メール対応の「素朴な疑問」にお答えします。
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 読 者 か ら の 質 問               「企業様」
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<読者からの質問>———————-

 すでに過去に出ている内容でしたら
 すみません。
「企業様」「法人様」「学校様」のように
 団体に「様」をつけることは
 正しいことでしょうか?

 また、「様」を付けず
「多くの企業とお取引をさせていただいて
 おります」のように
「企業」「法人」「学校」と記しても
 失礼にはあたりませんでしょうか?

 教えていただけましたら幸いに存じます。
 よろしくお願いいたします。

            (読者 M・Gさん)
—————————————-

実際に「企業様」「法人様」「学校様」
という使われ方はしていますが
呼称として正しいか、正しくないか
調べることができる範囲で
文献に当たってみましたが、
正解は分かりませんでした。

宛名に敬称として使うのであれば
「会社名+御中」
ですが、

文章として
「多くの企業とお取引をさせていただいて
 おります」と書いているケースは
多く目にします。

ほかにも相手の会社のことを呼んだり、
書いたりするときに
「会社名+さん」とさん付けするケースも
一般化しています。

私見ですが、
会社=法人として、
人格を与えられたものとみなすことから
会社名に「様」や「さん」という呼称を
付けているのかもしれません。

こうした言い方が普及すると
「様」や「さん」を付けずに
相手の会社名を呼んだり書いたりするのが
失礼な気がしてくるのも自然なことでしょう。

会社の慣習やルールもあると思うので、
M・Gさんの会社内で書き方、呼び方の統一が
とれているのであれば
「企業様」という呼称を使うことは
問題ないと思います。

「企業様」という表記が正しいか正しくないか
「企業」とう言葉に「様」を付けないことが
失礼になるのかどうか
私には判断がつきません。

ただ、個人的には、
「企業」「法人」「学校」という名詞に
敬称の「様」は不要ではないか、
と考えています。

「多くの企業とお取引をさせていただいて
 おります」
という一文は、私なら

「メーカー30社と取引があります」
のように「企業様」とくくらず、
業種などを具体的に書いて示します。

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今日は、間違いやすい敬語の使い方についてです。
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 メ ー ル の 敬 語 NEW      「申し付かる」について質問
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先週掲載した「申し付かる」について

読者の方から下記の質問をいただきました。

<読者からの質問>———————————————-

 Q)営業電話を断るときに

「上司にそのような件はお断りするよう申し付かっておりますので…」
 と使っております。
 社会人になってから決まり文句のように使っておりましたが、
 使用に問題はございますでしょうか?
                        (読者 H.Sさん)
—————————————————————-

「申し付かる」を辞書で調べると、該当する言葉が見つかりません。

もう一度、言葉の意味を整理すると

「申し付ける」は、上位者から下位者へ命令すること。
基本的に、主語は上位者(命ずる側)で
「部下に〇〇を申し付ける」のように使いますが、

下位者(命じられる側)を主語にする場合は
「上司からの申し付けにより〇〇いたします」
とするのが自然と考えます。

対して
「申し付かる」は、
「申し付ける」の「付ける」を「付かる」に変えることで
下位者(命じられる側)を主語にした言葉として使われているようです。

でも、辞書には「申し付かる」という言葉はなく、意味が定められていないので
当メールマガジンでは「適切でない言葉」と判断しました。

H.Sさんからの質問にあった
「上司にそのような件はお断りするよう申し付かっておりますので…」
を言い換えるとすれば
「上司からの申し付けで、そのような件はお断りすることにしておりますので…」
としてはいかがでしょう。

ほかの言い方としては
「当社では、そのような件はお断りすることにしております。申し訳ありませんが…」
としてもよいのではないでしょうか。

「付かる」を使う言葉としては
「仰せ付かる」があり、命令を受ける、という意味で
「社長から大役を仰せ付かる」
のように命令する者を敬っていう語 として使われています。

ほかに「付かる」を使う言葉には
「言付かる(ことづかる)」=伝言や物を届けるよう頼まれる
「言付かる」=言い付けられる。命令される。ことづけられる
などもあります。

「付かる」には、つけられる、の意があり
人から頼まれたり、命じられたりするときに用いられています。

そのため、「申し付ける」から「申し付かる」が派生したと思われます。

秘書検定では「申しつかっております」は正しい使用法とされている
との情報もありますので、社内の慣行として定着しているのであれば、
問題ないのかもしれません。

ただ、当メールマガジンでは、上記の理由で「申し付かる」の使用は
お勧めしていません。

 
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             今回は、読者の「気になる敬語」についてです。
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 メ ー ル の 敬 語 New          「お亡くなりになられました」
◆─────────────────────────────────◆

< 読者からのお便り >————————————————

 最近、新型コロナウィルスの報道で「お亡くなりになられました」
 という表現を何度かテレビで聞いたのですが、
 「お亡くなりになる」でいいんじゃないでしょうか?

 またアナウンサーが「~と仰られていました」と言っていましたが、
 「仰る」が敬語なので、「られる」は不要ですよね?

