今週は、言い間違いや書き間違いをしやすい言葉を紹介します。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法 < 間違いやすい言葉 >
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                  「さまざまありがとうございます」

 メールのやり取りの結びの文に
 ————————————————————
 さまざまありがとうございます。またよろしくお願いいたします。
 ————————————————————
 とあり、違和感を覚えました。

 相手は、一つの事柄だけでなく、その他のさまざまな事柄も含めたお礼を
 言いたかったのだと想像できます。しかし、「さまざまありがとうござい
 ます」では文として収まりが悪いと感じました。

 代わりに「いろいろとありがとうございます」とすれば、しっくりきます。

 言葉の意味としては「さまざま」も「いろいろ」も違いはないように思え
 ますが、意味の違いを調べてみると……

 日常的な些末なことをひとまとめに指すときに用いるのが「いろいろ」。
 単に種類の多さだけでなく、一つ一つが異なっていることを示す場合は
 「ざまざま」という違いがあるようです。

 会話でも文章でもよく使うのが「いろいろ」ですが、「さまざま」はどちら
 かというと文章で使う頻度が高い言葉です。

 上記の文のように「ありがとうございます」や「お世話になりました」と
 伝える場合は
 「いろいろとありがとうございます」
 「いろいろお世話になりました」
 と「いろいろ」を使うほうがしっくりきます。

 「いろいろ」のほかに、私がよく使うのは「もろもろ」です。

 ———————————————-
 もろもろご対応いただき、ありがとうございます。
 ———————————————-
 のように使うほか、「ご対応いただき」を省略して「もろもろありがとう
 ございます」とすることもあります。

 今週は、このように言い間違いや書き間違いをしやすい言葉を取り上げて
 いきたいと思います。

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今週は、メールで使える気の利いた言い回しを紹介します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法      < 仕事に使える大和言葉(3)>
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                         断るしかないときに

「やむなく」

やむを得ない、仕方がないという意味の言葉で、どうしようもない状況に
使うことが多いのが「やむなく」です。例えば……

都合や事情があり、参加や人からの誘いを断らなければならない。
そんなとき、「どうしてもだめで」では説得力がなく、かといって
「ちょっとその日は…」という曖昧な断り方もすっきりしません。

そのようなときは、参加できない理由を挙げたうえで、
「やむなく」を使うと、相手にも断る事情が伝わります。

————————————————————
社内行事と日程が重なっており、今回はやむなく欠席いたします。
————————————————————

「やむなく」を用いることで、「どうにも都合がつかないので、
やむを得ず諦めた」という心情が伝わります。

断りを入れる場合も「やむなく」を使うことで、「残念ながら」という
意味合いを添えることができます。

——————————————————
早々に定員に達し、やむなく申込みをお断りした次第です。
——————————————————

いろいろ事情があり、なんとかしたくてもどうにもできない状況を伝える
ときに適した言葉が「やむなく」です。

※参考 「やむなく」と意味を同じくする言葉
▼「心ならずも」< 大和言葉の活用 > VOL.2724

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今週は、よく使う言葉の改まった言い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 改まった言い方(4)>
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「ちょっと」の言い換え

今週は、くだけた普段着の表現を
改まった書き言葉に変換する例を紹介しています。

量や度合いが少ないことを
「ちょっと」「ちょこっと」「少し」
と言いますが

改まった言い方では
「わずか」「ささやか」「いささか」
とします。

「ほんのちょっとですが」は
「わずかですが」とか
「ささやかですが」に。

会話でも
「ちょっとお待ちください」を
「少々お待ちください」と言い換えると
丁寧さが増します。

誘いを断るときに
「予定があるのでちょっと……」
と最後まで言わずに
「ちょっと」で言葉を濁して
うやむやにするケースがありますが

そのようなときは
「あいにく予定があり、参加できません」
「残念ながら、今回は不参加とさせてください」
のように、きちんと断りを入れるほうが好ましいです。

「少しでもお役に立てれば」と伝えたいときは
「いささか」を使って
「いささかなりともお役に立てれば」
とします。

また、「いささか」を打ち消した
「いささかならず」
という言葉もあります。

少しでない、つまり、とても
という意味で
「面倒をかけるばかりで、いささかならず気が引けます」
のように用います。

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【しごび】 の お 知 ら せ
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「ギャル流行語大賞」トップ5の言葉を
ビジネスメールでも使える言葉に言い換えると……

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今週は、使い方により表記が異なる言葉を取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 表記の使い分け(4)
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                           「御」と「ご」

今週は、漢字で書く場合と平仮名で書く場合で
意味や用法が異なる言葉を紹介してきました。

「御」と「ご」
使い分けていますか?

