今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法                                           < 気になる敬語(5)
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お分かりにくい説明

今週は、日常目にする
気になる敬語の使い方について取り上げてきました。

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お分かりにくい説明で、失礼しました。
—————————————

上記の文例では
「分かりにくい」ことを敬語で
「お分かりにくい」としています。

しかし、「分かりにくい」は
これ1語で形容詞なのではなく、
動詞「分かる」に「にくい」が付いたものです。

敬語を使うとしたら、動詞の「分かる」の部分で、
「分かる」の尊敬語が「お分かりになる」となることから、
「お分かりになりにくい」
とします。

—————————————–
お分かりになりにくい説明で、失礼しました。
—————————————–

ただ、「お分かりになりにくい」は
尊敬語としては正しいのですが
一文が長くなると思いませんか?

このように
却って“分かりにくい”文になるような場合は
無理やり尊敬語にせず、
「分かりにくい」としても
相手に失礼な文にはなりません。

—————————————
分かりにくい説明で、失礼しました。
—————————————

このように、敬語に変換することで
文が冗長になるような場合は
敬語に変換しない、という選択もあります。

☆  ☆  ☆

★先週に引き続き、回答お待ちしています。

迷惑をこうむったメールの経験談や
あなた自身が客先や相手にマイナスの印象を与えないために
メール対応で気をつけていることなど、
ぜひ、教えてください。

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今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法           < 気になる敬語(4)
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                    「おっしゃっておられました」

今週は、日常目にする
気になる敬語の使い方について取り上げています。

—————————————
部長はA案とおっしゃっておられましたが、
B案で進めて問題ありませんか?
—————————————

上記の文例で気になるのが
1行目の「おっしゃっておられました」です。

「部長は言った」を敬語に変換する場合
主語である相手(部長)を敬う「尊敬語」を使います。

「言う」の尊敬語は「おっしゃる」。

それを過去形にし、
「おっしゃっていました」
とすればよいのですが、

上記の文例では
「おっしゃっている」の「いる」まで
尊敬語「おられる」に変換して
「おっしゃっておられる」
としています。

これは敬語の使い過ぎ。

上記の文例は
———————————–
部長はA案とおっしゃっていましたが、
B案で進めて問題ありませんか?
———————————–
とするのが適切です。

敬語の使い過ぎは、しらじらしくなるばかりで
却って相手への敬意を軽減してしまいます。

的確に敬語を使って
相手への敬意がきちんと伝わる文章を
心がけましょう。

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今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法    < 気になる敬語(3)
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「変更しておりませんか」

今週は、日常目にする
気になる敬語の使い方について取り上げています。

下記は
メールでお知らせが届かないという問い合わせに対する
返信文です。

————————————————
お知らせメールが届かないとのことですが、
お客様のメールアドレスを変更しておりませんか。
————————————————

上記の文例で気になるのが
2行目後半の
「変更しておりませんか」
という言い回しです。

相手(お客様)に尋ねたいのは
メールアドレスを「変更しているかどうか」。

そのため、上記の文は
「変更している」の「いる」を謙譲語「おる」に変換し、
「変更しておる」としたうえで疑問形にしています。

しかし、この文の主語は相手(お客様)ですから
謙譲語ではなく尊敬語を使うのが適切です。

「変更している」の「いる」ではなく
「変更する」の「する」に着目して
尊敬語に変換してみましょう。

「変更する」の「する」尊敬語は
「される」「なさる」なので、

この場合
「変更されていませんか」
「変更なさっていませんか」
とします。

————————————————
お知らせメールが届かないとのことですが、
 お客様のメールアドレスを変更なさっていませんか。
————————————————

疑問文も一度、通常の文章に戻し
敬語に変換すると混乱しません。

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仕 事 の メ ー ル 作 法              < 気になる敬語(2)
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                                                                              「お客様がおります」

今週は、日常目にする
気になる敬語の使い方について取り上げています。

下記は、不動産業者からある物件の購入希望者がいるという
連絡に使われていた一文です。

————————————————
○○○(物件名)購入希望のお客様がおります。
————————————————

この文章の書き手は
「物件の購入希望者がいます」
ということを敬語を使って丁寧に伝えたかったのであろうと
想像できます。

しかし、文末の「お客様がおります」という文では、
前回取り上げた
「いる」の謙譲語と尊敬語を取り違えています。

「お客様がいます」の
「いる」の尊敬語は「いらっしゃる」。

上記の文例で使われている
「お客様がおります」の「おります」は
謙譲語です。

この場合は
——————————————————
○○○(物件名)購入希望のお客様がいらっしゃいます
——————————————————
とするのが適切です。

ここでも忘れてならないポイントは、
・相手を敬う「尊敬語」の主語は「相手」
・自分をへりくだる「謙譲語」の主語は「自分」。

(例)
お客様がいる → お客様がいらっしゃいます(尊敬語)
自分がいる  → 会場には私がおります(謙譲語)

文の主語が誰かを確かめて
尊敬語か謙譲語かを使い分ける必要があります。

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「挙げておりましたが」

今週は、日常目にする
気になる敬語の使い方について取り上げます。

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部長は事例として、○○を挙げておりましたが、
△△の方が最適ではないでしょうか。
————————————————

上記の文例で気になるのが
「○○を挙げておりました」
という敬語の言い回しです。

「挙げている」の「いる」の謙譲語は「おる」ですが
この場合、例を挙げているのは部長(相手)で
自分ではありません。

自分が例を挙げているのであれば
自分を主語に、謙譲語を用いて
「(私が)例に挙げております○○についてですが」
という一文になりますが
上記の文例の主語は相手(部長)。

相手を敬う場合は
「いる」の尊敬語「いらっしゃる」
を用います。したがって

—————————————————-
部長は事例として、○○を挙げていらっしゃいましたが、
△△の方が最適ではないでしょうか。
—————————————————-

とするのが適切です。

敬語の間違いで多く見られるのが
こうした謙譲語と尊敬語の取り違えです。

敬語にした“つもり”ではなく
相手を敬うのが「尊敬語」で、主語は「相手」
自分をへりくだるのが「謙譲語」で、主語は「自分」
という違いを把握したうえで
文意に合う敬語表現を用いましょう。

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