今週は“気になる言葉”をピックアップしてご紹介します。
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 仕 事 ‎の メ ー ル 作 法             < 気になる言葉(3)
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                         「あげる」「やる」

(例文-1)
これ以上、部下に助言してあげられません。
これ以上、部下に助言してやれません。

(例文-2)
観葉植物に水をあげました。
観葉植物に水をやりました。

あなたは上記の二つの例文のうち、それぞれ上の表現と下の表現では
どちらがしっくりきますか?

ここで押さえておきたいのが「あげる」と「やる」の違いです。
「あげる」はもともと、目下の者から目上の相手に何か与えるときに
使われていた謙譲語で、相手への敬意を表す言葉です。

それに対して、目上の者から目下の相手に物を与えるときに使うのが
「やる」です。

そうすると、上記の(例文-1)が上司の言葉であれば
「これ以上、部下に助言してやれません」になります。

(例文-2)で「あげる」を使うと、
人が観葉植物に敬意を表すことになるので、
本来は「観葉植物に水をやりました」になります。

ただ、「観葉植物に水をあげる」や「ペットにえさをあげる」に使われる
「あげる」は敬意を表す言葉ではなく、
美化語として使われる傾向にあります。

ですから、「あげる」を敬意を表す言葉(謙譲語)として捉えるか、
「やる」を丁寧に言い換えた美化語として捉えるか、
でその一文に対する感じ方が変わってきます。

個人的には、自分の子どもや動植物に「あげる」を使うことに
抵抗があるので、話すときも書くときも使わないようにしています。

けれど、一般的には美化語として使われているケースが増えているため、
場合によっては受け入れることも必要と感じています。

 
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今週は、気になる言い回しについてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法            < 適切な言い回し(5)
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                       「いたしております」

読者のかたから
「正しいのか間違っているのかわからず、無意識に使用している書き言葉」
についての質問がありました。
いくつか文例を挙げてくださっているものから順にお答えしてきました。
最後はこちら

<Persianさんからの質問-5>—————————————

「楽しみに応援させていただきます」
「楽しみにいたしております」

「楽しく拝見させていただいております」
「楽しく拝見いたしております」

——————————————————————

初めの二つの例文に「これからもメルマガを」を
付け加えて考えてみましょう。

「これからもメルマガを楽しみに応援させていただきます」
この一文では「楽しみに」と「応援」が後の「させていただきます」に
掛かっています。これを二つの文に分けてみます。

これからもメルマガの配信が楽しみです。いつも応援しています
「させていただきます」とヘリくだらなくても、
気持ちは通じる文章になります。

もう一つの例文
「これからもメルマガを楽しみにいたしております」では
「する」の謙譲語「いたす」と「いる」の謙譲語「~しております」が
重複して使われています。

これからもメルマガを楽しみにしております
とすれば、すっきりします。

後の二つの例文には「メルマガを」を付け加えて考えてみます。
「メルマガを楽しく拝見させていただいております」
この一文でも謙譲の「させていただく」と
「いる」の謙譲語「~しております」が重複しています。

メルマガを楽しく拝見しています
に言い換えるとすっきりします。

「メルマガを楽しく拝見いたしております」は
「拝見」自体が「見る」の謙譲語で「見せていただく」
という意味合いを持ちます。

この場合は
メルマガを楽しく拝見しています」として失礼にはなりません。

今週、繰り返し取り上げてきた「~させていただきます」は
それさえ付けておけば丁寧な言い回しになる
と思いこまれている傾向があります。

「~させていただきます」を使わずに、
もっとシンプルに丁寧な表現ができないかを
考えてみてもよいのではないでしょうか。

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今週は、疑問に感じた敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法      < 敬語の使い方(3)
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「お伝えします」

先方からの問い合わせに返信した際、次のメールを受け取りました。

「早速のご返答ありがとうございます。
○○にお伝えします

おそらく、メールの送信者は私(メールを送る相手)に
丁寧な表現を使おうとして
「○○にお伝えします」としたのでしょう。

ですが、上記の一文にある○○さんはこの送信者の上司に当たる人物。
そうすると、次のように書くとしっくりきます。

「早速のご返答ありがとうございます。
○○に申し伝えます

「お~する」は謙譲語で、自分の動作を低めて言う時に使います。
この場合の「○○にお伝えします」は、メールを送る相手ではなく
自社の上司に敬意を払っている表現になり、
社外の相手に送るメールとしては不適切。

