今週は、読者からの質問にお答えします。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法 < 読者からの質問 >
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敬称について
久々に読者のかたからの質問にお答えします。すでに回答をお送りしたか
た、誌上で回答させていただくかた、いろいろです。「メールで使用する
際の表現」という観点でお答えしています。まずはお一人目の質問です。
<質問:殿と様の使い分け>———————————-
以前、仕事上で、かなり年輩の人に、
「殿」は目下の人に対して使うものだと言われたことがあります。
それ以来、殿は使ったことがありません。
(そのとき怒られたのでトラウマ‥‥)
殿と様ってどう使い分ければいいんでしょうか?
——————————— 読者 K.W 様からの質問
先週の「メールの書き出し(2)」で社内の目上の人へのメールの書き出し
の記事の時にいただいた質問です。
殿を使うべきか、様を使うべきか、迷うところですよね。敬称については
読者のかたから質問を多くいただきます。
▼ 目上の人への私信には使わない
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「殿」に関しては、公私での使い分けがあるようです。
・公式な場合や組織内では、上下の区別なく「殿」を使う。
・私的な場合は、目下の人に対してだけ「殿」を使う。
三省堂「大辞林 第二版」によると
古くは、「関白殿」「清盛入道殿」など、かなり身分の高い人に付けて
も用いた。現在では、目下に対してや事務的・公式的なものに用いるこ
とが多く、少なくとも、目上に対しての私信にはほとんど用いない
とあります。
「殿」が使われるのは、書き言葉が主で、話し言葉では、表彰など特別な
席や改まった場以外では使用頻度が少ないもの。誰に当てる場合でも、私
的に「殿」を使うことは、日常的にはあまりないですよね。
「殿」は目上の人への私信には使わない
と、まずは覚えておき、使用を避けるのが無難でしょう。
▼ 目上の人にも「様」は失礼に当たらない
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ビジネスの場でも「殿」は、「人事課長殿」のように役職名の宛名に
使われることがあるようですが、
通常の仕事のやりとりで使うメールでは「様」で十分。
失礼には当たりません。
お役所などでも最近は「殿」から「様」に表記が切り替わりつつあり、
「殿」を使わない方向になっているようです。
慣習的に「殿」を使っている職場は別として、通常の仕事のやりとりで交
わすメールでは「宛名+様」「名前+役職名」。
役職が付く場合も「○○部 部長 山本様」と表記すれば差し支えありま
せん。