今週は、気になる敬語の使い方について取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法          < 気になる敬語(3)
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                      「ご連絡してください」

————————————————
不明な点があれば、お気軽にご連絡してください。
————————————————

という一文。

文末の「ご連絡してください」の使い方に
注意が必要です。

これは、
本来は自分の動作に使う謙譲語の「ご~する」を
相手の動作に使っています。

不明点を連絡するのは「相手」。
相手の動作を敬う場合は尊敬語を使うので
「ご連絡ください」とすればよく
「ご連絡してください」の「して」は不要です。

したがって、上記の文例は
————————————————
不明な点があれば、お気軽にご連絡ください。
————————————————
とするのが適切です。

「不明点があれば、ご連絡ください」という一文は
「不明点があれば、ご連絡いただけますか」
という言い回しにしてもよいでしょう。

一方、
自分が相手に「連絡する」ときは
謙譲語「ご~する」を使い、
「後ほどご連絡します」
とします。

<追記>

自分が相手に「連絡する」ときは
謙譲語「ご~いたす」を使い、
「後ほどご連絡いたします」
としてもよいでしょう。

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今週は、気になる敬語の使い方について取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法          < 気になる敬語(2)
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「お試ししませんか?」

————————————————–
まずは、無料のシミュレーションをお試ししませんか?
————————————————–

という一文。

文末の「お試ししませんか」の使い方が
誤っています。

「試す」の尊敬語は
「お~になる」を使い
「お試しになる」ですが、

相手に尋ねる場合の尊敬語は
「お試しになりませんか?」
です。

したがって
——————————————————
まずは、無料のシミュレーションをお試しになりませんか?
——————————————————
とするのが適切です。

「お~になる」は尊敬語の一般形のひとつですが
この「お~になる」にさらに尊敬の「~られる」を重ね、
「お~になられる」という間違いも見受けられます。

尊敬語で相手に尋ねる場合は

× お試ししますか?
○ お試しになりますか?
× お試しになられますか?

相手に行動を促す場合は

× お試ししませんか?
○ お試しになりませんか?
× お試しになられませんか?

とします。重ねて尊敬語を使わないように気をつけましょう。

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今週は、気になる敬語の使い方について取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法                           < 気になる敬語
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「皆様につきましては」

———————————————-
初参加の皆様につきましては、
この機会に交流を深めていただければと思います。
———————————————-

という一文。

冒頭の「~につきましては」の使い方が
おかしいと思いませんか?

「~については」の丁寧語として
「~につきましては」を使っていますが、
この場合は「~におかれましては」とするのが適切。

「おかれましては」は「おいて」の丁寧語です。

漢字を当てると「於いて」。
相手に関連する事柄を述べるときに
「お客様におかれましては」
「佐藤様におかれましては」
のように用います。

したがって上記の文例は
———————————————-
初参加の皆様におかれましては
この機会に交流を深めていただければと思います。
———————————————-
とするのが適切です。」

「~につきましては」は
ある事柄に関して、その範囲をそれと限定するときに用います。

例)日時につきましては、後日ご連絡いたします。

主に
人を指すときには「~におかれましは」
事柄を指すときには「~につきましては」
を区別して用います。

「つきましては」は接続詞として、
その前に述べた事柄から、次に述べようとする事柄が起きたり
必要になったりするときに用いることもあります。

例)新入社員歓迎会を行います。
つきましては、本日16時に○まるにお集まりください。

接続詞として用いるときは
「したがって」「よって」と言いかえることができます。

今週はこのように、気になる敬語の使い方について
取りあげていきます。

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今週は、読者の方からの質問にお答えします
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(3)
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                     畳に座ってもらうときの敬語

<読者からの質問>————————————————

今1つ気になっている表現があり、
神垣さんの意見を伺ってみたいと思いました。

質問は、
「人に、畳や床に直に座ってもらうときの敬語表現」についてです。

「お掛けください」や「お座りください」では違和感があります。

「お掛けください」は椅子に座るときに使うもの、
「お座りください」はペットに対する言葉のようで
不快に思う方がいる…と考えます。

私は、人を床に直に座らせることに「お座り…」「お掛け…」などと
敬語表現を使うのは、ちぐはぐな印象であると感じています。

座布団をすすめて「おあてください」は納得できますが、
座布団もないのに言葉だけ敬語でもな~…う~ん、と思います。

そこで、
「どうぞ座って『ください』」とか
「どうぞ座って『お待ちください』」などと、
座る以外の部分を敬語にするという事で敬意を表現できないでしょうか。
なかなかはっきりとした答えが見いだせず、悩んでおります。
(読者 T.Nさん)
——————————————————————

