今日は、火曜に配信した「メールの敬語」の続きです。
◆────────────────────────────◆
 読 者 か ら の 質 問 NEW         < 「申し付かる」再び >
◆────────────────────────────◆

10月27日に配信した
秘書のかたからの指摘 <「申し付かる」再び > VOL.3658
の続きとして、
「申し付かる」についてご指摘いただいたE.Tさんに私から

 後学のために
 E.Tさんは通常、どのような場面や状況で
「申し付かる」を使っていらっしゃるのか
 その用法を教えていただけないでしょうか。

とお願いしたところ
「申し付かる」の用例を複数挙げてくださいました。
早速、ご紹介します。

「申し付かる」の用例 --------------------------------------

 以下、仮名を使用して内容をお伝えいたします。
 山下は秘書の上司
 お客様は上野といたします。

◎1(予定の調整のときメールで)

 弊社山下より メールにて上野様のご予定を伺うよう
 申し付かりました

 山下が、上野様にお会いしたいと申しておりまして、
 以下の日程にて貴社に伺い、1時間ほど面談のお時間を
 頂戴したく存じます。

 (日にち・・・)

 お忙しいところ恐縮ですが、
 ご検討いただきますと幸甚でございます。
 何卒よろしくお願い申し上げます。

◎2(メールで送る際)

 山下より申し付かり、添付資料を送らせていただきます。
 ご査収の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

◎3(お電話にて直接確認があった場合)

 来月の会議には参加可能であると山下より申し付かりました

◎4(受付お客様や席でほかの役員等の対応で)

 こちらの書類をお渡しするように
 山下より申し付かっております

など、上記4点をあげさせていただきました。

実際、私も取引先の役員の方とのご連絡で
よく使用させていただいております。
常套句のように使用しております。

もちろん、神垣さんが表現しております
「申し付けにより」という表現も致しております。

------------------------------------------------------------

上記がE.Tさんからのメールの内容です。

現役の秘書の方が使っている用例だけに
丁寧で説得力がありますね。

今回は、私自身がとても勉強になりました。

「申し付かる」について
使ってよいかどうか迷ったり
用例が分からなかったりしていたかたは
ぜひ、今回の記事を参考になさってください。

※関連

メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら

メルマガ詳細

このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

▼メールマガジンの「あとがき」はnoteで

記事全文を読む

今日は、「申し付かる」について取りあげます。
◆────────────────────────────◆
  メ ー ル の 敬 語 New!       < 「申し付かる」再び >
◆────────────────────────────◆
                   秘書のかたからの指摘

今回は過去の記事の再掲ではなく、
新たなテーマとして「申し付かる」について取り上げます。

先週、秘書をなさっている女性、E.Tさんから
当メールマガジンの過去記事を掲載しているブログ

について、下記のメールをいただきました。

<E.Tさんからのメール>———————————–

(前略)

以下のブログについて確認させていただきたく
突然のご無礼お赦しください。

https://www.kamigaki.jp/blog/2010/02/09/vol-1210/

「申しつかる」という言葉の使い方はない。
ただし、秘書検定では正しい用法として表記されている
ようです。

という箇所ですが、
正しい使い方として広辞苑第7版、日本国語大辞典第2版に
表記されております。

他動詞五段活用
言いつけるの謙譲語

こちらのブログは用語としてないという前提で書かれておりますが、
実際ある場合であれば
「申しつかる」はお客様にも上司にも使用可能ではないでしょうか。

用語の仕様がないと言う前提であれば
使用することは相応しくないと思いますが、
実際は辞書にも表記されている用法でありますので、
お客様へも使用可能かと存じます。

そして、秘書検定、受付などの接遇用語にも記されております。

見解を聞かせていただきたくご連絡させていただきました。

何卒宜しくお願い申し上げます。

———————————————————-

E.Tさんの指摘を受け、神垣が返したメールはこちらです。

<神垣からの返信メール>———————————-

この記事は、2010年2月9日に当方のメールマガジンで配信し
ブログにアップしたものです。

メルマガ読者から今年7月にも「申し付かる」について
質問がありましたので、メルマガで回答した記事を
ブログに再掲載しています。

この時点でわたしは
・デジタル大辞泉
・大辞林 第三版
・精選版 日本国語大辞典
・現代新国語辞典 第五版
の4つの辞書にあたりましたが、「申し付かる」についての解説を
見つけることができませんでした。

したがって、
「申し付かる」は辞書にない言葉として
自分なりに調べた内容に基づく解釈を述べました。

しかしながら、
E.Tさんのご指摘を受け
広辞苑 第7版 を購入し、調べたところ

E.Tさんのご指摘にある通り
「他動詞五段活用 言いつけるの謙譲語」
と知りました。

手元に広辞苑がなく、辞書にない言葉としてしまいましたこと
を反省いたしました。お恥ずかしい限りです。

秘書検定では「申し付かっております」は正しい使用法として
紹介されているとは、読者の方からもお知らせがあり
存じてはいたのですが、

実際の用例などを見たことがなく
E.Tさんのように現役の秘書の方からご指摘をいただいたことで
間違いなく「申し付かる」という言葉が使われていることを
知ることができました。
改めてお礼を申し上げます。

