今週は、気をつけたいNGなメール対応についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < メール対応の留意点 >
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                          紋切り型の対応

<メール対応の留意点:その1>

紋切り型のフレーズに頼っていないか?

例えば

1)ファーストコンタクトのメールの書き出しが
「いつもお世話になっております」

2)どのようにでもとれる「大丈夫です」という返信

3)「よろしくお願いいたします」の連発

といった、相手や状況を考えていないメール対応は

送信する側は定型句をそのまま使えば、楽かもしれませんが
受け取る側からすると「何も考えずに対応している」ことが一目瞭然。

不快感は抱かないまでも
良い印象も持ちません。

1)の場合は
「初めてご連絡いたします」
「この度はお世話になります」
といった、初めての相手にふさわしい表現に変える。

2)の場合は
「何が」大丈夫なのか、を具体的に書く。

3)の場合は
「よろしく」に代わる
「ご対応をお願いします」
「ご確認をお願いいたします」といった
相手に求める行動・対応を書く。

こうした、状況に応じた返信ができれば
相手に好印象を与えるだけでなく
具体的に情報が伝わるので、誤解や無駄な手間をなくすことにもなります。

送る側の「面倒」という気持ちからくる
配慮の無い一律な対応は
相手にも伝わってしまいます。

特にメールは、文字だけの伝達ですから
声色や表情では伝わらないニュアンスを
言葉に換えて対応する力が必要。

基本のメール対応を押さえたうえで
相手や状況に応じ、その対応が適切かどうか
考えてからメールを送るようにするだけでも
相手に与える印象は変わってきます。

その場に応じた少しの配慮を
心がけてメールを送りたいですね。

 
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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法          < 読者からの質問(2)
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                     「お世話さまでございます」

<読者からの質問>————————————————

「お世話になっております」ですが、
「お世話さまでございます」という表現はあり、でしょうか。
または「お世話さまです」。

以前、「お世話になっております」は誤った使い方だと聞いたのですが、
よく使われてますよね~

書き言葉、話し言葉の違いや
それが使われている環境(例えば『職場環境』など)も
あるのかもしれませんが・・・

教えていただければ嬉しいです。
(読者 A.Oさん)
——————————————————————

「お世話さまでございます」を分解してみましょう。

「お世話さま」は、人が自分のために力を尽くしてくれたことに
対して、お礼の気持ちをこめて言う語。
挨拶の言葉として用いられることが多いです。

「お世話さま」の「さま」は、
名詞や形容動詞の語幹に「お」「ご(御)」を冠したものに付いて、
「~なこと」の意を丁寧に言い表します。「お世話さま」のほかに、
「お疲れさま」「ご苦労さま」などの用例があります。

ニュアンスとしては「お世話なことですね」「お疲れなことですね」
「ご苦労なことですね」と相手を気遣う言い回しといえるでしょう。

ですから
自分から仕事を頼んだ相手や自分に対して何かしてくれた人、
例えば、自社に出入りしている業者さんから荷物を受け取るときに
口頭で「お世話さまです」と使うのに適しています。

一方、
「ございます」は、「ある」の丁寧な言い方。存在を表す使い方の
ほかに、「お暑うございます」「お久しぶりでございます」のよう
に形容詞・名詞の後ろに付く補助的な用法があります。

「お世話さまでございます」も名詞の「お世話さま」に補助的に
「ございます」を付けた丁寧な言い方といえるでしょう。
ただ、「お世話さま」自体が丁寧な言葉なので、「ございます」を
付けると、さらに丁寧な言葉となります。

したがって、客先に対しては
「お世話になります」や「お世話になっております」とする方が、
言葉の意味合いからも適している、と考えます。

整理すると、相手との関係性で使い分けるなら
発注者から受注者には「お世話さまです」
受注者から発注者には「お世話になります」
          「お世話になっております」
でしょうか。

「お世話さまでございます」は丁寧な表現ではありますが、
どのような対象に向けて使うのが最適なのか、私には分かりません。
また、A.Oさんの質問にある「『お世話になっております』が誤った
使い方」という理由もよく分かりません。


「お世話に~」の書き出しについては、拙著でも触れています。
「さらりと返せる、大人のメール表現334」 
 28ページをご参照ください。

(VOL.1436 2011年2月8日 配信分を2022年1月20日回答部分を改訂)

 
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「即効! スキルアップ講座」の連載、5回目です。

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