今週は、お詫びの際のメール作法についてです。

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メ ー ル 作 法                           < お詫びのメール(2)
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                                             お詫びの手順の参考例をご紹介します。

▼ お詫び⇒報告⇒安心
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
最近、感心したお詫びのメールは、会員制有料サイト「ジャパンナレッジ」
からの「お詫びとご報告」メールです。

ジャパンナレッジ個人会員用サイトへ、一時期、アクセスができない事態
が発生しました。その都度、カスタマー担当者から臨時サイトの開設、サ
イト復旧などのお知らせが届きましたが、最終的に代表者名で送られてき
た「お詫びとご報告」メールは次のような内容でした。

■発生したアクセス障害についてのお詫び
■障害発生の原因および経過の説明
■サイトの現状報告および今後のサイト運営について

以上の3項目に分けて説明とお詫びの意が綴られていました。上記の項目
は、メールで詫びる場合にもそのまま応用できます。

予期せぬ事故や不具合、失敗や間違いが起こったときは、まず「詫びる」

次に、その原因と解決のためにとった対策についての「報告」

最後に、現在の改善状況と今後の指針を述べ「安心」を提供する

▼ メールに頼らず善処を尽くす
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
メールでは、つい、詫びるより先に言い訳のほうを書いてしまいがちです。
ですが、なにはともあれ、謝罪の気持ちを表すのが先決。

その後、なぜ、そのような事態が発生するに至ったか、原因と経過、対応
策を報告します。それを踏まえ、今後はどういう点に気をつけ、再発防止
にどのように取り組んだかを説明することで、相手に与えた不安を取り除
くのです。

今回の件は、ネット上のサービスということもあり、徹頭徹尾、メールに
よるお詫びと報告でした。ですが、私自身は何かミスや事故が発生した際
は、メールよりは電話、電話より対面で上記の順番に善処することを心が
けています。

メールのやりとりでは、よほど言葉を尽くさない限り、却って誤解を生ん
だりこじれる場合もあります。メールに頼らず、メールで解決すること、
しないことを見極めた対処も大切ですね。

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今週は、お詫びの際のメール作法についてです。

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仕事のメ ー ル 作 法                       < お詫びのメール
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             反省の意思を伝える表現の注意点

▼ 「謹告」の文面に見るお詫びの表現
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
昨日、兵庫県尼崎市でのJR福知山線の事故から55日ぶりに宝塚―尼崎間の
運転が再開されました。再開に伴い、昨日の朝刊各紙には、西日本旅客鉄
道株式会社の「謹告」が掲載されていました。

※JR宝塚線(福知山線)塚口~尼崎駅間における脱線事故に関するお詫
びとお知らせ

この事故におけるJR西日本の対応についてはさておき、この「謹告」の文
面を見て、何かお気づきになりましたか?

「お詫び申しあげます」「お約束いたします」「全力を注いでまいります」
「お誓い申しあげます」「覚悟いたしております」。

いずれも「~したい」「~と思います」ではなく「する」と現在形で言い
切っており、「~したいと思います」というあいまいな言葉はみられませ
ん。敢えて挙げるなら、最後の数行目にある「…お亡くなりになられた方
々の御霊に報いてまいりたいと考えております」という表現でしょうか。

▼ 「~したいと思います」ではなく「~します」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
二度と過ちを繰り返さない意思を伝えるには、今後どうするか、どうして
いくかを言い切ることが重要。

たとえば、「二度とこのようなことがないよう注意いたします」。「~注
意したいと思います」と比べると、言葉の重みの違いが分かります。

特に「~したいと思います」は日常的に何気なく使っている表現だけに要
注意。反省の意を表す時に使うと軽々しい印象を与えてしまうことに。

余談になりますが、こうした公の文面のほか、DMや商品に同封されている
「ごあいさつ文」を注意して読んでみてください。お詫びの表現以外にも
参考になる言葉づかいを見つけることができますよ。

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今週は、読者のかたから寄せられた質問にお答えします。
 
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法      < 読者からの質問(5)
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 <読者からのお便り>———————————-

 メール「宛先」について、気なることがあります。

 それは、「宛先」が「氏名だけ」の呼び捨て形式の人が私の周りにとても
 多いことです。日頃は気配りの人なのに、他人を呼び捨てにしたメールが
 届くと興醒めなものです。

 「・・・様」形式にするにはアドレス帳を少し工夫するだけなので、余計
 にそのような気がします。多くの方は、どうやって解決しているのでしょ
 うか。スマートな解決方法がありますでしょうか。
 ご存知でしたらご教示ねがいます。      (読者:H.Iさん より)

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 ここで言う「宛先」は、メーラーのアドレス帳を開くとある「表示名」を
 指します。

 メールの送り主のアドレスを登録する場合、あなたはどうしていますか?

 メールを開いて、ツールバーの「ツール」にある「アドレス帳に追加」で
 送り主のアドレスを登録すると思います。そのときがポイント! 