———————————————————-

私はこれまで、辞書として広辞苑を持ち合わせておらず
代わりに複数の辞書にあたり、最終的に納得できる解説で
言葉の解釈をしていました。

今回の指摘を受け、辞書のスタンダードである
広辞苑は手元に置いておかなければいけない
と痛感した次第です。

E.Tさんからは追記として
日本国語大辞典 第2版 の解説もお知らせいただきました。

<E.Tさんからのメール 追記>—————————–

「申し付かる」についてはネット上では賛否両論あるようで、
日本語の難しさを改めて感じております。

日本国語大辞典の第2版
申し付けられるのやや古い言い方
言いつけられるの丁寧語
申し付く(古語)の受け身の表現

と表記されております。
私が知り得た情報をお伝えいたします。

———————————————————-

このように、読者からの指摘で知見が広がることを
ありがたく思います。

E.Tさんには、実際にどんな形で「申し付かる」を使っているのか
用例を挙げいただきました。
それについては、別途紹介します。

※関連

 
最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』
その他の著書はこちら

メルマガ詳細

このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】
▼メールマガジンの「あとがき」はnoteで
記事全文を読む

今日は、間違いやすい敬語の使い方についてです。
◆─────────────────────────────────◆
 メ ー ル の 敬 語 NEW           「申し付かる」について質問
◆─────────────────────────────────◆

先週掲載した「申し付かる」について

読者の方から下記の質問をいただきました。

<読者からの質問>———————————————-

 Q)営業電話を断るときに

「上司にそのような件はお断りするよう申し付かっておりますので…」
 と使っております。
 社会人になってから決まり文句のように使っておりましたが、
 使用に問題はございますでしょうか?
                        (読者 H.Sさん)
—————————————————————-

「申し付かる」を辞書で調べると、該当する言葉が見つかりません。

もう一度、言葉の意味を整理すると

「申し付ける」は、上位者から下位者へ命令すること。
基本的に、主語は上位者(命ずる側)で
「部下に〇〇を申し付ける」のように使いますが、

下位者(命じられる側)を主語にする場合は
「上司からの申し付けにより〇〇いたします」
とするのが自然と考えます。

対して
「申し付かる」は、
「申し付ける」の「付ける」を「付かる」に変えることで
下位者(命じられる側)を主語にした言葉として使われているようです。

でも、辞書には「申し付かる」という言葉はなく、意味が定められていないので
当メールマガジンでは「適切でない言葉」と判断しました。

H.Sさんからの質問にあった
「上司にそのような件はお断りするよう申し付かっておりますので…」
を言い換えるとすれば
「上司からの申し付けで、そのような件はお断りすることにしておりますので…」
としてはいかがでしょう。

ほかの言い方としては
「当社では、そのような件はお断りすることにしております。申し訳ありませんが…」
としてもよいのではないでしょうか。

「付かる」を使う言葉としては
「仰せ付かる」があり、命令を受ける、という意味で
「社長から大役を仰せ付かる」
のように命令する者を敬っていう語 として使われています。

ほかに「付かる」を使う言葉には
「言付かる(ことづかる)」=伝言や物を届けるよう頼まれる
「言付かる」=言い付けられる。命令される。ことづけられる
などもあります。

「付かる」には、つけられる、の意があり
人から頼まれたり、命じられたりするときに用いられています。

そのため、「申し付ける」から「申し付かる」が派生したと思われます。

秘書検定では「申しつかっております」は正しい使用法とされている
との情報もありますので、社内の慣行として定着しているのであれば、
問題ないのかもしれません。

ただ、当メールマガジンでは、上記の理由で「申し付かる」の使用は
お勧めしていません。

 
ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら

メルマガ詳細

このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

 

▼メールマガジンの「あとがき」はnoteで

記事全文を読む

<読者からのお便り>

先週、掲載したVOL.1469「募金する」

に関連して、お便りをいただいたので紹介します。

———————————————————————-
「募金する」と同様に私が気になっているのは「来店する」です。

店側の人ではなく、店に訪れる自分の行為をいうときにこの言葉を使う人が
最近多くなっていると感じています。

「(自分が)×月×日に来店したとき、~」
「また来店したいと思います!」など。

類似表現では「来院する」もよく目にします。

「来店」「来院」は行為の起点と方向(いわばベクトル)を伴いますから、
終点側にいる人に使われると非常に違和感があるのですが、
「来〇」はかなり広まっている印象です。

私が慣れるしかないのか・・・
                 (読者 Mさん)
———————————————————————-

自分の行為に「来店する」「来院する」を使うのは、私も違和感を覚えます。

「来店」の意味は、人が店に来ること。
店側の人が客に対して「ご来店いただき、ありがとうございます」
「明日、ご来院ください」のように使います。

自分の行為として、店に行くことを伝えるのであれば
「(自分が)×月×日に店を訪ねた(訪れた)とき、~」
「また利用したい(伺いたい、行きたい)と思います!」
という書き方の方が適切ではないでしょうか。

