今週は、注意したい敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法      < 気になる敬語(3)
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「抜粋させていただきます」

————————————
○○○についてお調べしたところ、
資料に詳しい説明がありましたので、
下記に抜粋させていただきます。
————————————

上記の文は
不明な事柄について調べがついたので、
説明部分を抜粋してメールで送ります
という内容です。

「調べた」を「お調べした」
「抜粋します」を「抜粋させていただきます」
とそれぞれ謙譲語が使われています。

一文に2カ所敬語が使われているとくどいので、
この場合、最初の「お調べした」は
「調べた」とする方がスッキリします。

「抜粋させていただきます」は
説明部分を「抜粋する」という行為より、
抜粋して「送る」という行為に謙譲語を用いる方が
自然と考えます。

それに、説明部分を抜粋すること自体は
自分で判断して行うことであり、
相手に許可や了承を得る必要はないので
「~させていただきます」を使う必要もありません。

したがって、下記のように書き換えてみました。

————————————
○○○について調べたところ、
資料に詳しい説明がありました。
下記に抜粋して、お送りいたします
————————————

真ん中の文は「ありましたので」とつなげてもいいのですが、
一度文を切った方がさらにスッキリするので、
2つの文に分けました。

このように不要な敬語を使わなくても、
文を整えるだけで、
意味の通る分かりやすい文章になります。

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【しごび】 の お す す め
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今週は、注意したい敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法              < 気になる敬語(2)
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                      「聞く」の敬語の使い分け

——————————
編集会議の日程変更について
お伺いになったでしょうか。
——————————

上記の文は
上司に会議の日程が変更になったことを聞きましたか、
と尋ねる一文です。

「伺う」は「聞く」の謙譲語。
「聞きましたか」と目上の相手に尋ねる場合は
主語は相手で、
尊敬語を使うので「お聞きになりましたか」
とするのが適切です。

——————————
編集会議の日程変更について
お聞きになりましたか
——————————

過去形の謙譲語「お伺いになった」を
そのまま過去形の尊敬語「お聞きになった」に書き換えるよりも
「お聞きになりましたか」
とする方がすっきりします。

では、自分が
会議の日程変更について
客先から聞いている
という場合は、どのような書き方になるでしょうか。

——————————
編集会議の日程変更の件
伺っております
——————————

日程の変更について聞いている
ことを伝えるときは
主語は自分なので、
「聞く」の謙譲語「伺う」を用います。

整理すると
・相手の行為に使うのが「尊敬語」
主語は相手
「聞く」→「お聞きになる」

・自分の行為をへりくだって相手を立てるときに使うのが「謙譲語」
主語は自分
「聞く」→「伺う」「お聞きする」

客先や上司など、目上の相手から
「聞きました」「聞いています」という場合は
謙譲語「承る」
を使ってもよいでしょう。

——————————
編集会議の日程変更の件、
承っています
——————————

では、最後に
上司の佐藤部長から、日程変更の件を聞いていると
客先に伝えるときは
どのような書き方になるでしょうか

——————————
編集会議の日程変更の件、
佐藤から聞いております
——————————

この場合、立てるのは客先で
上司の佐藤部長ではありません。

したがって
「佐藤から聞いた」とし
「佐藤部長から伺いました」では
客先に対して、社内の上司を立てることになるので
NGです。

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あ と が き
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今朝の日経の29面
「さあ準備 会社デビュー 言葉遣い磨き印象アップ」
という記事に、顔写真付きで掲載されております。

社会人らしい言葉遣いをする上で
知っておくと便利な言い回しや
表現について話をしています。

日経新聞を購読していない、という方も
今日はぜひ、手にとってみてくださいね。

一つだけ記事の補足をしますと、
メールで具体的に表現する際のポイントは
数値を意識して使うことです。

「今日のイベントはすごかったです」

「100ブースほど出展していて、
来場者数も今日だけで2000人だったそうです」

といった具合です。

今回の取材は
入社2年目という若い女性記者から連絡があったのですが、
拙著を読んだことがあり、
この度、声をかけてくださったとのこと。

こういう展開が何よりうれしいです。

これまで、6冊
ビジネスメールの書き方をテーマにした書籍を出版していますが
いずれも、新社会人や入社間もない方たちを主な対象としています。

これから会社デビューする方たちの
お役にたつ内容だと思うので
機会あれば、ご一読ください。

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今週は、注意したい敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法      < 気になる敬語
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拝見させていただき

