今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法     < 気になる敬語(5)
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「される」

今週は、気になる敬語の使い方について
例を挙げて取りあげていきました。

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広島へお越しの際にご利用されてみてはいかがでしょうか
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上記の文で気になるのが
「ご利用されてみてはいかがでしょうか」です。

元の言葉の意味としては
「利用してみたら?」
とったところでしょうか。

文意を理解したうえで、敬語に言い換えてみましょう。
この一文の柱となるのは

利用する → ご利用になる

という尊敬語。これに「いかがでしょうか」が続くと

「ご利用になってはいかがでしょうか」。

したがって、上記の一文は下記のように書き換えられます。

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広島へお越しの際にご利用になってはいかがでしょうか
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同様に

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ゆっくりと作品を鑑賞されてください
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この一文で気になるのが「鑑賞されてください」。

「鑑賞する」の尊敬語は「鑑賞なさる」です。

すると、上記の文はこのように書き換えることができます。

————————————
ゆっくりと作品を鑑賞なさってください
————————————

「される」は「する」の尊敬語ですが
「なさる」を使う方が、文としての収まりは良いように感じます。

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今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法     < 気になる敬語(4)
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「ご案内のように」

今週は、気になる敬語の使い方について
例を挙げて取りあげています。

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今回ご注文いただきました商品は
サイトでご案内のように、入荷が8~9月の予定です。
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上記の文で気になるのが2行目の
「ご案内のように」です。

書き手は読み手(=注文した客)に対して
「ご案内」という言葉を使っているのですが
これだけでは、敬語表現として中途半端な印象が残ります。

「案内する」の尊敬語は
「ご案内します」「ご案内いたします」。

ですから、「ご案内」だけで終わらず
それに続く動詞がついていれば
敬語としてもっと分かりやすくなります。

上記の文を下記のように書き換えてみました。

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今回ご注文いただきました商品は
サイトでご案内しておりますように、入荷が8~9月の予定です。
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「すでにサイトに書いている」ことを強調したい場合は

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サイトでご案内しておりますように
今回ご注文いただきました商品は入荷が8~9月の予定です。
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とする方が分かりやすいかもしれません。

メールでよく見かけるのが
件名に「ご質問」「ご相談」とだけ書いているケース。

「ご」や「お」を言葉の前に付ければ、
一見、敬語風に見えますが

「質問」や「相談」を受ける言葉である
「あります」の丁寧語「ございます」を使うと
文章として収まりがよくなります。

「ご質問」→「質問がございます」
「ご相談」→「相談がございます

名詞に「ご」や「お」を付けただけの敬語風の表現ではなく
名詞を“受ける”言葉を添えて
文として敬語を完成させるようにしてみましょう。

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今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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  仕 事 の メ ー ル 作 法            < 気になる敬語(3)
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                      社外の相手に伝えるとき

今週は、気になる敬語の使い方について
例を挙げて取りあげています。

昨日、取り上げた文例と関連しますが……
客先に対して、自社の上司から用件を聞いたと伝える場合

佐藤部長からうかがっております

とするのは間違いです。

「うかがう」は「聞く」の謙譲語ですから、
社内の連絡として、自分の上司である佐藤部長を高める場合は
「先日、佐藤部長からうかがいました」
とすればよいのですが
ここでは、敬意を示すべきは、客先の相手ですから

部長の佐藤から聞いております

とするのが適切な表現です。

同様に、客先からの資料を上司を通じて受け取った
というときも

高橋課長から資料をいただいております

とするのはNG。
社内で、上司から資料を受け取ったと伝える場合は
上記でよいのですが

客先に対して、上司の課長から資料を受け取った旨を伝える場合は

課長の高橋から資料を受け取りました

とします。

社外の相手よりも、自社の上司に対して敬語を使ってしまう
敬語の捉え違いがないように気をつけましょう。

 
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今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法     < 気になる敬語(2)
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「おうかがいさせていただく」

今週は、気になる敬語の使い方について
例を挙げて取りあげています。

「担当者がおうかがいさせていただき、使用方法をご説明いたします」

上記の一文で気になるのが
「おうかがいさせていただき」
です。

「うかがう」は「行く」の謙譲語ですが、
「お~させていただく」も謙譲語。

つまり、上記の
「おうかがいさせていただく」は
謙譲語が二重に使われています。

この場合謙譲語は一つでよく

「担当者がうかがい、使用方法をご説明いたします」

とするのが適切です。

ほかにも同様な例として
お目にかからせていただきます」→「お目にかかります」
ご拝読させていただきました」 →「拝読しました」
が挙げられます

「お目にかかる」は「会う」の謙譲語
「拝読する」は「読む」の謙譲語なので、
謙譲語「お(ご)~させていただく」を重ねる必要はありません。

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今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法     < 気になる敬語
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会長のお言葉

ある会社のWebサイトに
「故○○会長のお言葉を記した石碑」
という文と石碑の写真が掲載されていました。

気になったのは「お言葉」の「お」。

社内向けには、亡き会長への敬意を込め
会長が残した言葉に「お」を付けることは問題ないと思うのですが

社外に発信することが目的の
会社のオフィシャルなサイトに
「会長のお言葉
という表記は違和感があります。

社内報で社員向けに
「故○○会長のお言葉を記した石碑」
とするのは、差し支えないと思いますが

社外に向けたWebサイトでは
「故○○会長の言葉を記した石碑」
とするのが適切と考えます。

社内では
「佐藤会長」とか「会長」という敬称を付けた書き方をしますが
社外に対しては
「会長の佐藤」あるいは「佐藤」
という書き方をします。

このような
社内・社外の敬称や敬語の使い分けは
必要ではないでしょうか。

今週はこのように、気になる敬語の使い方について
例を挙げて取りあげていきたいと思います。

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今週は、?なメールの敬語事例をもとに解説します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法     < 敬語レッスン(5)
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読者からの質問

読者の方から、下記の質問をいただいたので、お答えします。
メール以外に電話での受け答えも含まれますが、参考にしてください。

<読者からの質問・1>——————————————–

第三者へ物事を依頼する書類の表題で
「・・・の件について(ご依頼)」
という表現は可能でしょうか?

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上記の( )書きの部分も含めて文章化すると
「・・・の件について依頼します」です。

「依頼する」のは自分なので、自分の動作に尊敬の「ご」は使いません。
この場合は「ご依頼」よりも「お願い」の方が
収まりがよいのではないでしょうか。

「・・・の件について(お願い)」
「・・・についてお願い」

メールの文頭に書くときは
「・・・についてお願いがございます」
「・・・についてお願いしたいことがございます」
とします。

<読者からの質問・2>——————————————–

家族が不在時に電話を受けた時、
「お電話があったことを伝えておきます」或いは
「・・・お伝えします」
どちらが適当でしょうか?

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「お電話があったことをお伝えします」は
電話をしてきた相手ではなく、身内を高めることになるのでNGです。

電話をしてきた相手が、目上の相手であれば
「○○様からお電話をいただいたと申し伝えます」
「○○様からご連絡いただいたことを申し伝えます」

電話をしてきた相手が友人や懇意な相手の場合
「○○さんから連絡があったこと伝えておきます」

<読者からの質問・3>——————————————–

社内の担当者が不在時に電話を受けた時、
「・・・ご用件、・・・に伝えておきます」
「・・・の件、・・・にお伝えします」
社内ですから氏名を呼び捨てにするのは理解しているのですが。

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客先からの用件を自社の担当者に伝えるときは
「申し伝えます」
を使います。したがって

「承知しました。・・・の件を山田に申し伝えます」

とします。

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