Mさんのお便りにある「行為の起点と方向(いわばベクトル)」がとても大事
で、これを意識するか否かが、「来店」の使い方の分かれ目になっている気
がします。

ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。
メルマガ詳細
最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』
メルマガ詳細
その他の著書はこちら
このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】
記事全文を読む
メール対応についての質問にお答えします。
◆────────────────────────────◆
読 者 か ら の 質 問
◆────────────────────────────◆
「弊社」と「当社」の使い分け

<読者からの質問>———————-

自分の会社のことを書く際に
「弊社」と「当社」という表現があります。

私も両方使用するのですが、
この2つの使い分けはどのようにするべきなのか、
何か決まりがあれば、お教えいただけませんでしょうか。

私自身は、お客様に対しては「弊社」、
自社が顧客である場合は「当社」
として使い分けをしているのですが、
確たる自信をもって使い分けているわけではありません。

もし、使い方に決まり事が存在するのであれば、
今更ながらでお恥ずかしいですが、
ご教示いただければ幸いです。

(読者 Y.Nさん)
—————————————-

言葉の意味を調べてみると

「弊社」は、自分の属する会社をへりくだっていうときに使い、
「当社」は、自分の所属するこの会社、という意味で用います。

したがって、
Y.Nさんの使い分け方で問題ありません。

顧客や目上の相手に対して
自社のことを言うときは「弊社」

上記のケースだけでなく、
相手に対して自社のことを言う場合
一般に使うのが「当社」です。

自社の呼び方については
過去の記事でも取り上げているので
参考にしてください。

▼職場の呼び方< 呼称の整理(3)>VOL.794

▼会社の呼び方< 読者からの質問(4)>VOL.1015

メルマガ詳細
メルマガ詳細

カミガキのフェイスブック

カミガキのX

仕事実績、著書、お問い合わせは・・・
神垣あゆみ企画室

記事全文を読む
メール対応についての質問にお答えします。
◆────────────────────────────◆
読 者 か ら の 質 問
◆────────────────────────────◆
「知れる」は「ら抜き」言葉?

<読者からの質問>———————-

最近とても気になっている言葉の使い方で
「知れる」というものがあります。

〇〇を知れてよかった
〇〇と知れて安心しました

〇〇を知ることができてよかった、
〇〇と知って安心しました、

でいいのではないかと思うのですが
某出版社の広告でも使われているので
自分の感覚がおかしいのかな? と思うほど。

実際のところ、「ら抜き」言葉の一種
なのではないでしょうか。

(読者 Y.Gさん)
—————————————-

「知れる」を調べると、辞書には下記の説明がありました。

1)人に自然と知られる。
(例)名の知れた会社 お里が知れる

2)(多く打ち消しの形で用いて) 話し手にそのことがわかる。
(例)気が知れない 得体の知れない人物

3)(「知れている」の形で)はじめから、その範囲がだいたいわかっている。たいしたことはない。
(例)たかが知れている

4)(「どんなに…か知れない」の形で)
非常に…するであろう、という予測や、非常に…したという気持ちを表す。
(例)どんなに喜ぶか知れない

質問にある
「〇〇を知れてよかった」
「〇〇と知れて安心しました」
は上記の4つの意味には当てはまらないようです。

「…を知れて」は「…を知ることができて」
「…と知れて」は「…と知って」とするのが適切だと思います。

「知れる」で検索すると、ニュース記事には
「軽井沢の小さな雑学知れるミニ講演」
「…について深く、速く、幅広く知れる」
のように見出しとして簡潔にするために「知れる」としているケース

「花言葉が年賀状きっかけで、知れるのはいいよね」とか
「…を先に知れるんだよね」のように
話し言葉で使われているケースがあります。

いずれも、本来は「知ることができる」と書いたり言ったりするのが適切ですが、
短く言いやすくするために「知れる」が使われているようです。

質問にあるように、「ら抜き」言葉の一種でしょう。
でも、書き言葉では「ら」を抜かず「知ることができる」を使いたいですね。

<追記>2024.12.

この質問に回答したのが2018年。
6年後の2024年に「知れる」がどの程度、
新聞やネットニュースの見出しに使われているか、
検索して調べてみました。

「著者の新たな一面が知れる名著」(某出版社)
「まちの面白さを知れるオンラインイベントを開催」(某自治体)
「○○の50年の歴史が知れる○○展」(某Webメディア)
などがありました。

上記に挙げた見出しは
「新たな一面を知ることができる名著」
「まちの面白さを知ることができる」
「歴史を知ることができる」

とするのが適切ですが
「知ることができる」と8文字使うより「知れる」と3文字にすれば
5文字も減らすことができるので、見出しに「知れる」が使われ続けているのでしょう。

6年の間にむしろ
「ら抜き」言葉として意識されず
一般語として定着してきた感さえあります。

メルマガ詳細

メルマガ詳細

カミガキのフェイスブック

カミガキのX

仕事実績、著書、お問い合わせは・・・
神垣あゆみ企画室

記事全文を読む