今週は、読者のかたから寄せられた質問にお答えします
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仕 事 ‎Begin の メ ー ル 作 法      < 読者からの質問(2)
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「へいこうえいぎょう」の表記

<読者からのお便り>————————————————–

技術者を企業に紹介する場合に、この技術者は各方面の会社に紹介しています
との意味で へいこう営業 という言葉をつかいますが、この場合、
並行、平行、併行の どれが正しいのかいつも疑問に思います。

どれが正しいのか、それともどれでも良いのか? 機会があったら取り上げて
欲しいと思います。       (読者:60代第2の人生奮闘中のK.Yさん)

———————————————————————-

「朝日新聞の用語の手引」によりますと

平行=どこまで行っても相交わらない
例)平行四辺形、議論が平行線をたどる

並行=相並んで行われる
例)並行審議、並行輸入、線路と並行して走る道路

※併行 → 「並行」で統一

平衡=釣り合い
例)平衡感覚、平衡を保つ

とありました(共同通信社「記者ハンドブック」も同様)。

「デジタル大辞泉」には、並行と併行が列挙され、意味としては「並んで進む
こと」に加え「二つ以上のものが同時に行われること」とあります。

ご質問の「へいこう営業」は、「並行営業」と表記するのが妥当ではないでしょ
うか。

「会う」と「合う」の違いなど、同じ読みで表記が違う言葉をバックナンバ
ーで紹介しています
▼基準を持つ(3) 「会う」と「合う」の違い VOL.105

 

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気休めとは思いつつ、昨日、マツダレンタカーのオレンジのステッカー付ロードスターで自主トレ。半日乗り倒しました。スポーツカーってときめくぅ。ただ今、キャンペーン期間につき広島では通常の20%OFFで乗れますよ!

今週は、読者のかたから寄せられた質問にお答えします。

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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法         < 読者からの質問
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<読者からのお便り>———————————

6月9日配信のVOL.106 の「紛らわしい仮名遣い」にあった

<づ>
ことづける(言付ける) したづつみ(舌鼓)

この「したづつみ」は「したつづみ」で掲載されていました。
(共同通信社『記者ハンドブック』第10版)←最新版が出ましたねー。
しかーし、圧倒的に私を含めて(>_<)周りはみんな、
「したづつみ」派です。

お料理番組でも、話し言葉では、「したづつみ」の方が多いような気がし
ます。だから、いつも校正のときにはなおさら間違えないようにと気をつ
けるんですけどね。
(読者:松田清美さん より)

—————————————————–

申し訳ありません。

このお便りをいただいて、すぐ確認しましたところ
6月9日配信のVOL.106 でご紹介した  http://tinyurl.com/97hv4

したづつみ(舌鼓) ×

私のタイプミスで、正しくは

したつづみ(舌鼓) ○

です。

「朝日新聞の用語の手引」でも「したつづみ」と表記されていますので、
松田さんのご指摘どおりです。大変失礼いたしました。お詫びして訂正い
たします。

何が一番ひやっとするかって、彼女、松田清美さんからのお便りほどひ
やっとするものはありません。なぜなら、彼女、プロの校正者なんです。

画龍点睛(がりょうてんせい) 松田清美さん

自戒を込めて、もう一度!
「すぐ調べる。そして、読み返す」
そして、松田さん、どうもありがとう!

続きを読む

記事全文を読む

今週は、表記の際の留意点についてです。
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仕 事 ‎Begin の メ ー ル 作 法         < 基準を持つ(5)
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                   間違いを減らすには?
▼ なぜ、基準を持つのか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「表記の際に注意したい点」について、おさらいをしてみましょう。

1)表記の際に基準となる辞書や手引きを持つ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
2)同じ文章内の表記の統一を図り、一貫性をもたせる
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
・送り仮名は、活用語尾の前から仮名を送るのが原則。
慣習で意味が通じる言葉は、送り仮名の一部を省くことを許容
(例:「おわる」は「終わる」が原則だが、「終る」も許容)

・同じ読みでも漢字表記が異なる語を知り、使い分ける。

・紛らわしい仮名遣いに注意する
(例:「こんにちは」「こぢんまり」「ずつ」など)

なぜ、基準となる辞書や手引きを持つのか?

それは、表記について指摘された際、「コレを基に表記しています」と提示で
きるからです。一つ基準にする資料があれば、「なぜ、そう表記したか」とい
う説明ができますよね。

記者ハンドブックや広辞苑のように、一般に信頼度の高い資料を「基準」にし
ておくと説得力が増します。

ただ、表記の「基準」に絶対的なものはありません。大切なのは、「基準」と
なる資料にがんじがらめに縛られるのではなく、自分が文章を書く際の表記の
統一や言葉の使い分けができていることです。フリーの編集者には、担当する
出版社の表記の基準が頭に叩き込まれているという人もいます。

▼ すぐ調べる。そして、読み返す
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
メールマガジンと書籍の違い。

人の目でチェックされているか否か、だと私は区別しています。ほとんどのメ
ルマガは書いた筆者自身が校正・校閲しており、筆者以外の人、つまり編集者
の目や手でチェックされているメルマガはごくわずか。

ですから、言葉遣いや表記の誤りが目につき、書籍よりも文章の完成度がどう
しても劣るのです。

1冊の書籍も1つのメルマガも内容の良さを引き立てるのは、言葉への配慮。

メールもメルマガも、文章を書くときは、表記に迷ったり疑問を持ったら、す
ぐ調べる。文字の入力の際、自動変換に頼りきらないことです。

そして、最低一度は読み返す。自分の文章を客観的に見直すためにも、少し間
をおいて読み返すと、間違いに気づきやすいですね。

表現に凝るよりまず、正しく分かりやすく書けているかを気に留めてみましょ
う。その積み重ねが、実は文章上達の近道です。

基本があるから飛躍ができる。スタイルのある文章というのは、しっかりした
基本から生まれていくものではないでしょうか。

 

