今週は、敬語について取り上げます
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 仕 事 の メ ー ル 作 法              < メールの敬語(4)
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                           過剰な丁寧さ

<例文-1>——————————————————–
はじめてご連絡させていただいております。
○○株式会社 △△と申します。

今回、ネット上で貴サイトを拝見し 、
メールにて恐縮ですが、ご連絡させていただいております。
—————————————————————-

<例文-2>——————————————————–
取り急ぎ用件のみ返信させていただきます。
このたびはお忙しい中、ご対応いただきありがとうございます。

内容を確認次第、連絡させていただきます。
別途、お送りいただいた資料も参考とさせていただきます。
—————————————————————-

上記の例文で気になったことはありませんか?

<例文-1>では「させていただいております」
<例文-2>では「させていただきます」
が繰り返し使われています。

相手に失礼のない、丁寧なメールを書こうとする気持ちは分るのですが、
このように同じフレーズが繰り返し使われていると
慇懃無礼な印象を与えてしまうのです。

メールを書く本人は、少しでも丁寧な言葉づかいを…
と配慮して書いているのかもしれませんが

言葉尻に同じ言葉を
まるで公式に当てはめるように繰り返し使っているため
読み手はくどく感じてしまうのです。

<例文-1>——————————————————–
はじめてご連絡いたします。
私は、○○株式会社 △△と申します。

今回、ネット上で貴サイトを拝見し 、
お尋ねしたいことがあり、ご連絡した次第です。
—————————————————————-

「ご連絡させていただいております」は「ご連絡いたします」に
書き換えます。

「メールにて恐縮ですが」を省き、「お尋ねしたいことがあり」とすると
メールした理由が伝わります。

「ご連絡させていただいております」も「ご連絡した次第です」と結べば
すっきりします。

<例文-2>——————————————————–
取り急ぎ用件のみ返信いたします。
このたびはお忙しい中、ご対応いただきありがとうございます。

別途、お送りいただいた資料も拝見しました。
内容を確認次第、ご連絡いたします。
—————————————————————-

「用件のみ返信させていただきます」を「用件のみ返信いたします」に。
後半の文章は順番を入れ替えることで、収まりよくまとまります。

過剰な丁寧さよりも、すっきりした丁寧さを目指したいですね。

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今週は、敬語について取り上げます
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仕 事 の メ ー ル 作 法              < メールの敬語(3)
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へりくだりすぎる文章

「今後はこれまでのささやかな経験を生かし、
微力ながら全力を傾注する覚悟でおります」

上記は独立開業したかたからのお知らせメールにあった一文です。

送信者の十分なキャリアを知っている私としては
「ささやかな経験」とか「微力ながら全力を傾注」という表現に
却って違和感を覚えました。

本人は謙虚な姿勢で、心機一転、仕事に取り組んでいく意欲を
この一文に込めてたのであろうことは想像がつくのですが

実力があるのだし、自信があるからこそ独立したのだから
そこまでへりくだらなくても…
と思ったのです。

昨日取り上げた、さるかたの週刊誌誌上でのコメント
も、必要以上にへりくだりつつ、敬語の使い方が十分でない
ところに“ひっかかり”を感じました。

謙虚であることは大切ですが
へりくだった表現を多用した文章は
謙虚を通り越して、自信なさそうに感じられたり
慇懃無礼な印象を与えます。

上記の文章は

「今後はこれまでの経験を生かし、全力を傾注する覚悟でおります」

として全く問題ないと感じました。
むしろ、その方が意欲がストレートに伝わると思いませんか?

