今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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仕 事 の メ ー ル 作 法                                   < 読者からの質問
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 「~していただけますよう」

VOL.1558の< おかしな敬語(2)>

の時に挙げた下記の例文に対していただいた質問です。

(例文)
× また、何かのご機会に再度お見積依頼をいただけますよう
重ねてお願いいたします。

に対していただいたものです。

<読者からの質問>———————————————————-

よく「~~していただけますよう」という表現を目にするのですが、
とても違和感があります。

神垣さまは、「ご依頼ください〕、「承ります〕と書き換えられてます。
恐らく、神垣さまも「いただけますよう〕の表現に違和感を覚えられての
事と存じますが、いかがでしょうか。

私は、「賜りますよう〕としていますが、
どうしても「いただく」を使うのであれば、
「頂きますよう」の方がまだ違和感が無いと思います。

文法的にはどうなのでしょうか、ご教示頂ければ幸いです
(ご教示いただけますようお願い申し上げます!!!)。

読者 M.Tさん
————————————————————————————–

確かに、「~していただけますよう」という表現は
前後の文の流れによっては違和感を覚えることがあります。

私もこの例文での「~していただけますよう」には
変な感じを持ちました。

「いただけますよう」「いただきますよう」の
文法的な解釈については、次のような記述がありました。

▼日本語情報資料館 言葉に関するFAQ
「いただけますよう」「いただきますよう」

M.Tさんのように「~していただけますよう」という表現に
違和感を覚える人が少なくなっている現実を寂しく思いますが
上記に挙げた文例では、やはりそぐわない表現のような気がします
(丁寧な表現でも、何か押しつけがましさを感じるのです)。

上記の文例では、M.Tさんが書いておられる
「見積依頼を〔賜りますよう〕」
とする方が言葉として敬意が伝わるスマートな表現だと思います。

例)何かの機会に再度、お見積依頼を賜りますようお願いいたします。

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今週は、省略する前の文・後の文を比較します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法      < 略さずに書くと…(4)
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 「~いただきたく。」

違和感を覚えるか否か。感じ方が異なる言葉に
「~いただきたく。」
で終わる文があります。

社内メールでよく使われる言葉と思われますが
日常的に使っている場合には違和感がないようで
社外の相手に対しても「~いただきたく。」を使っているケースも。

私は「~いただきたく。」で終わる文章には違和感を覚えるので、
懇意な相手にも自分から使うことはありません。

「○○についてのご意見をいただきたく」
「添付の資料をお読みいただきたく」
「ご出席をお願いいたしたく」

上記のように「いただきたく。」で終わっている一文を読むと
文としての収まりの悪さを感じるとともに、
「だから、どうしたいのだろう?」とつい、後に続く述語を
求めてしまうのです。

「いただきたく」の後に続く言葉が省かれていても
何を伝えたいのかは想像できますが……

「○○についてのご意見をいただきたく存じます」
「添付の資料をお読みいただけますか(にお目通しください)」
「ご出席をお願いいたします」

このように述語を添える方が、文としては収まりがよく
丁寧に感じられます。

<追記>
「いただきたく。」で終わることについて
 私は上記の理由で使わない、
 という考え、方針で文章を書いています。

 一方で、
 社内で定着しているので、違和感を覚えないという
 読者の意見もありました。

 気になるかどうか、使うか否かは感覚的な問題なので
 すでに社内に定着し、違和感がないということであれば
 それでよいと思いますし、
 それが誤りということでもありません。

 ただ、私のセミナーや講座では
「いただきたく。」で終わらず、述語を書いて終わりましょう
 とお伝えしています。

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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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仕 事 Begin の メ ー ル 作 法          < 読者からの質問(2)
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                         「社長のおかげ」?

<読者からの質問>————————————————

メール文の言い回しで一つ質問があります。

(中略)

以下がそのメールとほぼ同じ文面ですが、
これは一般社員が全社員に向けて送信したメールの文中にあったもので、
社長を補佐した社員が一緒に作ったシステムを見て思った
ことを書いたものです。

「社長のお陰でいい物が出来上がった」

この文面を見て、私は社長に失礼だと思いました。
神垣さまはどう感じられたでしょうか?

これが、
「社員のお陰でいい物が出来上がった」
「XX君のお陰でいい物が出来上がった」
の様に社長から発信されたものならいいと思んですが。

(中略)
ちょっと立場が違うのではと思いました。

このように、社員からの感謝の意を込めるような事を伝えたい
場合、どの様な文面がよいでしょうか?
(読者 K.Kさん)
——————————————————————

「おかげで」は、他から受けた力添えや恩恵への感謝の意を示す言葉です。
古くは、神仏などの偉大なものの「陰」でその恩恵や助けを受ける
という意味合いでも使われていました。

ですから、上司や目上の相手に「~のおかげで」と使うこと自体は
間違いではありません。

ただ、目上の相手には「おかげ」に「さま」を付けて
「おかげさまで」とする方がより丁寧な言い回しになります。

この場合は

社長にお力添えいただき、おかげさまで、よい物ができあがりました

よい物ができあがったのも、ひとえに社長のお力添えのおかげと感謝しております

と少し言葉を添えるとよいのではないでしょうか。

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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします
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仕 事  の メ ー ル 作 法            < 読者からの質問(3)
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                    いただけます? になれます?

