今週は、表記の際の留意点についてです。

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仕 事 ‎の メ ー ル 作 法      < 基準を持つ(3)
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             同訓異字・同音異議語の使い分け例

▼ 同じ読みで表記が違う言葉
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「会う」と「合う」の違い、ご存じですか?

「会う」は、主に人と人とがあう場合に使い、「合う」は合致、調和、互い
に同じ動作をするときに使うと、「朝日新聞の用語の手引」にあります。

人にあう時は「会う」、人以外にあう時は「合う」と、私は覚えるようにし
ています。さらに、遭遇、偶然という意味での「遭う」もありますね。
このように、同じ読みでも漢字表記が異なる語が幾つもあります。

たとえば「制作」と「製作」。

「制作」は、主として芸術的、ソフト的なものをつくる時に使用し、「製作」
は主として具体的、実用的なもの、主に量産するものをつくる時に使用(共同
通信社の「記者ハンドブック」より)。例としては、絵画・工芸品の「制作」、
機械・器具の「製作」。

混同しやすい言葉ですが、明確な区別はなく、映画、新聞、放送など、内容に
よって使い分けられることが多いです。私の名刺は「印刷物・出版物の制作」
としています。

▼ 表記の基準を設ける
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「十分」と「充分」。

統一用語としては「十分」です。けれど、私が担当している社内報では、社長
が「充分」を好んで使うので、敢えて訂正せず、その社内報では「充分」に統
一して使用しています。

このように、「用字用語集」にがちがちに縛られるのではなく、同じ人が書く
メールや文書、同じ会社が出す印刷物などによって表記の基準を設け、統一し
て使用するようにしています。
<追記>
1冊手元にあると重宝します。

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表記の際の留意点についてです。
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仕 事 ‎Begin の メ ー ル 作 法        < 基準を持つ(2)
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                注意を要する送り仮名の表記

▼ 送り仮名の原則を知る
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
送り仮名を付ける際の基準としては、1973年内閣告示の「送り仮名の付け方」
があります。

公用文書や新聞表記の基準にされており、「朝日新聞の用語の手引」もこれに
基づいています。迷いやすい表記を幾つか挙げてみましょう。

◎活用のある語は活用語尾を送る
例)表す 行う 断る 現れる 生きる
 ̄   ̄   ̄   ̄ ̄   ̄ ̄
◎動詞の活用形やそれに準ずるものを含む送り仮名
例)終わる 聞こえる 向かう 押さえる 生まれる 積もる 起こる
 ̄ ̄   ̄ ̄    ̄ ̄   ̄ ̄    ̄ ̄    ̄ ̄   ̄ ̄
◎形容詞・形容動詞の語幹を含むもの
例)確かめる 重たい 細かい 柔らかい
 ̄ ̄    ̄    ̄ ̄   ̄ ̄ ̄
▼ 「許容」「例外」も、ある
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
上記の例は「原則」であり、「許容」「例外」もあります。
たとえば、「おわる」を例にとると……。

「おわる」と「おえる」の区別のために「終わる」「終える」と活用語尾の前
から仮名を送るのが原則。ですが、慣習となっていて意味が通じる場合は、送
り仮名の一部を省いて「終る」とすることも許容されています。

結局、どちらでもよく、メールで文字を入力する時も「終わる」「終る」の両
方が変換候補として出てきます。

ただ、一つの文書に「終わる」と「終る」が混在するのは見苦しいので、迷っ
た時は「原則」の表記を基準に書くと良いでしょう。そのためにも基準となる
辞書や手引きを手元に置いておきたいですね。

※参考:
送り仮名の付け方(昭和48年6月18日,昭和56年10月1日 一部改正) 内閣告示・内閣訓令

「朝日新聞の用語の手引」 

※追記
この記事のポイントは、一つの文書に二通りの表記が混在するのを避け、統一
することです。

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今週は、表記の際の留意点についてです。

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仕 事 ‎Begin の メ ー ル 作 法         < 基準を持つ
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        言葉を綴る際に気をつけたいことを紹介します。

▼ その変換、正しいですか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「表わす」と「表す」。「製作」と「制作」。「こんにちわ」と「こんにちは」。

