今週は、メールと手紙の使い分けについて考察します。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法            < メールか手紙か(3)
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                            ひと言の効用

私はメールだから「心」が伝わらないとは思いません。

▼ 気持ちを伝える努力
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

手段が何であれ、伝える手間を惜しまないことのほうが重要と考えます。

速やかに伝えたければメールや電話が便利ですし、改まった気持ちで送る
ならはがきや手紙、もちろん直接会いに行くことも、それぞれ対話の形で
あり意味があります。

先日、実家の近所に住む知り合いにスーツケースを貸しました。用が済み、
実家に返却されていたのを取りに行くと、中にはたくさんのおみやげ。

お礼代わりのおみやげだったのかもしれませんが、ひと言「ありがとう」
と伝えてもらう方が余程うれしいのに、と思いました。

手紙では大げさ、電話は遠慮してしまう、そんな時はメールでひと言「あ
りがとう」。それだけで、お互いが良い気分になれます。

黙ってやり過ごしたり、物やお金にものを言わすより、大切なのは思いを
言葉に代えて伝えること。

直接、口で伝えられない時のためにメール、電話、手紙という道具がある
のであって、まずは「伝えよう」「伝えたい」という気持ちありき、なの
ではないでしょうか。

あなたは言葉で伝える努力、していますか?

▼追記 2021/06/21

「言わなくても分かる」というのは、相手との関係性が
 密接であれば、可能かもしれません。
 しかし、通常は、言わなければ、気持ちは伝わりません。
 少なくとも、言葉にしなければ、相手には分かりません。

「気持ち」や「心の中」は見えないからこそ、
 言葉にして伝える努力が必要ではないでしょうか。

 そして、より効果的に伝えるために
 最適な伝え方を「選ぶ」のであって
 相手やタイミングによって「最適解」は変わってくると
 思います。

 
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今週は、メールで目にする困った表現についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法                 < 困る言葉
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                        「行けそうなら行く」

会合やイベントに人を誘ったとき、「まだ予定がはっきりしないので、行
けそうなら行きます」とメールをもらうことがあります。

▼ 実は困るあいまいな返答
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
当の本人は「できれば行きたい「とりあえず保留にしておいて」という気
持ちから、そう返答するのでしょう。

ですが、申込が必要な時や参加人数を確定しなければならない場合は非常
に困惑します。

参加が不確定な場合は、あっさり「参加できない」と伝えられる方が次の
段取りができて助かるもの。間際になって「やっぱり行けない」と告げら
れるほど困るものはありません。

あいまいな返答は、相手に余計な気を遣わせ、手間をとらせます。参加で
きるか否かの判断は早めに決断し、伝えるのが相手への思いやりではない
でしょうか。

 
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今週は先手必勝のメール作法をご紹介します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法       < 先を制すメール(2)
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日程を決める

会合や打ち合わせの日程決め。参加者が複数になるほど、調整に時間がか
かります。そんな時は…

▼ 候補日を複数挙げて日程調整
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
第二~三候補くらいまで、自分の都合のよい日時を先に挙げ、調整をとる
ようにしています。

その際、「勝手ながら、当方の都合を先に挙げさせていただきますと…」
「こちらの都合を先に申しあげて恐縮ですが…」と、ひと言添えるように
しています。

自分の都合優先ということではなく、参加者が都合のつく日を効率よく決
めるために、一回のメールで判断できるようにしたいからです。ケースバ
イケースで、相手に先に都合のつく日程候補を尋ねる場合もあるでしょう。

最終的な目的は日程決めではなく、その先の会合なり打ち合わせを行うこ
となので、少ないやりとりでサッと決まるように調整したいですね。

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今週は、【しごび】読者からの質問にお答えします。
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仕 事 の メ ー ル 作 法       < 読者からの質問(5)
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使い分けの基準

質問というよりご意見としていただきました。

<質問:送り仮名の統一>——————————————-

「割引き」「割引」、「取締り」「取り締り」など、どれが正しいかの
判断は実務的には難しいですが、少なくとも、送り仮名を統一する努力
が必要と思う言葉です。ほかにもありますよね。

—————————————– 読者 K.Iさんからの質問

慣用に従い、送り仮名を付けない言葉としては、主に次のようなものがあ
ります。

■地位、身分、役職、法令、書式などの名
覚書 肩書 事務取扱 欠席届 取締役・取締本部 退職願 社員見習
など

■工芸品やそれに準ずるもの
博多織 鎌倉彫 備前焼 など

■経済関係分野で慣用されている語
貸付金 借入金 売上高 支払総額 申込期間 割増料金 振替手数料
など
※ただし、動作・方法・状態を表す場合は仮名を送る
貸し付け 売り上げ 借り入れ条件 貸し付け基準 振込み方法
など

▼ 語頭に合・浮・貸・敷・建 が付くと…
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
一般に慣用が固定し、送り仮名不要とされる言葉には次のものがあります。