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今週は、敬語について取り上げます
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 仕 事 の メ ー ル 作 法              < メールの敬語(2)
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                      続・お、ご、御 の使い方

「次の選挙を○○党さんはお戦いになるお覚悟はあるのか」

上記は週刊誌で見つけた、あるかたのコメントです。

昨日紹介した「お、ご、御 の使い方」に関連するので
取り上げてみることにします。

上記のコメントでは
相手に敬意を表し、丁寧に言おうとしていることはわかるのですが
敬語の使い方が上手じゃないなと思いました。

私が気になったのは以下の3点です。

・相手の団体名の「さん」付け
「さん」を付けた方が丁寧に感じられますが、この場合の政党名にまで
「さん」を付ける必要があるのでしょうか。
ビジネスメールにも店舗名や会社名に「さん」をつけたり
「彼氏」「彼女」という言葉にも「さん」付けする風潮が
ありますが、個人的には違和感を覚えます。

・「お戦いになる」の「お」
「お~になる」で尊敬の意を表しますが、この場合は
文の流れからみても「戦う」としてよいと思います。

・「お覚悟」の「お」
「お」と「ご」の使い分けは、原則、「お+和語」「ご+漢語」です。
「覚悟」は漢語となるので「ご覚悟」が正しい表記と思われますが、
上記の文章では文の流れから考えると敬語にする必要もないと思います。

この場合

「次の選挙を戦う覚悟を○○党(の皆さん)はお持ちですか」

と書き換えるとすっきりするのではないでしょうか。

話し言葉をとりあげたものなので、
重箱の隅をつつくように指摘することもないのですが、
注目を集めている人物のコメントにしてはお粗末と感じ、
事例として取り上げてみました。

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 仕 事 の メ ー ル 作 法                < メールの敬語
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                       お、ご、御 の使い方

敬語の使い方について読者のかたから質問をいただいたので、ご紹介します。

<読者からの質問>————————————————

■敬語表記の方法 『お、ご、御 の使い方』
・お客様や、上司へメールで依頼事項を含む内容のメールを送る場合、

相手にお願いする場合 ; ご連絡ください。 ご確認願います。
返信お願い申し上げます。
自分が何かをする場合 ; 連絡させていただきます。
確認させていただきます。
返信いたします。

といった使い方をしております。
間違いは無いでしょうか?
(読者 T.Yさん)
——————————————————————

上記の使い方で問題はないのですが
若干気になる点があったので、
私の場合はこう書いているというのを参考までにご紹介します。

▼相手にお願いする場合
「ご連絡ください」⇒「ご連絡をお願いします」
依頼の分の場合は「ください」より「お願いします」を使うことを
お勧めします。

「ご確認願います」⇒「ご確認をお願いします」
「を」なしでも意味は通じますが、略した印象を与えるので、
私は文中に「を」を入れるようにしています。

「返信お願い申し上げます」⇒「ご返信をお願いします」
この場合も「を」をつけ、「返信」の前に「ご」、
文末を「します」で結ぶ書き方もあります。
「します」を「いたします」としてもよいでしょう。

▼自分が何かをする場合
「連絡させていただきます」 「確認させていただきます」
⇒「ご連絡いたします」「確認いたします」
個人的に「~させていただきます」の使い方に疑問を持っているので
「~いたします」に書き換えることが多いです。

その理由はこちら

敬語の「お」「ご」の使い方については、
下記のように後に続く言葉をセットで覚えておくと、一つの指針になります。

●尊敬語
「お(ご)~になる」
「ご~なさる」
「お(ご)~くださる」

●謙譲語
「お(ご)~する」
「お(ご)~申し上げる」
「お(ご)~いただく」

「御」については、メールの文章などではかたい印象を与えるので
「ご」に書き換えることが多いです。

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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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仕 事 の メ ー ル 作 法    < 読者からの質問(5)
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署名の扱い

<読者からの質問>————————————————

ビジネスメールには署名は必須と考えていますが(個人なら別です)、
署名無し、ひらがなの苗字でメールを締めくくられる方も
最近私の周りにはいらっしゃいます。なぜなのか急増中。

内容は仕事のことなのですが、署名で
フレンドリーさ、親近感を表しているのかと思います。

実際に会社の住所や電話番号が必要な時は
「署名があると便利だな!」っと再度実感。

若い人でなく、30代の方ばかりです。
私の受け止め方もあるのかもしれませんが、
ビジネス上も同じような対応をされているのなら、
損をしている気がします。
(読者 S.Kさん)
——————————————————————

