あり判断しかねる状態です。
(読者 S.Mさん)
———————————————————————-

お迎えにあがるの「あがる」は、「行く」の謙譲語です。

目上の相手を「迎えに行く」のは自分。自分を主語に、へりくだって相手を立
てるのが謙譲語なので、「お迎えにあがる」を敬語として使うのは間違いでは
ありません。

例)明日の13時にお迎えにあがります。

一方、「まいる」も「行く」の謙譲語として使われます。
例)昨日、本社へまいりました。

したがって、目上の相手を「迎えに行く」というとき、「お迎えにまいります」
とすることもできます。

「あがる」は「飲む」「食べる」の尊敬語でもあるので、「行く」の謙譲語
「あがる」との混同が生じているのかもしれません。ただ、「飲む」「食べる」
の尊敬語としては、「あがる」より「召しあがる」が一般に使われています。

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今週は、読者の方からの質問に答えます。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(5)>
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                       「お疲れさまです」問題

「お疲れさまです」について、続けて2人の読者から質問がありました。

<読者からの質問-1>————————————————–

目上の方、上司に、
「お疲れさまです」と言うのは(書くのは)失礼でしょうか。

女性の上司(還暦を迎え、お孫さんもいらっしゃいます)に向けてなのですが
以前、伝言メモをお渡しした際、不快な顔をされたようにみえました。

商品のキャッチコピーや販促物など、文言のチェックは細かくされますし
日頃、言葉に限らず間違いは指摘してくださる方なので、直接お聞きすればよ
いのですが、いまさらという気がして勇気が出ません。

ご苦労さまです、も上から目線の言い方に聞こえますし、
他に代わる言葉がわかりませんので、迷いながらも結局、お疲れさまですを
使います。

間違いではないのでしょうか。
社内の目上の方に、他にあいさつ言葉はありますでしょうか。
(読者 A.Hさん)
———————————————————————-

<読者からの質問-2>————————————————–

当社社員がセミナー受講をした際に講師から
目上の方や上位者へ『お疲れ様です』という挨拶はマナー違反であると聞いた
ようです。

私はてっきり『ご苦労様です』の誤りではないかと思い、受講者にも確認しま
したが間違いありませんでした。
ネットで調べてみると誤りだと書いている記事もありましたが、解決策が見つ
かっていません。

目下の者が目上の方より先に退社する場合には『お疲れ様です』が違反なら、
「お先に失礼します」になるかと考えました。
しかし、目上の方が先に退社する場合は、『お疲れ様です』以外だと
以前のメルマガにありましたが目上の方へは「お疲れ様でございました」でよ
いのでしょうか。

それ以外に言い換えるとしたらほかにどのような言葉はありますか。
また、社内メールの始まり部分でも『お疲れ様です』という言葉を使っている
ため、メールの場合はどのような言葉がありますか。
(読者 H.Kさん)
———————————————————————-

当メールマガジンでは下記の使い方をお勧めしてきました。

・目上の人が部下など目下の相手をねぎらうときに使うのが「ご苦労さま」。
したがって、目下の者が目上の相手に「ご苦労さま」使うのは失礼。

・目上の相手へねぎらいの気持ちで使う言葉は「お疲れさまです」
「お疲れさまでした」「お疲れさまでございました」。

A.Hさんの場合は、
「…していただき、ありがとうございます」
「○○部長にお力添えいただいたおかげで、問題なく対処できました」
のように感謝の気持ちを伝えてもよいのかもしれません。

H.Kさんの場合
退社時にかけるひと言として
目下の人が目上の人より先に退社する場合は「お疲れ様です」ではなく
「お先に失礼します」が適切です。

目上の人が先に退社する場合は、「お疲れ様です」のほかに
「お疲れ様でございました」でもよいと思います。

社内メールの書き出しの挨拶として「お疲れ様です」を使いますが、状況によっては
挨拶なしに「○○の件でご連絡です」とか「○○について確認したいことがあ
り、連絡しました」といきなり用件から入る場合もあります。

「昨日はありがとうございました」と感謝の言葉で始めてもよいでしょう。
相手との関係や、やりとりの目的によって、かける言葉は変わってくるかと思
います。

この「お疲れさまです」問題は、以前にも読者から質問があり、当メールマガ
ジンでも取り上げたことがあります。

会社や状況によっては、目上の相手に「お疲れさまです」を使い、注意された
り嫌な顔をされたりした、というケースもあるかもしれません。

ただ、私は上記VOL.620で書いた理由から、目上の相手に「お疲れさまです」
を使うことがマナー違反と捉えていません。

また、「お疲れさまです」に代わる言葉としても、その時の状況に応じてふ
さわしい言葉を考える、という答えしか持ち合わせていません。

解決策としては、その会社や部署で、「お疲れさまです」の使い方の定義や
代わる言葉を協議して決めるのがよいのではないでしょうか。

 
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今週は、読者の方からの質問に答えます。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(3)
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                       「大丈夫そうですか?」

<読者からの質問>—————————————————-

質問ですが、日常会話や電話でのやり取りに気になる言葉があります。

(1)「大丈夫そうですか?」
これは相手を気遣う言葉だと思うのですが、「そう」をつけることに
違和感があります。

(2)「○○だったりしますか?」
使い方としては、「時間とれたりします?」という感じで使われています。
「時間とれますか?」または「時間とれそうですか?」で伝わると思うのです
が……。

どちらも違和感があり、お客さまや取引先の方との会話にはNGではないかと思
います。
最近は、若い方たちで新語のような使い方をされることも多く、いろんな言葉
が飛び交い、どれが正しくてどれが間違っているのかがわからなくなることが
多々あります。

違和感があった時点で注意をするのが良いとは思いますが、自分に自信がない
と言いそびれてしまいます。
ぜひご意見をお聞かせいただきたいです。
(読者 M.Hさん)
———————————————————————-

人に尋ねたり、確認したりするとき
「大丈夫ですか?」ではなく「大丈夫そうですか?」
「○○ですか?」ではなく「○○だったりしますか?」
とふんわりとぼやかした言い方、書き方が増えています。

確かに、相手の都合を気遣っての言い回しなのかもしれませんが、
下記のように書き換え・言い換えができます。

(1) 大丈夫そうですか?