—————————————–
5年間、アシスタントとして
プロの貴重なお仕事を拝見させていただき
勉強させていただきました
—————————————–

上記の文は
ある写真家のもとで5年間
アシスタントをしてきた人が
職場を離れるにあたり、送ったメールの一文です。

写真家に対する敬意が表れた文章ですが
敬語を使い過ぎていて
空回りしている印象があります。

気になるのが「拝見させていただき」の箇所です。

この場合、伝えたいのは
プロの写真家の仕事ぶりを間近に見させてもらった
ことへの感謝の気持ち。

そこで
「見せていただき」をより丁寧に書こうとして
「拝見させていただき」となったものと想像します。

「拝見する」は「見る」の謙譲語で、
それだけで「見せていただく」という意味になるため
後の「させていただき」は不要です。

余分な敬語を取り除いて、スッキリさせてみましょう。

—————————————–
5年間、アシスタントとして
プロの仕事ぶりを間近で目にすることができ
大変勉強になりました
—————————————–

「プロの仕事ぶりを間近で拝見でき」
としてもよいのですが
「間近で目にすることができ」と
敢えて敬語を使わず、事実だけを述べるあっさりした表現に
書き換えました。

プロの下でアシスタントを5年経験し、
勉強したのは自分自身で、
相手に強制されたり、許可を得ながらしてきたことではないので、
「勉強させていただく」ではなく
「勉強になりました」とする方が適切です。

このように今週は
気になる敬語の使い方をピックアップして
解説していきたいと思います。

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今週は、用件を的確に伝えるための手段についてです。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法     < 文字以外の伝達方法(3)>
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                     留守番電話のメッセージ

 文字で伝えきれない点を補ってくれる
 「文字以外の伝達手段」について、今週は取り上げています。

 前回は、メールの用件を電話で補完、
 あるいは、電話の用件をメールで補完して伝えることについて
 述べました。

 電話に関連して
 携帯電話で仕事のやり取りをする場合、
 留守番電話のメッセージも伝達手段として
 有効活用できるものではないでしょうか。

 携帯電話は相手にダイレクトにつながりますが、
 常に電話に出られるわけではないので、
 相手が電話に出られない状況のときはメッセージを残しておくと
 「何についての連絡か」が分かります。

 当然といえば、当然ですが
 メッセージを残さず、着信の履歴だけのこともあります。

 この場合は、
 自分から相手にかけ直す、
 あるいは、
 相手から再度電話があるのを待つ
 という2通りの対応があります。

 着信履歴に気づいた時点で、かけ直すのが基本かもしれませんが、
 ひと言、何についての連絡か、メッセージが残っていれば、
 急を要する用件か、そうでないかの判断がつきます。

 メッセージを残す際に伝えるべきポイントは
 用件の詳細より、
 用件の重要度です。

 電話でしか伝えられない用件だったり、急いでいるのであれば
 「(至急)返信ください」
 とメッセージを残し、相手の返信を待つ。

 あるいは
 「後ほどかけ直します」
 と再度連絡する。

 メールでも伝わる内容であれば
 「詳細はメールでお送りします」と
 メールの伝達に切り替える。

 留守電で用件が伝わる内容であれば
 メッセージを残し
 「返信は不要です」とでも添えておけば、
 やりとりは完結します。


 着信があったので、急いで電話をかけ直したら、
 メールでも済むような内容で、
 「留守電にメッセージを残してくれていたら、それで分かるのに…」
 と困惑した経験が少なからずあるので、