仕事のやりとりのメールでは
署名が自動的にメールの最後に入るように設定しているケースが多く
私は、上記のような署名なしのメールを受け取ったことがありません。

ですが、このメールマガジンへのお便りには
フリーメールを使っている読者も多く
名前だけ、ハンドルネームだけというメールも多いです。

必要以上に個人情報をあかしたくないという気持ちの表れだと思うので
気にはしていませんが、
名前もハンドルネームもなく送られてくるメールには正直、困惑します。

返信するときに、私は必ず相手の名前を冒頭に書くので
名無しのメールだとそれができないからです。

逆に、感想メールでも
名前をきちんと名乗ってくださるかたのメールというのは
記憶に残り、久しぶりにメールをいただいても
すぐに思い出すことができます。

▼ 署名も自分より相手の都合を考えて
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
メールを送る側にはどうということのないことでも
返信する側には困ることがあります。

特に仕事のメールでは、何度もやり取りをする間柄でも
署名に必要最低限の連絡先(メールアドレス、電話番号)があるほうが
名刺ファイルを取り出す必要もなく、便利です。

S.Kさんが書かれているように
ちょっとした気遣いの有無で
ビジネスメールの場合は特に、損をすることがあるように思います。

2021年5月13日<追記>
 現在のようにコロナ禍で人と対面する機会が減ると
 自分の素性を相手に知らせるためにも
 名刺代わりにメールの署名は必要と感じます。
 初めての相手へのファーストコンタクトのメールは特に。

 一方で、既知の相手、頻繁にやりとりする相手へのメールには
 簡易な署名でもよいでしょう。
 素性が分かりあっている人どうしのやりとりは
 メールから署名不用のビジネスチャットに移行している
 気もします。

 
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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(2)
◆─────────────────────────────────◆
                          「丁目」の表記

<読者からの質問>————————————————

「三丁目の夕日」とか、「丁目」の前は漢数字になっているのを
よく見かけます。
その後の、☆番地☆号は算用数字です。
これは何か決まりがあるのでしょうか。
(読者 青息吐息さん)
——————————————————————

役所では多くの場合
「一丁目」「二丁目」「三丁目」
と「丁目」の前の数字は漢数字で表し、
その後の番地は洋数字で表記しています。

合併後の住所表記などを見ても
「一丁目7番1号」
のように「丁目」は漢数字、番地は洋数字に
統一されているようです。

ただ、一般には
「1丁目7番1号」と
「丁目」も洋数字で表記するケースも多くみられます。

どちらが正しいとか、正式というより
役所の表記では「丁目」が漢数字で表記されている
よって、漢数字と洋数字が混在していても間違いではない
ということを知っておけばよいのではないでしょうか。

ちなみに、新聞表記の場合は、
文字が縦書きということもあり
基本的には漢数字ですべて表記します。

「一ノ七ノ一」と「丁目」や「番」「号」を省略し
「ノ」でつなげることになっています。

<追記>
 2021年5月現在の主要な自治体のWebサイトの住所表記は
 下記の通りでした。
 この記事を書いた2009年(12年前)は
 「丁目」の前の数字は漢数字を使う自治体が多かったのですが
 洋数字表記が増えています。

 東京都 
 東京都新宿区西新宿2-8-1

 大阪府
 大阪市中央区大手前2丁目

 福岡市役所
 福岡市中央区天神1丁目8番1号

 広島県
 広島県広島市中区基町10-52

 広島市
 広島市中区国泰寺町一丁目6番34号

 ちなみに、新聞表記は……

 共同通信「記者ハンドブック」 
 丁目、番地、部屋番号とも 洋数字 表記

「毎日新聞用語集2020年版」 
 所番地は 洋数字 表記
  例)大阪市東淀川区淡路1の23

 
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