今週は、同じ意味合いでも好印象を与える表現についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法 < 言いかえる技術(4) >
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否定より肯定
人やモノを形容するとき、表現の仕方によっては悪口と取られたり、相手
を不愉快にしてしまうことがあります。
「彼は単純だから」
「ずいぶん古臭い建物ですね」
「否定的な表現は避けた方がよい」
上記の3文は「ありのままを表現した」と言ってしまえば、それまでですが、
視点を変えると次のように書きかえることができます。
「彼は素直な性格だから」
「ずいぶんレトロな建物ですね」
「肯定的な表現を使うように努める」
人を形容するときは、「あの人は○○な人」と言いきってしまわず、「~な
性格」「~な性分」とするだけでも表現が婉曲になります。「背が低い」と
か「髪の毛が薄い」とか、本人がどうすることもできない身体的特徴や見た
目を取り上げるのも感心しません。本人に伝えることはなくても、人へそう
伝えれば、悪口陰口と同じです。
マイナス面に注目すれば「古臭い」でも、プラス面を見て表現すれば「伝統
的」「歴史を感じさせる」「年季の入った」といいかえることができます。
類語辞典を引くと、いいかえの語彙を増やす助けになります。
トイレでこんな張り紙を見たことはありませんか?
「トイレはきれいに使いましょう」
これはよくあるパターン。
でも、たまに次のよな一文を見かけます。
「いつもきれいにお使いいただき、ありがとうございます」
注意を喚起するとき、悪い結果を招かないために、つい命令調や詰問調の表
現になりがちですが、そこを敢えて良い結果を想定して呼びかけてみると表
現自体ががらりと変わります。
最初に挙げた例文も行動に結びつきやすいのは「否定的な表現を使うな」よ
り「肯定的に表現しましょう」という言い回しです。