このようなときは「申し伝えます」という表現を使います

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今週は、きちんとした印象を与える言葉遣いについてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 改まった言い方(3)
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「拝」のつく言葉

添付メールのやり取りをするようになって、よく使うようになった言葉に
「拝受しました」があります。

例)○○の資料、拝受しました。

以前は、手紙などを受け取ったときに使われていましたが、
最近ではメールのやり取りの際にも見かけるようになりました。

同じ意味の改まった言葉としては「受領いたしました」もありますね。
一方、相手に受け取ってもらう場合は「ご査収ください」を使います。

「拝受」以外にも、「拝」をつけることで改まった言いまわしになる
言葉をご紹介しましょう。

見ました  ⇒ 拝見しました
読みました ⇒ 拝読しました
聞きました ⇒ 拝聴しました

借りる ⇒ 拝借
例)先日、拝借しておりました資料ですが・・・

察する、推測する ⇒ 拝察
例)ご心労のことと拝察します。

何にでも「拝」をつければいいというものではありませんが、
上記の言葉は改まった表現として
知っておいてようのではないでしょうか。

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今週は、感じのよいビジネスメールへの書き換え指南です。
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仕 事 の メ ー ル 作 法            < 書き換える技術
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                          ご遠慮ください

読者のかたから次のような質問を頂きました。
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「ご遠慮ください」
は正しい敬語なのでしょうか?

以前、会社の先輩に、
遠慮は自分がするもので、相手に強要するものではないから、
お願いごとに「ご遠慮」は使わない、と言われたことがあります。

それからは、その言葉を使用せず、
「携帯電話のご利用はお控えください」や、
「講演中のタバコはおやめください」
というような言い方をしています。
読者 I.M 様
——————————————————————

「ご遠慮ください」が敬語として正しいかどうかは、諸説あるようです。
I.Mさんが書かれているように、自分からのお願いする場合には使わない
という説、慣用表現として定着しているので使ってよいとする説、
いろいろです。

ここでは敬語としての正誤ではなく、どのように言い換えると適切か考え
たいと思います。

「ご遠慮ください」に代わる言い方・書き方としては、I.Mさんがすでに
実践されている

「~はお控えください」
「~はおやめください」

という表現がしっくりきます。「ご遠慮ください」という表現に抵抗が
ある場合は、上記の二つのフレーズに置き換えてみるうといいですね。

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【しごび】 の お す す め
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今週は、読者のかたから寄せられた質問にお答えします
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仕 事 ‎の メ ー ル 作 法               < 読者からの質問
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                         「ご連絡」の使い方

<読者からの質問>————————————————

仕事のメールでよく使う「連絡」についてですが、こちらから連絡する
場合、「ご連絡」の使い方はどうすればいいのでしょうか?

例えば、

~ご連絡させていただきます。
or
~連絡させていただきます。

丁寧に言うのであれば、「ご連絡」の方がいいように思ったり、
自分自身のことだから、「ご」を付けないで「連絡」の方がいいのか、
考えれば考えるほど分からなくなってしまいました。
(読者・EM太郎さん)

——————————————————————

確かに、迷うところです。私も、時折、どう書いてよいか分からないこと
があります。

この場合、「連絡」の前に「ご」をつけるかつけないかというよりも、
「させていただきます」の使い方に着目してみましょう。

本来、「させていただきます」は相手を立て、許しを得ておよぶ行為に使
われていた表現といえます。

自分の行為(つまり、相手に「連絡する」)を失礼のないよう表現するの
であれば、
「ご連絡いたします」
と書き換えると、文章としてすっきりするのではないでしょうか。

メールに使う文例としては

後ほどこちらからご連絡いたします。

資料を拝見してから、ご連絡申しあげます。

という書き方があります。

※「~せていただく」については、平成19年2月2日の文化審議会答申の
「敬語の指針」では『「させていただく」の使い方の問題』として
次のように解説されています。

——————————————————————

「(お・ご)……(さ)せていただく」といった敬語の形式は、基本的には、
自分側が行うことを、

ア)相手側または第三者の許可を受けて行い

イ)そのことで恩恵を受ける

という事実や気持ちのある場合に使われる。

したがって、ア)、イ)の条件をどの程度満たすかによって
「発表させていただく」など「…(さ)せていただく」を用いた表現には、
適切な場合と、あまり適切だとは言えない場合とがある。

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この指針にのっとると、上記の「ご連絡させていただきます」は
ア)とイ)の条件に該当しない表現と思われます。

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