「大丈夫ですか?」という尋ね方もありますが、口語的なので、
「差し支えないですか?」「差し支えありませんか?」とすると、
書き言葉としても使えます。

例)30日の提出で差し支えないですか?
  打ち合わせの日時はこれで差し支えありませんか?

ほかに「問題ありませんか?」「問題ないですか?」と言い換えることもできます。

(2) 時間とれたりしますか?

M.Hさんが書いているように
「時間とれますか?」「時間とれそうですか?」
とするのがよいと思います。

「時間」の後に「は」を入れて
「時間はとれますか?」「時間はとれそうですか?」
とすると、書き言葉としても収まりがよいでしょう。

「~たりしますか?」という尋ね方は、実際は「~してほしい」けど、
無理強いはできないので「できたら」でいいですよ、という
控えめな依頼という気がします。
口語的で、今どきの言い回しですが、仕事のやりとりでは

「お時間いただけますか?」
「お時間を頂戴できますか?」

という書き方をお勧めします。
曖昧な尋ね方では、相手からの返答も曖昧になる可能性が高いと思うからです。

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今週は、表記の違いについて取り上げます。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法   < 漢字か、平仮名か(3)
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                            敬称の表記

「記者ハンドブック」では敬称の表記は漢字表記の「様」とされています。

ほかにも「神様」「仏様」のように漢字で書く習慣が強い言葉も新聞表記では
「様」で統一されています。

「お世話さま」「お互いさま」「お疲れさま」「ご苦労さま」のように接尾語
として使う場合も、表記は「さま」です。整理すると……

▼「様」と表記する言葉
・敬称として使う場合    … 佐藤様
・漢字で書く習慣が強い言葉 … 神様 仏様 王様 観音様 殿様 

▼「さま」と表記する言葉
・接尾語として使う場合 … お世話さま お互いさま お疲れさま 
              ご苦労さま ありさま 続けざま

ちなみに皇族に対する敬称は新聞表記では「皇后さま」「皇太子さま」と平仮
名書きを用います。「記者ハンドブック」では「様」は敬称の表記としていま
すが、新聞記事で使う敬称は原則「氏、さん、君、ちゃん」としています。

メールの宛名で使う敬称は「様」「さま」どちらを使うのがよいか、と尋ねら
れることがあるのですが、新聞表記に則ると、漢字表記の「様」ということに
なります。

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今週は、表記の違いについて取り上げます。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法            < 漢字か、平仮名か(3)
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                         繰り返す言葉の表記

「近々」「点々」のように、同じ漢字が二つ重なる熟語は、新聞表記では繰
り返し符号「々」を使ってよいとされています。
(例)近々 点々 人々 大々的 三々五々 戦々恐々

繰り返し符号を使う言葉としてはほかに、次のような言葉もあります。
(例)先々週 前々回 先々代 翌々週

ただ、「先々週の打ち合わせ」とするより「5月2日の打ち合わせ」、
「前々回の定例会」とするより「第3回の定例会」と、
具体的な日にちや回数を書く方が誤解や混乱を避けられます。

繰り返し符号を使う言葉の中でも「色々」「各々」「様々」は、
新聞表記では「いろいろ」「おのおの」「さまざま」と平仮名書きに統一されています。
比較的、文書で使うことの多い言葉だからかもしれません。

また、新聞表記では同じ単語や熟語を重ねた「畳語」の2語目が濁る場合は、
その部分を平仮名で書いてもよいとしています。

(例)返す返す・返すがえす 
   重ね重ね・重ねがさね 
   好き好き・好きずき
   離れ離れ・離ればなれ

2語目を平仮名で表記する方が濁って読むことが分かりやすい
というのはあります。

上記の表記の違いは「記者ハンドブック」に基づくものです。
上記に挙げたことが絶対的なルールというわけではありません。
ただ、表記する際に迷ったら、こうした新聞の統一表記は一つの基準として
参考になるので、お勧めする次第です。

▼記者ハンドブック 第14版: 新聞用字用語集

 
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今週は、表記の違いについて取り上げます。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法              < 漢字か、平仮名か
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                   「いたします」か「致します」か

読者から、次の質問がありました。

<読者からの質問>—————————————————-

「いたしました」は漢字と平仮名とで使い分けがあるのでしょうか。
(読者 Y.Nさん)
———————————————————————-

私の場合の表記の基準は、「する」の謙譲語「いたす」として使う場合は平仮
名表記にしています。

共同通信社「記者ハンドブック」では、「致し方ない」「不徳の致すところ」
などの慣用句には「致す」を用いています。

漢字表記にしても差し支えないのかもしれませんが、「~いたします」「~い
たしました」は日常的によく使うため、漢字表記にするより平仮名表記に開く
ほうが字面が和らいで見え、特にメールの文面では読みやすいと思うからです。

同じ理由で「~ください」も平仮名表記にしています。

「下さい」と「~ください」の意味の違いについては、バックナンバーで取り
上げているので、参考にしてください。

▼「下さい」と「ください」< 漢字か、かなか?(3)>VOL.1838

今週はこのように、意識して平仮名で書くほうが好ましい言葉について取り上
げます。

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