どちらも接頭語として用いられますが、
新聞の統一表記では

漢字の「御」は、慣用的に使われているものや
固有名詞に近い形のものに用い、
それ以外の接頭語を「ご」とすると区別しています。

例)「御」で表記する言葉
切り捨て御免、天下御免
御所、御用達、御用邸、御来光
御三家(徳川三家の総称)

例)「ご」で表記する言葉
ごあいさつ、ご協力、ご祝儀、ご無用
ご縁がある
ご存じかと思いますが
ご多分に漏れず
何かご用ですか

「御」は「ご」と読むほか、
「お」「おん」とも読みます。

新聞表記では接頭語として用いる「お」は平仮名で統一しています。

例)お志、お歳暮、お世辞

ただ、これは新聞の統一表記の区別で
ビジネスメールやビジネス文書などの書き言葉では
基準になりますが

例えば、のし紙に「御歳暮」と書くのが間違い
というわけではありません。

メールの場合は、文中の漢字使用頻度が高いと
堅苦しい印象を与え、見た目も詰まった感じがして
“圧の高い”文面になりがち。

接頭語や助詞、助動詞、動詞や形容詞の補助で使う言葉は
意識して平仮名表記にすると
文面が読みやすくなります。

同じ言葉でも、漢字と平仮名に書き分ける際
新聞の統一表記を参考にするのは
新聞とメールでは文字の配列が似ているからです。

文字と文字、行と行の間隔が
どちらも狭いですよね。

漢字か平仮名か、表記に迷ったとき
新聞の統一表記をお勧めする理由のひとつは、そこにあります。

そんなわけで、私がいつも手元においているのは……
「記者ハンドブック 第14版: 新聞用字用語集」

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今週は、使い方により表記が異なる言葉を取り上げます。
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 の メ ー ル 作 法            < 表記の使い分け(3)
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「無い」と「ない」

今週は、漢字で書く場合と平仮名で書く場合で
意味や用法が異なる言葉を紹介しています。

「無い」と「ない」
使い分けていますか?

漢字の「無い」は、「有る」の対義語。

例)無きにしもあらず、無い袖は振れない、無かったことにする
彼には信用が無い。
有ること無いこと言いふらす。

一方、
平仮名の「ない」は、主に打ち消しの意を表すときに使います。

例)知らない、分からない
美しくない、聞きたくない、
感心しない、言うべきでない

11月20日に配信したVOL.2981で取り上げた
「…かもしれない」の「ない」も平仮名表記です。

「ない」の付く言葉としては、ほかに
「ない交ぜ」「なし崩し」などもあります。

「ない交ぜ」は「綯い交ぜ」と書き、
いろいろなものを混ぜ合わせること。

「なし崩し」は「済し崩し」と書き、
正式な手続きを経ず、既成事実を少しずつ積み上げること。

いずれも、元の漢字はありますが、
新聞表記では平仮名書きで統一されています。
「無い交ぜ」「無し崩し」と書くのは間違いなので、注意しましょう。

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今週は、使い方により表記が異なる言葉を取り上げます。
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 の メ ー ル 作 法 < 表記の使い分け(2)
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「所」と「ところ」

今週は、漢字で書く場合と平仮名で書く場合で
意味や用法が異なる言葉を紹介しています。

「所」と「ところ」
使い分けしていますか?

漢字の「所」は位置や場所を指します。

例)至る所、所狭し、所々
お所とお名前、会社のある所

一方、
平仮名の「ところ」は、位置や場所以外を指すときに
使います。

例)今のところ(場面)
思うところあり(事柄)
知り合いのところ(所属する集団・組織)

「どころ」の形で使うときも平仮名表記です。

例)米どころ、心のよりどころ、
腕の見せどころ、非の打ちどころ

「…したところ」の形で、文を続けるときに
接続助詞的に用いる場合も表記は平仮名です。

例)問い合わせたところ、在庫があった。
会社を訪ねたところ、担当者が不在でした。

人や物が存在する実体のある場所を示すときは「所」、
抽象的な部分や場面、範囲を示すときは「ところ」
を使うというイメージでしょうか。

パソコンで入力するときは
「所」と変換されることが多いので
使い分けを意識しておくといいですね。

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