 「表示名」をそのまま登録せず、「~さん」「~様」と敬称を入れて登録
 しておくのです。こうしておくと、アドレス帳に登録した相手に送ったメ
 ールの「宛先」には、敬称付きの相手の名前が表示されるはず。

 ちょっとしたことですが、頻繁にやりとりする相手ほど、こういう心遣い
 は忘れたくないですね。

 同様に、自分のアカウント名も今一度確認を。ハンドルネームや家族の名
 前に設定している人も多いですが、仕事で使う場合は社名やフルネームで
 設定しておくほうが好ましいですね。

 うっかり見落としているメールの習慣について、過去の記事でも触れてい
 ますので、参考になさってください。

 ※2月14日配信 VOL.27 「うっかりな習慣」
 

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今週は、読者のかたから寄せられた質問にお答えします。
 
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法      < 読者からの質問(4)
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 <読者からのお便り>———————————

 メールをもらうとき、たまにHTML形式で送られてくるときがあります
 よね。

 わざとそうしている人もいますが、ほとんどが気づかないでHTMLで送
 ってくるようです。メーラーの初期設定がそうなっているからでしょう。

 そのときどうしてますか?

  1)HTML形式のまま返信する。

  2)テキスト形式に変換して返信する。

  3)テキスト形式に変換して、相手の文章の頭に > をつけて返信する。

  4)テキスト形式で送るようにアドバイスする。

 HTML形式で質問が来ると、返信しづらいのでなんとかしたいと思うの
 ですが、ご意見をお聞かせください。

                  (読者:カンセツワザさん より)

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 私の場合は、

  2)テキスト形式に変換して返信する。

 ですね。メーラーの設定を次のようにしています。

 メニューバーの「ツール」→「オプション」→「送信」のところで「受信
 したメッセージと同じ形式で返信する」のチェックボックスをはずし、メ
 ール送信の形式は「テキスト形式」です。

 この設定ですと、HTML形式で送られてきたメールに返信する際、自分
 のメールには、文章の頭に「 > 」のインデント記号が入っています。

 この形式で返信した場合、常時、HTML形式に設定している相手には、
 どのように見えるのか、今ひとつわからないのですが、自分でテストした
 際には、返信時と同じ状態で届きました。

 私もメールを使い始めの頃は、気づかずに「HTML形式に設定」してい
 たクチで、人から「テキスト形式で送るようにアドバイス」されて慌てて
 直しました。

 最近は、仕事上のメールではほとんど見かけなくなりましたが、メルマガ
 読者からはたまに届きますね。

 仕事でのやりとりなら、4)の対応をするところですが、読者に対しては
 もっぱら、テキスト形式に変換して返信しています。

 HTMLメールについては、過去の記事でも触れていますので、参考にな
 さってください。

 ※2月16日配信 VOL.27 「うっかりな習慣(3)」
 

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今週は、読者のかたから寄せられた質問にお答えします。
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仕 事 ‎Beginの メ ー ル 作 法      < 読者からの質問(3)
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                       返信時の引用

<読者からのお便り>————————————————

メールの返信について、ずーっと気になっていることがあったのです。
質問して良いですか?

相手から来ますよね、メールが。
その返信の時に、その相手からのメールをそのまま添付して送って良いのか
どうか、ずっと気になりながら、私は添付して、そのまま送っています。
(読者 Y子さん)
——————————————————————–

多くの場合、テキスト形式で送られてきたメールへの返信は、メールを開き、
ツールバーの「返信」か「全員へ返信」のボタンを押すと、自動的に相手のメ
ールの行頭に「>」というインデント記号が付き、メールの内容を含んだ形で
返信できるようになっています。

▼ 相手の習慣に合わせて返信
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
私の場合、相手によって変えているのが現状です。

何度かやりとりをして、相手のメールを含めない習慣の人には同様の形式で返
信しています。

相手のメールを含め、やりとりの内容を残しながら返信を続ける人とはそのよ
うに。仕事のメールのやりとりは、この形式が圧倒的に多いです。

このメルマガへいただく感想や質問のメールも、基本的に読者のかたからのメ
ールを含めて返信しています。

▼ 署名の位置
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
最近、ある人からの返信メールを真似して変えてみたのが、署名の位置。
これまでは、自分が書いた返信メール→自分の署名→相手のメールの引用
という順番でした。

それを、自分が書いた返信メール→相手のメールの引用→自分の署名 に変え
てみました。

 

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今週は、読者のかたから寄せられた質問にお答えします
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仕 事 ‎Begin の メ ー ル 作 法      < 読者からの質問(2)
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「へいこうえいぎょう」の表記

<読者からのお便り>————————————————–

技術者を企業に紹介する場合に、この技術者は各方面の会社に紹介しています
との意味で へいこう営業 という言葉をつかいますが、この場合、
並行、平行、併行の どれが正しいのかいつも疑問に思います。

どれが正しいのか、それともどれでも良いのか? 機会があったら取り上げて
欲しいと思います。       (読者:60代第2の人生奮闘中のK.Yさん)

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「朝日新聞の用語の手引」によりますと

平行=どこまで行っても相交わらない
例)平行四辺形、議論が平行線をたどる

並行=相並んで行われる
例)並行審議、並行輸入、線路と並行して走る道路

※併行 → 「並行」で統一

平衡=釣り合い
例)平衡感覚、平衡を保つ

とありました(共同通信社「記者ハンドブック」も同様)。

「デジタル大辞泉」には、並行と併行が列挙され、意味としては「並んで進む
こと」に加え「二つ以上のものが同時に行われること」とあります。

ご質問の「へいこう営業」は、「並行営業」と表記するのが妥当ではないでしょ
うか。

「会う」と「合う」の違いなど、同じ読みで表記が違う言葉をバックナンバ
ーで紹介しています
▼基準を持つ(3) 「会う」と「合う」の違い VOL.105

 

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