前回からの続きです。

<読者からの質問>————————————————

尊敬語の使い方で、お客様がする行為の表現で、どれが適切で、
皆さんはどのように使い分けていらっしゃるのか
教えていただければと思いメールをお送りした次第です。

1)例えば、お客様にサービスをご紹介するときの使い分け。

A: ご覧いただけます。
お召しあがりいただけます。
お使いいただけます。
お選びいただけます。

B: ご覧になれます。
お召しあがりになれます。
お使いになれます。
お選びになれます。

2) お礼をする前の動作に対する敬語

A’: ご予約いただきまして、ありがとうございます。

B’: ご予約くださいまして、ありがとうございます。

“頂く”という言葉が使えないケーるもあるのではないかと思い、
1)に関しては、できるだけ、Bの表現を、
2)に関しては、口語ではB’、表記はA’としております。

(読者 A.Wさん)

▼A.Wさんが辞書で調べた補助動詞「いただく」の解説は
下記のとおりです。

ア)(動詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形に付いて)
話し手または動作の受け手にとって、
恩恵となる行為を他者から受ける意を表す。

「これが先生にほめていただ・いた作品です」
「せっかく来ていただ・いたのですが、主人は今おりません」
「一言声をかけていただ・いたらよろしかったのに」

イ)(接頭語「お」または「御(ご)」に動詞の連用形または
サ変動詞の語幹を添えた形に付いて)上記ア)に同じ。

「これから先生にお話しいただ・きます」
「お読みいただ・きたい」
「御心配いただ・きまして」
「御審議いただ・きたい」

ウ)(動詞の未然形に使役の助動詞「せる」「させる」の連用形、
接続助詞「て」を添えた形に付いて)
自己がある動作をするのを、他人に許してもらう意を表す。
「させてもらう」の謙譲語。

「あとで読ませていただ・きます」
「本日は休業させていただ・きます」

———————————————————-

上記の2つの質問のうち、先に2)の方を回答したので、
今回は1)の回答です。

▼2)の質問に回答した前回の記事

このように、「いただく」を使ってよいものかどうか悩むケースが
私にもあります。

1)のケースは、主語を自分にするか、お客様にするか
で変わります。

自分(自社)主体でお客様に新サービスなどを「紹介」
(自分から相手にアピール、お願い)する場合は
謙譲語の「ご(お)~いただけます」。

A:ご覧いただけます。
お召しあがりいただけます。
お使いいただけます。
お選びいただけます。

お客様から問い合わせがあったり、
お客様自身にそのサービスを利用する意思があったりする場合は
尊敬語の「ご(お)~になれます」。

B:ご覧になれます。
お召しあがりになれます。
お使いになれます。
お選びになれます。

自分のことをへりくだって言う謙譲の「いただく」の方が
丁寧な表現と思われがちですが、
上記のポイントを押さえると、使い分けの判断ができます。

 
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今週は、尊敬語と謙譲語の使い分けについてです。
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メ ー ル の 敬 語                < 間違いやすい敬語
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                           尊敬語と謙譲語

敬語の間違いで多くみられるのが、尊敬語と謙譲語が混同され、
尊敬語を使うべきところで謙譲語を使っていたり、その逆だったりする
ケースです。
では、今一度、尊敬語と謙譲語の違いをおさらいしてみましょう。

尊敬語は、相手側の行為や状態を高めて、敬意を表す言葉です。

謙譲語は、自分側の行為をへりくだって表現したり、丁寧に表現したり
するときに使う言葉です。

尊敬語、謙譲語に共通する基本形に
「お」または「ご」+動詞
があります。

尊敬語の場合は「お(ご)~になる」「お(ご)~なさる」
謙譲語の場合は「お(ご)~する」「お(ご)~いたす」
とそれぞれ言葉を結びます。たとえば…

説明する⇒(尊敬語)ご説明になる 例)社長がご説明になると思います。
(謙譲語)ご説明する  例)詳しくご説明すると…

待つ⇒(尊敬語)お待ちになる   例)どのくらいお待ちになりましたか。
(謙譲語)お待ちいたします 例)ご連絡をお待ちいたしております。

招く⇒(尊敬語)お招きなさる   例)どなたをお招きなさいますか。
(謙譲語)お招きいたします 例)次回、お招きいたします。

同じ動作を表す言葉も尊敬語と謙譲語で表現が変わるものは下記のとおりです。

言う⇒(尊敬語)おっしゃる  (謙譲語)申し上げる

聞く⇒(尊敬語)お聞きになる (謙譲語)うかがう、お聞きする

見る⇒(尊敬語)ご覧になる  (謙譲語)拝見する

行く⇒(尊敬語)いらっしゃる、おいでになる (謙譲語)うかがう、参る

食べる⇒(尊敬語)召し上がる (謙譲語)いただく

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今週は、使い方に注意したい言葉・表現についてです。
◆─────────────────────────────────◆
 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法         < 気をつけたい言葉(2)
◆─────────────────────────────────◆
                             「なり」

「私なりに考えてみたのですが…」
「彼なりの判断でしたことだと思います」

このように「~なりに」「~なりの」は、
名詞や形容詞の後に付いて「それ相応の、それにふさわしい」状態を
意味します。

注意しなければならないのは、
目上の相手に対して使う表現としては不適切
であるということ。たとえば

「部長なりのご意見をお聞かせください」

は、上司に対して上から目線で尋ねている
印象を与えます。

この場合は
「部長のご意見をお聞かせください」
「部長はどのようなご意見をお持ちでしょうか」
「部長はどのようにお考えですか」
「部長はいかがでしょうか。ご意見をお聞かせください」
と言い換えます。

自分より目上の相手、敬意を示す相手には
「~なりに」「~なりの」
といった言葉を添えず
相手はどのように考えているか、どのような意見なのかを
尋ねることをおすすめします。

▼関連記事

「まぐまぐ!ニュース」でこの記事が取り上げられました。

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