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今週は、表記の際の留意点についてです。
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仕 事 ‎Begin の メ ー ル 作 法         < 基準を持つ(4)
◆────────────────────────────◆                                      間違いやすい仮名遣い

▼ 「は」と「わ」、「お」と「う」の使い分け
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「こんにちは」と「こんにちわ」。
うっかり「わ」にしていませんか? 「こんばんは」も同様ですね。

一方、「雨は降るわ風は吹くわ」は「わ」。「は」ではありません。
「来るわ来るわ」「出るわ出るわ」も同様です。

「通る」を平仮名で書くと「とおる」「とうる」さて、どちらでしょう。

この場合は「お」。「とおる」です。試しに「とうる」と打って変換してみて
ください。「通る」は出てきません。「多い=おおい」「大きい=おおきい」
「おおよそ」なども同様に「お」で表記します。

では「放る」を平仮名で書くと?

この場合は「ほうる」。ほかにも「扇=おうぎ」「遊びほうける」などが「う」
ですね。

▼ 紛らわしい仮名遣い
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
日常的な言葉ほど、意外と仮名遣いを間違っているものです。

紛らわしい仮名遣いを挙げましたので、確認してみてください(「朝日新聞の
用語の手引」を参照しました)。

<は> いずれは こんにちは こんばんは 願わくは

<わ> 来るわ来るわ 出るわ出るわ 雨は降るわ風は吹くわ

<ぢ> こぢんまり

<づ> ことづける(言付ける) したつづみ(舌鼓)

<ず> ずつ(一つずつ、少しずつ) うなずく(頷く) 黒ずくめ さしずめ

<お> おおよそ とおる(通る) とどこおる(滞る) おおい(多い)
おおきい(大きい)

<う> ほうる(放る) こうむる(被る) 遊びほうける おうぎ(扇)

「こぢんまり」を「こじんまり」、「ずつ」を「づつ」と間違いやすいので
注意しましょう。

「朝日新聞の用語の手引」 

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             同訓異字・同音異議語の使い分け例

▼ 同じ読みで表記が違う言葉
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「会う」と「合う」の違い、ご存じですか?

「会う」は、主に人と人とがあう場合に使い、「合う」は合致、調和、互い
に同じ動作をするときに使うと、「朝日新聞の用語の手引」にあります。

人にあう時は「会う」、人以外にあう時は「合う」と、私は覚えるようにし
ています。さらに、遭遇、偶然という意味での「遭う」もありますね。
このように、同じ読みでも漢字表記が異なる語が幾つもあります。

たとえば「制作」と「製作」。

「制作」は、主として芸術的、ソフト的なものをつくる時に使用し、「製作」
は主として具体的、実用的なもの、主に量産するものをつくる時に使用(共同
通信社の「記者ハンドブック」より)。例としては、絵画・工芸品の「制作」、
機械・器具の「製作」。

混同しやすい言葉ですが、明確な区別はなく、映画、新聞、放送など、内容に
よって使い分けられることが多いです。私の名刺は「印刷物・出版物の制作」
としています。

▼ 表記の基準を設ける
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「十分」と「充分」。

統一用語としては「十分」です。けれど、私が担当している社内報では、社長
が「充分」を好んで使うので、敢えて訂正せず、その社内報では「充分」に統
一して使用しています。

このように、「用字用語集」にがちがちに縛られるのではなく、同じ人が書く
メールや文書、同じ会社が出す印刷物などによって表記の基準を設け、統一し
て使用するようにしています。
<追記>
1冊手元にあると重宝します。

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                注意を要する送り仮名の表記

▼ 送り仮名の原則を知る
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
送り仮名を付ける際の基準としては、1973年内閣告示の「送り仮名の付け方」
があります。

公用文書や新聞表記の基準にされており、「朝日新聞の用語の手引」もこれに
基づいています。迷いやすい表記を幾つか挙げてみましょう。

◎活用のある語は活用語尾を送る
例)表す 行う 断る 現れる 生きる
 ̄   ̄   ̄   ̄ ̄   ̄ ̄
◎動詞の活用形やそれに準ずるものを含む送り仮名
例)終わる 聞こえる 向かう 押さえる 生まれる 積もる 起こる
 ̄ ̄   ̄ ̄    ̄ ̄   ̄ ̄    ̄ ̄    ̄ ̄   ̄ ̄
◎形容詞・形容動詞の語幹を含むもの
例)確かめる 重たい 細かい 柔らかい
 ̄ ̄    ̄    ̄ ̄   ̄ ̄ ̄
▼ 「許容」「例外」も、ある
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
上記の例は「原則」であり、「許容」「例外」もあります。
たとえば、「おわる」を例にとると……。

「おわる」と「おえる」の区別のために「終わる」「終える」と活用語尾の前
から仮名を送るのが原則。ですが、慣習となっていて意味が通じる場合は、送
り仮名の一部を省いて「終る」とすることも許容されています。

結局、どちらでもよく、メールで文字を入力する時も「終わる」「終る」の両
方が変換候補として出てきます。

ただ、一つの文書に「終わる」と「終る」が混在するのは見苦しいので、迷っ
た時は「原則」の表記を基準に書くと良いでしょう。そのためにも基準となる
辞書や手引きを手元に置いておきたいですね。

※参考:
送り仮名の付け方(昭和48年6月18日,昭和56年10月1日 一部改正) 内閣告示・内閣訓令

「朝日新聞の用語の手引」 

※追記
この記事のポイントは、一つの文書に二通りの表記が混在するのを避け、統一
することです。

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