送り仮名や同音異義語、「わ」「は」や「じ」「ぢ」の使い分けなど、時とし
て気になる言葉の表記。パソコンを使用していれば、あたりまえのように打っ
た文字が自動的に変換されるので、文字の確認を辞書で調べるという習慣が激
減しました。それだけに、変換ミスや表記を勘違いしたまま使っている文章も
多く目にします。

スピードも要求されるビジネスメールのやりとりにおいて、いちいち文字の正
しい表記や使い方を調べてなんていられない、という声も聞こえます。

ですが、知っておいて損もないでしょう。よく使う言葉ほど、もう一度使い方
を確認してみましょう。

▼ 文章を書く際の基準を持つ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
私が文章を書くとき、常に手元においているのが、共同通信社の「記者ハンド
ブック」と「朝日新聞の用語の手引」です。

駆け出し時代、上司から真っ先に購入するよう言われたのがこの2冊。いずれも
新聞で表記される用字用語の使い方が挙げられています。

すべての文章をこの通りに書くということではなく、表記の際の基準に今でも
しています。

メールもメルマガも、一冊の本の編集を手がける時も、言葉の表記の基準を持
つことが重要。書き手の個性を大切にしながら、表記に一貫性があることも文
章を書くうえで意識しておきたいことです。

 

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読者からも「気になる言葉」が続々と…。 ◆────────────────────────────◆
仕 事 の メ ー ル 作 法     < 読者からのおたより
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                  「気になる言葉」番外編

日ごろ「気になる言葉」を教えてください、と呼びかけたところ、早速、読者
のかたからおたよりをいただきました。書き言葉よりも話し言葉についてが多
かったのですが、共感するものばかりでした。ご紹介します。

■「~じゃないですか」
自分の言い方を納得させようと聞こえるんですね。かなりの抵抗感があります。
無礼に念押し、押しつけがましい。           (読者 E.Sさん)

→よく耳にしますね。知っていて当然、という前提のもとに会話が進んでいく
ようで、暗に同意を促す押しつけがましさを感じます。「私ってまじめじゃ
ないですか」と言うその相手、どう見ても不まじめってことはよくある話。

強引な表現としては「~させていただきます」もあります。丁寧なようで強
引。私もつい使ってしまう言葉なので、気をつけなくては。

■「~なんですよ、はい」
最後の「はい」。たとえば「この辺りに置いてあるのは、新作なんですよ、はい」。
言ってしまう気持ちもわかりますが、気持ち悪いです。  (読者 Y.Tさん)

→「はい」以上に気になるのが最後の「うん」。「~なんですよね、うん」
「もうご覧いただきましたか、うん」。こちらが同意する前に発せられる
「うん」が耳障りです。話し言葉だけではなく、ブログやメルマガでもたま
に目にします。相手に聞いたり同意を得る前に、自己完結してしまったので
は、対話は成り立ちません。

■「申し訳ありません」
「申し分けありません」と使う人もいますが、「訳」が正しいですよね。
(読者 T.Aさん)

→「申し訳ない」の「訳」は理由を意味し、「言い訳のしようがない」詫びる
気持ちを表す言葉です。デジタル大辞泉によると「訳」は「分け」と同語源と
あり、それが混同の原因になっているのかもしれません。

そのほか、和語でも「ご」をつける例として挙げた「ご入り用」に対して、読
者のかたから次のようなご意見をいただきました。

「ご入用(ごにゅうよう)」から「ご入り用」と使用されるようになったので
はないでしょうか? (漢語の前に「ご」をつける)ルールは生きていると思
います。私は「お入り用」を使っています。       (読者 R.Sさん)

この場合も、言葉の本来の意味をたどると違いに納得できますね。

▼ 「くずす」前に基本を身につける
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
着くずすならぬ「言いくずす」現象が日常的な言葉づかいにも多く見られます。
基本を知り、基礎ができたうえで「くずす」のと、知らないまま「くずす」の
とでは大きな違い。

くずす加減、TPOに合わせた使い分けを意識しているつもりですが、つい安易
に使っている言葉も多いです。

洋服も着物も粋に着くずすには年季がいります。粋に言いくずせるようになる
には、もっと言葉の基礎を鍛錬する必要がありそうです。

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