動作として「座る」ことを相手に勧めるわけですから、
「座ってください」の尊敬語
「お座りください」
で差し支えないと考えます。

ペットには「お座り」とは言っても
「お座りください」とは言いませんよね。

同じ「お座り」という言葉を使ってはいますが、
対象も、意味あいも、使い方も異なるので、
人に対して「お座りください」を使うのは
別段問題ないと思います。

それでも気になるという場合は
尊敬語「お~になる」を用いた
「お座りになってください」
とするとよいでしょう。

「どうぞ」という言葉を添え、

「どうぞ、お座りください」
「どうぞ、お座りになってください」

とすると収まりがよいのではないでしょうか。
他に言葉を添えるとしたら、
T.Nさんが書いている一文を

「どうぞ、座ってお待ちになってください」

としてもよいと思います。

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今週は、敬語に対する考え方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法              < 敬語の問題(3)
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                          観点、立場の違い

接客時の言葉遣いとして
「しますか」と「しましょうか」の
どちらが適切か、について2回にわたっては取り上げてきました。

▼「しますか」と「しましょうか」< 敬語の問題 >VOL.2814

▼「しましょうか」が適切な理由< 敬語の問題(2)>VOL.2815

私の考えは VOL.2815 に述べたのですが、
以前、接客業をしていたという読者の方から
次の意見をいただいたので、紹介します。

<読者からの意見>————————————————

基本的に質問者の方に同意ですが、
1点難しいところだな、と思うところがあります。

それは
その行為を販売員のものとするか
お客様のものとするか、で言い回しが変わるということです。

こればかりは、働く場所や人の考え方によると思います。

販売員の行為とする場合

1)(熨斗紙を)お掛けしますか?
→(熨斗紙を)お掛けいたしましょうか?

2)(熨斗紙に名前を入れるのは)いかがいたしますか?
→ いかがいたしましょうか?

3)(予備の手提げ袋を)ご用意しますか?
→ ご用意いたしましょうか?

販売員の行為はお客様に代わってしている、という観点の場合
これは、贈答品というシチュエーションなので、
お客様が先方に対してどうしたいか、という視点となります。

1)(熨斗紙を)お掛けになりますか?

2)(熨斗紙に名前を入れるのは)いかがなさいますか?

3)(予備の手提げ袋を)ご入り用でしょうか?

私は後者の接客を是としていました。
(読者 H.Mさん)
——————————————————————

上記の2通りの対応は、
いずれも相手に問いかける言い回しですが、
お客様に対してお店の人がどういう立場で対応するかで
言葉遣いが変わることを示していて
私自身も勉強になりました。

一方で、
「しますか」でも「しましょうか」でも
どちらでもいいのでは?
という意見もありました。

客として接客を受ける立場なら
そこまで気にしない、
という受けとめ方も当然あると思います。

ただ、店側の接客を改善・指導する立場であれば
「どちらでもいい」ではなく
「なぜ、この対応の方が適切か」を

販売員に説明し、
販売員全員が理解してお客様に接するよう
指導し、徹底させる必要があります
(販売員の対応がお店のイメージを左右するため)。

今回の質問
お店を指導する立場の方からだったので
私もその点を踏まえて回答しました。

立場によって、言葉の受けとめ方も対応も異なります。

【仕事のメール心得帖】では、
メールをはじめとするビジネス対応での「適切な書き方」を考え、
伝えていきたいと思っています。

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今週は、敬語に対する考え方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法              < 敬語の問題(2)
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                    「しましょうか」が適切な理由

敬語について、読者の方から
次のような質問がありました。

▼「しますか」と「しましょうか」< 敬語の問題 >VOL.2814
質問者のY.Iさんは
店舗スタッフの対応に疑問を感じたので、お店側に指摘したところ

「なぜ、敬語の誤りなのか(=誤りとは言い切れないという人もいる)
肯定的な疑問文だから、誤りとは言い切れないのでは?」
という意見が返ってきたそうです。

質問者の疑問は続きます。
—————————————————————–
1)(熨斗紙を)お掛けしますか?
2)(熨斗紙に名前を入れるのは)いかがいたしますか?
3)(予備の手提げ袋を)ご用意しますか?

上記3つの例はすべて、
相手に「自分はどうしたらよいですか、どうしましょう」
と自分の行為を尋ねているので、謙譲語を使います。

ただ、「~しましょうか」と疑問形になっていないところに
違和感を覚えるのです。

このような表現は、肯定的疑問文と言うのかもしれませんが、
文法はそうであっても接遇で使うのは適切なのかどうか…。

相手に配慮のある使い方かどうかと考えると、良くないと思います。
(読者 Y.Iさん)
—————————————————————–

「文法的に間違っている」とは
断定できないかもしれませんが、

「しますか」は、
お客様に対して単に「するか、しないか」を
聞いていて、事務的に確認している印象。

「~しましょうか」と問いかける言い回しは、
お客様に対して、その意思を尋ねている印象があります。

「~しますか」という言葉遣いが事務的に
確認しているのに対し、

「~しましょうか」と問いかける言い回しは
会話に近く、やわらかい印象を与えます。

どちらも同じ、どちらでも良い
という受け止め方もあるのですが

特に、対面して声に出して伝える場合は
「~しましょうか」と問いかける言い回しは
相手への気遣いが感じられるのではないでしょうか。

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