 わたしは、携帯電話のやり取りで
 相手が出ない場合は、
 基本的にメッセージを残し、
 上記のいずれかの対応をとることにしています。

 そのため、
 自分の携帯電話に
 留守電のメッセージがなく着信だけあった場合は、
 自分からかけ直さず、相手からの再連絡を待つことが多いです。

 メッセージがないということは、
 急ぎや重要度の高い用件ではないのだろう、
 と判断してしまうからです(相手にもよりますが…)。


 メールでも電話でも、
 コンタクトを取る以上は、
 二度手間三度手間にならないような配慮が
 必要ではないでしょうか。



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 【しごび】 の お す す め
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 気持ちが振る舞いに表れる
 ということだと思います。

 ちょっとしたことですが、
 してもらった人は忘れません。


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今週は、「ウチ」側・「ソト」側への敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法       < 敬語の使い分け(5)
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 立てる相手に使えない言葉?

「分かりました」という意味で使う
「了解しました」。

これまでに何度か取り上げてきましたが
「了解」は本来
目上の人から目下の人に対して
了承の意を伝えるときの言葉です。

したがって
社内の人を「ウチ」の人
社外の人を「ソト」の人
とすると

「ソト」の人に対して
「企画案の件、了解しました」
のように使うのはNGです。

「了解」の代わりに
「確かに承りました」「承知しました」
と返す方が好ましいです。

「ウチ」の人同士の場合も
上司に対して「了解です」「了解しました」は
控えましょう。

「企画案の件、すぐに対応します」
「それでは早速、企画案をまとめます」

のように、
上司の連絡や指示を理解したうえで
次にどのようなアクションをとるか
伝えるとよいのではないでしょうか。

「了解」はほかに
「了解を得る」「了解を求める」
という使い方もします。

「ウチ」の人(=上司)に
「ソト」の人(=客先)からOKをもらっています
と伝える場合は

「企画については先方の了解を得ています」
「先方に事前に了解を求めることにします」

「ソト」の人(=客先)に
「ウチ」の人(=上司)のOKをもらっています
と伝える場合は

「上司の了解を得ております」
「上司に了解を求めたのですが」

目上の人から理解し、認めてもらう場合には
上記のような使い方があります。

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読みは同じでも字と意味が異なり、間違いやすい言葉を取り上げた
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今週は、「ウチ」側・「ソト」側への敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法 < 敬語の使い分け(4)
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「ソト」の人を立てるには?

客先の相手とやりとりした用件を
自社で上司に伝える場合はどうなるでしょうか。

社内の人を「ウチ」の人
社外の人を「ソト」の人
とすると

「ソト」の人に対して
今、やりとりしたことを
「ウチ」の人である上司に言います、という場合は

「部長の佐藤には、私から申します」

と、「言う」の謙譲語「申す」を使い、へりくだることで
「ソト」の人である客先を立てます。、

「ウチ」の人である上司は「ソト」の人に対しては
「佐藤部長」ではなく「部長の佐藤」とします。

同様に「ソト」の人を立てる言い回しとしては

「部長の佐藤には、私から申し伝えます」

という言い方もあります。

一方
客先から持ち帰った用件を
自社で自分から上司に直接「言う」ときは

「先方からの要望を申しあげます」
「先方からの要望をお伝えします」

と、「言う」の謙譲語「申し上げる」あるいは
「伝える」は謙譲語の「お~する」を使い「お伝えする」とし、
自分がへりくだることで、上司を立てます。

では、
客先からの用件を
会社の上司を通じて聞いています
と客先に伝える場合はどうなるでしょうか。

「部長の佐藤から聞いております」

ここでも立てるのは「ソト」の人である客先ですが
「ウチ」の人から聞いていると伝える場合は
「いる」の謙譲語「おる」を使い
「聞いております」とします。

同じ用件を
客先の別の担当者から直接、聞いたという場合は

「その件は、先日、(御社の)小林部長にうかがいました」

と「聞く」の謙譲語「うかがう」を用いて
「ソト」の人である小林部長を立てます。

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