■語頭に「合」が付く言葉
合鍵 合言葉 合図 合服 合間 など

■語頭に「浮」「貸」「敷」「建」が付く、主に具象名詞
浮世 浮輪 貸衣装 貸金庫 貸家 敷金 敷物 建売 建具 など

これらもパソコンで入力すると、送り仮名がついたり、ついていない候
補が出てきます。一つの基準として覚えておくとよいでしょう。

(参考:共同通信社「記者ハンドブック」第10版)

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今週は、メールでの断り方を考察します。
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  仕 事 の メ ー ル 作 法             < 断るテクニック(4)
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                         断る言葉いろいろ

▼ 婉曲な表現とフォローのひと言
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
断る時に限らず、書き方ひとつで読み手の印象は変わります。

特に、メールの場合は、話すような感覚で気軽に書いたつもりでも、読み
手にはキツク冷たく感じられることが多いです。断りのメールならなおさ
らです。

しかも、電話や会話のようにその場で消えず、形として残る点が厄介。言
葉の選び方に注意を要します。

「だめです」「むりです」「できません」

という断りのフレーズ。単刀直入に切り込むのもひとつですが、婉曲な書
き方も覚えておいて損はありません。例えば、

「難しいです」「残念ですが、対応しかねます」「困ります」

直截的な表現でなくても、断りの意思表示はできます。

むしろ、断る時期を引き延ばしたり、その場しのぎのあいまいな表現でお
茶を濁す態度のほうがトラブルのもと。

断ったあと
「お役に立てず、申しわけありません」
「せっかく声をかけていただいたのに心苦しいです」
というフォローのひと言も忘れずに。

▼ きっぱりと、でも相手の気持ちも考えて
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
では、あいまいな断り方とは。

「そのうちに」「またの機会に」「考えておきます」

これらは、社交辞令として使われることも多く、相手に気を持たせる表現
でもあります。特に勧誘目的の相手には隙を与えることになります。

断られた経験がある人ほど、断り方もうまいです。

断わられるのは、心情的にうれしいものではありません。気持ちをそいだ
り、傷つけることもあります。

きっぱり意思表示をすることは大切ですが、断りのメールを読む相手のこ
とも推し量り、自分がそう断られても気持ちよく受け止められる書き方を
考えてみましょう。意識するだけで、随分違います。

その始めの一歩が「書いたら、読み返す」でもあります。

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今週は、読者からの質問にお答えします
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法          < 読者からの質問
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                      敬称について

久々に読者のかたからの質問にお答えします。すでに回答をお送りしたか
た、誌上で回答させていただくかた、いろいろです。「メールで使用する
際の表現」という観点でお答えしています。まずはお一人目の質問です。

<質問:殿と様の使い分け>———————————-

以前、仕事上で、かなり年輩の人に、
「殿」は目下の人に対して使うものだと言われたことがあります。

それ以来、殿は使ったことがありません。
(そのとき怒られたのでトラウマ‥‥)

殿と様ってどう使い分ければいいんでしょうか?

——————————— 読者 K.W 様からの質問

先週の「メールの書き出し(2)」で社内の目上の人へのメールの書き出し
の記事の時にいただいた質問です。

殿を使うべきか、様を使うべきか、迷うところですよね。敬称については
読者のかたから質問を多くいただきます。

▼ 目上の人への私信には使わない
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「殿」に関しては、公私での使い分けがあるようです。
・公式な場合や組織内では、上下の区別なく「殿」を使う。
・私的な場合は、目下の人に対してだけ「殿」を使う。

三省堂「大辞林 第二版」によると
古くは、「関白殿」「清盛入道殿」など、かなり身分の高い人に付けて
も用いた。現在では、目下に対してや事務的・公式的なものに用いるこ
とが多く、少なくとも、目上に対しての私信にはほとんど用いない

とあります。

「殿」が使われるのは、書き言葉が主で、話し言葉では、表彰など特別な
席や改まった場以外では使用頻度が少ないもの。誰に当てる場合でも、私
的に「殿」を使うことは、日常的にはあまりないですよね。

「殿」は目上の人への私信には使わない
と、まずは覚えておき、使用を避けるのが無難でしょう。

▼ 目上の人にも「様」は失礼に当たらない
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ビジネスの場でも「殿」は、「人事課長殿」のように役職名の宛名に
使われることがあるようですが、
通常の仕事のやりとりで使うメールでは「様」で十分。
失礼には当たりません。

お役所などでも最近は「殿」から「様」に表記が切り替わりつつあり、
「殿」を使わない方向になっているようです。

慣習的に「殿」を使っている職場は別として、通常の仕事のやりとりで交
わすメールでは「宛名+様」「名前+役職名」。
役職が付く場合も「○○部 部長 山本様」と表記すれば差し支えありま
せん。

 
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