今週は、言い間違いや書き間違いをしやすい言葉を紹介します。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法 < 間違いやすい言葉 >
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                  「さまざまありがとうございます」

 メールのやり取りの結びの文に
 ————————————————————
 さまざまありがとうございます。またよろしくお願いいたします。
 ————————————————————
 とあり、違和感を覚えました。

 相手は、一つの事柄だけでなく、その他のさまざまな事柄も含めたお礼を
 言いたかったのだと想像できます。しかし、「さまざまありがとうござい
 ます」では文として収まりが悪いと感じました。

 代わりに「いろいろとありがとうございます」とすれば、しっくりきます。

 言葉の意味としては「さまざま」も「いろいろ」も違いはないように思え
 ますが、意味の違いを調べてみると……

 日常的な些末なことをひとまとめに指すときに用いるのが「いろいろ」。
 単に種類の多さだけでなく、一つ一つが異なっていることを示す場合は
 「ざまざま」という違いがあるようです。

 会話でも文章でもよく使うのが「いろいろ」ですが、「さまざま」はどちら
 かというと文章で使う頻度が高い言葉です。

 上記の文のように「ありがとうございます」や「お世話になりました」と
 伝える場合は
 「いろいろとありがとうございます」
 「いろいろお世話になりました」
 と「いろいろ」を使うほうがしっくりきます。

 「いろいろ」のほかに、私がよく使うのは「もろもろ」です。

 ———————————————-
 もろもろご対応いただき、ありがとうございます。
 ———————————————-
 のように使うほか、「ご対応いただき」を省略して「もろもろありがとう
 ございます」とすることもあります。

 今週は、このように言い間違いや書き間違いをしやすい言葉を取り上げて
 いきたいと思います。

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 【しごび】 の お 知 ら せ
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今週は、読者の方からの質問に回答します。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法            < 読者からの質問(5)>
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                           「しておられる」

<読者からの質問>————————————————

教えていただきたいことがあります。

よく耳にする「~しておられる」という表現は正しいのでしょうか。
いるの尊敬語はいらっしゃる、
いるの謙譲語はおる という知識があるため
「~していらっしゃる」が誤解なく耳触りも良い気がしますが

いる(存在する)と違う意味で使われている
「~しておられる」という表現は、
この型で1つの使い方として存在しているものなのでしょうか。

(読者 S.Sさん)
——————————————————————

結論から言いますと
尊敬語として「~しておられる」は存在するのですが、

謙譲語「おる」+尊敬語「れる」
と敬語を混同した間違いと捉えられることも多いので

「~しておられる」より
「~していらっしゃる」を使うほうがよいとされています。

例)
佐藤さんは出席しておられます。

佐藤さんは出席していらっしゃいます。

※参考 

 上記のNHK放送文化研究所の解説にあるように
「おられます」は敬語として必ずしも不適切ではない
とされます。

地域によっては
「いらっしゃる」という意味で 「おられる」という言い回しを
使う場合もあります。

ただ、今回の質問のように
違和感を覚える人もいるので
「~していらっしゃる」 「~いらっしゃる」 を使う方が
無難かもしれません。

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今週は、読者の方からの質問に回答します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法  < 読者からの質問(4)>
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「ご連絡」の「ご」

先輩の代理で返信< うっかり敬語(2)>VOL.2977
に対する質問をいただきました。

※印の文は、違いを分かりやすくするため、神垣が追記しました。

<読者からの質問>————————————————

昨日のうっかり敬語の例題の文章の「ご連絡」の「ご」に
多少の違和感を感じております。

昨日の例題において「ご連絡」と「連絡」の「ご」の有無については、
両方あり、片方あり(2種類)、両方なしの4つのパターンがあります。

相手に対して「ご連絡」している佐藤先輩、高橋さんの行為に
「ご」は必要ないとも考えるのですが、いかがでしょうか?

1) ※メルマガで示した文
———————————————-
佐藤に代わり、高橋がご連絡いたします。
先日、佐藤からご連絡しておりました作業ですが、
ただ今、完了いたしました。
———————————————-

2)※高橋「ご」あり 佐藤「ご」なし
———————————————-
佐藤に代わり、高橋がご連絡いたします。
先日、佐藤から連絡しておりました作業ですが、
ただ今、完了いたしました。
———————————————-

3)※高橋「ご」なし 佐藤「ご」あり
———————————————-
佐藤に代わり、高橋が連絡いたします。
先日、佐藤からご連絡しておりました作業ですが、
ただ今、完了いたしました。
———————————————-

4)※高橋「ご」なし 佐藤「ご」なし
———————————————-
佐藤に代わり、高橋が連絡いたします。
先日、佐藤から連絡しておりました作業ですが、
ただ今、完了いたしました。
———————————————-

ご教授のほどよろしくお願いいいたします。
(読者 S.Aさん)
——————————————————————

佐藤先輩に代わり、後輩の高橋さんが
客先にメールを送信する文例です。

VOL.2977では、
客先とやり取りしているのは
後輩の高橋さんです。

メールの送り手:高橋
メールの受け手:客先

したがって、主語は高橋さんで、
この場合使う敬語は
自分をへりくだり、相手を高める謙譲語です。

文を分解していくと……

1行目の
「佐藤に代わり、高橋がご連絡いたします」

・高橋→客先に「連絡する」
・主語は高橋、
・謙譲語「ご~いたす」を使い「ご連絡いたします」

2行目の
「先日、佐藤からご連絡しておりました作業ですが、」
・佐藤→客先に「連絡した」
・ここでの主語は佐藤
・謙譲語「ご~する」+「いる」の過去形「ご連絡しておりました」