 最近、モヤモヤする表現がどんどん増えてきた気がします。
                           (読者 M.M さん)
———————————————————————-

「お亡くなりになられました」という言い回し、私も気になります。
「お亡くなりになりました」でよく、「なられました」とするのは
過剰な敬語でしょう。

過去のメールマガジンでもとりあげています。

▼「お亡くなりになられる」< 敬語注意報(3)>VOL.1872 

「おっしゃられる」も「られる」は不要で、「おっしゃる」です。
こちらも過去のメルマガで繰り返し取りあげているのですが、未だ
使い続けられています。

▼「おっしゃられる」< 思い込みの敬語(2)>VOL.932

▼「おっしゃられる」< 変な敬語(3)>VOL.1596

思うに
「お亡くなりになられました」や「おっしゃられていました」は
口に出して言うと、なんとなく言えてしまう、なんとなく敬語っぽい
言い回しなのかもしれません。

文字に書いて読めば、敬語の使い過ぎと気付きますが
声に出して言うと、書き言葉ほど違和感を覚えないので
そのまま使ってしまう→広がる という流れなのではないでしょうか。

動画ばやりの昨今、「書き言葉」より「話し言葉」が優位に立ち、広がる
という傾向は、これからもますます高まっていくことでしょう。

だからこそ、M.M さんのように、そうした傾向に「もやもや」する感覚は
大事だと思っています。

 

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            今週は 、間違いやすい敬語の使い方についてです。
◆─────────────────────────────────◆
 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法 < 敬語レッスン(5)>
◆─────────────────────────────────◆
                     「存じ上げる」と「存じる」

——————————————–
反対意見が多いことは重々存じ上げております。
——————————————–

目上の相手に「知っている」と伝える場合の敬語の使い方は、これでよいでしょ
うか?

「知る」の謙譲語は2種類あります。謙譲語Iの「存じ上げる」と、謙譲語IIの
「存じる」です。

「存じ上げる」と「存じる」の違いは、「知る」という行為が向かう先の相手
を高める謙譲語Iが「存じ上げる」。

知っている自分をへりくだることで、相手に対して丁寧に述べる場合に使うの
が謙譲語IIの「存じる」です。

したがって、相手に向かって「重々知ってます」という意を伝える場合は、
「存じ上げる」ではなく「存じる」を使います。
——————————————–
批判的な意見が多いことは重々存じております。
——————————————–

では、謙譲語I「存じ上げる」はどのようなときに使うのでしょうか。
自分が「知っている」相手のことを立てる際に用いるのが「存じ上げる」です。
例えば
———————————————
御社の山田会長のことはよく存じ上げております。
———————————————
といった具合です。

バックナンバーでも取り上げているので参考にしてください。

「存じ上げます」< 敬語注意報(4)> VOL.1673

ここで、謙譲語Iと謙譲語IIの違いを整理しておきましょう。

謙譲語I … 自分側から相手側や第三者に向かう行為について、その向かう先
       の人物を立てて述べるもの
       例)存じ上げる 申し上げる うかがう など

謙譲語II … 自分側の行為を、話や文章の相手に対して丁重に述べるもの
例)存じる 申す 参る など

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今週は、間違いやすい敬語の使い方についてです。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法           < 敬語レッスン(4)>
◆─────────────────────────────────◆
                       「お使いになられません」

————————————————–
工事のため、明日から駐車場はお使いになられません。
————————————————–

「駐車所は使えない」という意を伝える敬語の言い回し。ここで注意したいの
が「お使いになる+れる」の二重敬語です。

「使う」の尊敬語は「お使いになる」。上記の文は、そこにさらに尊敬語の
「れる」が加わっています。正しく書き換えると……
————————————————
工事のため、明日から駐車場はお使いになれません。
————————————————
駐車場を使いますか? と尋ねる場合は、「駐車場をお使いになりますか」と
します。

二重敬語の例は他にもあります。

———————————-
明日、佐藤様がお見えになられます。
———————————-
「来る」の尊敬語「お見えになる」に、尊敬語「られる」が続いています。書
き換えると……
——————————–
明日、佐藤様がお見えになります。
——————————–
「お見えになります」のほかに「お見えです」としてもよいでしょう。

———————————–
講師の先生がそうおっしゃられました。
———————————–
「言う」の尊敬語「おっしゃる」に、尊敬語「られる」が続いています。書き
換えると……
———————————-
講師の先生がそうおっしゃいました。
———————————-

「来る」の尊敬語「お見えになる」、「言う」の尊敬語「おっしゃる」のよう
に言葉の形自体が変わる尊敬語特定形は特に、尊敬語「れる」「られる」を付
け足してしまいがちです。二重敬語にならないように注意しましょう。

 
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◆─────────────────────────────────◆
 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法           < 敬語レッスン(3)>
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                       「部長にお伝えします」

————————
佐藤部長はお電話中です。
————————

職場の内線で他の部署からの問い合わせには、上記の対応で問題ありませんが、
客先からの電話の場合は?

内→内 の問い合わせには、上司を高めて「お電話中です」としますが、外→
内 の場合は、社内の連絡と同じ調子にはいきません。「電話中です」と状況
を相手に伝えるだけでよく、上司のことだからと敬語を使う必要はありません。
また、社外に対しては、上司も内側の人間として扱い、敬称は付けません。

社外の相手に伝える場合は
————————–
佐藤はあいにく電話中です。
————————–
「電話中です」の代わりに「他の電話に出ております」としてもよいでしょう。

同様に社外の相手に連絡事項を社内の上司に伝える場合
————————————
御社の意向は佐藤部長にお伝えします。
————————————
とするのもNGです。

謙譲語「お伝えする」の敬意は上司の佐藤部長に向いていて、「佐藤部長に
お伝えします」では、社外の相手よりも社内の上司を高めていることになり
ます。社外からの連絡事項を社内の者に伝える、と社外の相手に言う場合は
「申し伝える」を用います。

したがって上記の文は
——————————–
御社の意向は佐藤に申し伝えます。
——————————–
とするのが適切です。

このように、客先など社外の相手に対して、社内の上司への敬語をそのまま使
うケースが見られますが、社外に対しては社内の上司も「身内」であり、「○
○部長」といった敬称は使わず呼び捨てにし、敬語を使う対象も上司ではなく
客先になります。内→内、内→外 の敬語の使い分けを混同しないように注意
しましょう。

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