2行目の過去の連絡は
佐藤先輩が客先に対して行っていますが
1行目と2行目の主語が変わっても
「連絡する」という行為が向かう先は客先で、
「立てる相手」であることは変わりません。

したがって、
1行目の
「佐藤に代わり、高橋がご連絡いたします」
2行目の
「先日、佐藤からご連絡しておりました作業ですが、」

のいずれも謙譲語の
「ご連絡いたします」
「ご連絡しておりました」
とし、「ご」は必要と考えました。

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今週は、読者の方からの質問に回答します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法  < 読者からの質問(3)>
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「五月雨式」

続けてなにかすること< 言葉の言い換え(3)>VOL.2992
に関連して、下記の感想をいただきました

<読者からの質問>————————————————

本日のメルマガを読んで思い出したことがあり
メールいたしました。

以前、何度も続けて連絡を受けた際、
「五月雨式に申し訳ありません。」
という表現のメールをもらったことがあります。

10数年働いていて数えるほどしかありませんが、逆に印象に残りました。
実際に使われたバリエーションのひとつとしてお知らせまで。

(読者 R.Iさん)
——————————————————————

「五月雨式」という言葉、
私は仕事でよく使います。

一度にまとめて原稿を送れず
できあがったものから分けて送るとき
「五月雨式に送信していいですか?」
のように使います。

「五月雨式」とは、
一度で終わらず、とぎれながらも何度か続けて行うやり方
のこと。

陰暦5月頃(今の6月頃)に降る雨を
「五月雨(さみだれ)」と言うことから、

この時期の雨のように
途中、途切れながらも長く物事が続くこと
を「五月雨式」と言います。

新聞表記では
「五月雨」と漢字表記しますが
「式」が後に付く場合は
「さみだれ式」と平仮名書きにして
区別しています。

「さみだれ式」を言い換えるとしたら
「小分けにして」「小出しにして」
といったところでしょうか。

「さみだれ式」は日本ならではの表現ですが、
業種や職種によって使用頻度が異なる言葉かもしれません。

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今週は、読者の方からの質問に回答します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法            < 読者からの質問(2)>
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                         「早々に」は失礼?

<読者からの質問>————————————————

最近疑問に思うことがございまして、メールいたしました。
「早々」という言葉です。

仕事で発注した案件で、納期より早く納品いただいたときに
お礼のメールをお送りしたいのですが、

「早めに送ってくださってありがとうございます」
という文章をどういうふうに丁寧な文章に直せばよいのか、
困っています。

以前使ってしまっていたのが「早々」という言葉。
でも目上の方には失礼にあたるということを知って、
困ってしまいました。

ネットの言葉のサイトでは
「迅速」ということばが妥当とありましたが、
私にはあまり丁寧と思えず……。
(読者 Y.Tさん)
——————————————————————

「早々にお送りいただき、ありがとうございます」
として差し支えないと考えます。

問い合わせに対する返信メールが「すぐ」というときは
「早速ご返信いただき、ありがとうございます」
と書いたりもしますが

この場合は、製品の納品なので
「早速」より「早々に」の方がしっくりくると思います。

「早々に」を目上の相手に使うのは失礼にあたる
というのは、

年賀状を出しそびれていた相手に
遅れて年賀状を送る場合に
目上の相手に「早々に年賀状をいただき」とするのは
不適切ということではないでしょうか。

※参考

この場合は
あくまで仕事のやりとりなので、
「早々に」を使うのは差し支えないと思います。

そのほかに「速やかに」という言葉もあります。

関連する記事がバックナンバーにあったので
参考にしてください。

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今週は、よく使う言葉の改まった言い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 改まった言い方(4)>
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「ちょっと」の言い換え

今週は、くだけた普段着の表現を
改まった書き言葉に変換する例を紹介しています。

量や度合いが少ないことを
「ちょっと」「ちょこっと」「少し」
と言いますが

改まった言い方では
「わずか」「ささやか」「いささか」
とします。

「ほんのちょっとですが」は
「わずかですが」とか
「ささやかですが」に。

会話でも
「ちょっとお待ちください」を
「少々お待ちください」と言い換えると
丁寧さが増します。

誘いを断るときに
「予定があるのでちょっと……」
と最後まで言わずに
「ちょっと」で言葉を濁して
うやむやにするケースがありますが

そのようなときは
「あいにく予定があり、参加できません」
「残念ながら、今回は不参加とさせてください」
のように、きちんと断りを入れるほうが好ましいです。

「少しでもお役に立てれば」と伝えたいときは
「いささか」を使って
「いささかなりともお役に立てれば」
とします。

また、「いささか」を打ち消した
「いささかならず」
という言葉もあります。

少しでない、つまり、とても
という意味で
「面倒をかけるばかりで、いささかならず気が引けます」
のように用います。

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「ギャル流行語大賞」トップ5の言葉を
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