今週は、注意したい言い回しについてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法     < ちょっとしたひと言(4)
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 「万障お繰り合わせの上」

何気なく使っているひと言が
実は相手に誤解を与えていたり
自分の思いとは違う受け止め方をされたりすることがあります。

今週は、そんな「ちょっとしたひと言」の使い方について
取りあげています。

万障お繰り合わせの上、ご来場ください」

イベントや催し物を告知する際によく使われる言葉です。

しかし、この「万障お繰り合わせの上」というフレーズ、
本来の意味から離れ、「ぜひとも」という意味合いで
使われていることが多くみられます。

「万障」とは、いろいろの不都合な事情、種々の故障や差し支え
という意味です。それを踏まえると

「万障お繰り合わせの上」とは、
「いろいろ事情や差し支えもあるでしょうが
それをなんとかやりくりして、お越しいただきたい!」
という、相手が来ることや参加を強いる表現。

「ぜひとも」というより
「ぜがひでも」「なんとしてでも」という
ニュアンスが含まれています。

ですから、
「万障お繰り合わせの上」を使う場面としては
出席することが前提となっている
定例化した会合への参加を案内するようなときに使うのが
適切です。

万障お繰り合わせの上、○○の定例会へご出席いただきますよう
お願い申し上げます」

といった具合です。
客先に自社のイベントや催し物を案内するときは

ぜひ、一度、展示会にお運びください」
よろしければ、一度、お立ち寄りください」

のような言い回しの方が適切です

半ばビジネスメールでも定型化している
「万障お繰り合わせの上」ですが
使い方を今一度、見直してみましょう。

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今週は、注意したい言い回しについてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法          < ちょっとしたひと言(3)
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                          「お知恵を拝借」

何気なく使っているひと言が
実は相手に誤解を与えていたり
自分の思いとは違う受け止め方をされたりすることがあります。

今週は、そんな「ちょっとしたひと言」の使い方について
取りあげています。

自分だけでは処理できない。やり方が分からない。
そんな時、上司や先輩に助けを求めるとしたら
どんな一文が適切でしょうか。

「私にはできません。だから、無理です」

これでは、業務を放棄したことになります。

「ちょっと教えてくれませんか?」

目上の相手に物を頼む言葉遣いとしては失礼です。

では、どのような表現が適切か。例えば…

部長、ご多用のところ申し訳ないのですが
  ○○の件でお知恵を拝借できますか

「○○の件でてこずっていて
 先輩のお知恵を拝借したいのですが

このように、目上の相手から助言や手助けを請う場合に最適なのが
「お知恵を拝借」という言い回しです。

ですが、次のような表現はNG.

「ぜひ、部長のお知恵をご拝借したいのですが」

「拝借」の「拝」自体に謙譲の意味があり、
「お借りする」という意味を持つので
さらに「ご」を付ける必要はありません。

「ぜひ、部長のお知恵を拝借したいのですが」

とするのが適切です。

 
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今週は、注意したい言い回しについてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法           < ちょっとしたひと言(2)
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                        「お教えいたします」

何気なく使っているひと言が
実は相手に誤解を与えていたり
自分の思いとは違う受け止め方をされたりすることがあります。

今週は、そんな「ちょっとしたひと言」の使い方について
取りあげています。

上司や目上の相手に対して
「それでは、私が詳細をお教えいたします

この一文、適切でしょうか、不適切でしょうか。

自分の動作に付ける謙譲語「お~いたす」の使い方は
間違ってはないのですが、問題は「教える」という行為。

「指導する」「分からせる」という意味合いがある「教える」は
目上の相手に使うのにはNGな表現です。

自分ではそういうつもりがなくても
「部長、私がお教えします」
のように使ってしまうと、目上の相手よりも自分が上位に立つ
えらそうな印象を与えてしまうからです。

目上の相手には「教える」に代わる言葉として
「説明」「案内」覚えておくとよいでしょう。

「それでは、私が詳細をご説明いたします
「それでは、私が詳しくご案内いたします

といった具合です。
場合によっては
「紹介」「お知らせ」と言い換えることもできるでしょう。

謙譲の「ご~いたす」と合わせて使うことで
相手に敬意を示す表現となります。

 
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今週は、注意したい言い回しについてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法          < ちょっとしたひと言
◆─────────────────────────────────◆
頑張らさせていただく

何気なく使っているひと言が
実は相手に誤解を与えていたり
自分の思いとは違う受け止め方をされたりすることがあります。

今週は、そんな「ちょっとしたひと言」について
取りあげていきます。

頑張らせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします」

丁寧にへりくだった言葉遣いを意識した一文であることは
分かるのですが、この場合「~させていただく」に問題ありです。

これまで、何度か触れてきましたが
「~させていただく」は「相手の許可を得て何かをする」ときに使う
謙譲語。

しかし、上記のように「頑張る」ことに
誰かの許可を得る必要はありません。

この場合は
頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします」

「~させていただく」は取り、
「頑張ります」と言い切る方が意気込みは伝わります。

頑張りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします」

このように「~と思います」は書き言葉でつい、合いの手のように
使ってしまいがちな言い回し。

でも、この場合も「~と思います」が付くことで
「頑張る」という強い意志が弱まり、
まるで他人事のように相手に伝わってしまいます。

あることを成し遂げるために努力する、という強い意志を
相手に伝えるのであれば

頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします」

と言い切ることをお勧めします。

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今週は、敬語表現の適切な使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法      < 謙譲語と尊敬語の混同(5)
◆─────────────────────────────────◆
間違いやすい例

今週は、混同しやすい謙譲語と尊敬語の例を
取り上げてきました。

本来、尊敬語を使うべきところを
謙譲語で書いてしまっている間違いの例を
いくつか挙げてみましょう。

× 明日は社内におられますか?
○ 明日は社内にいらっしゃいますか?

× 本社へはいつ、参られるのですか?
○ 本社へはいつ、いらっしゃるのですか?

× 社長がそう申されました。
○ 社長がそうおっしゃいました。

× 購入については総務に伺ってください。
○ 購入については総務にお尋ねください。

× 展示ブースの配置ですが、どのようにいたされますか?
○ 展示ブースの配置ですが、どのようになさいますか?

上記の「×」の文例に多く見られる傾向は
謙譲語を尊敬語とみなし、さらに尊敬語の「~される」「~られる」を
重ねて使っていることです

「申す」「伺う」「いたす」など、は謙譲語で
主語が自分のときに用います。
相手の行為には使わない言葉であると
覚えておきましょう。

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今週は、敬語表現の適切な使い方についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法         < 謙譲語と尊敬語の混同(3)
◆─────────────────────────────────◆
                   謙譲語+「される」「られる」?

「お客様が申されるには、先週も参られたそうです」

上記の例文は、
お客様が暑さに参ってしまったと述べているのではありません。

尊敬語に相当する文に謙譲語が使われているため
本来伝えたい内容とは異なる印象を与える一文に
なっています。

どこがおかしいのでしょうか?

もともとの文の意味は
「お客様が言うには、先週も来たそうです」

この一文の主語は「お客様」なので
使うべき敬語は「尊敬語」です。

ところが、冒頭の文例は
相手に対してへりくだるときに使う謙譲語を
尊敬語と取り違えているうえに、

謙譲語に、尊敬の「される」「られる」を付け
尊敬語にした「つもり」になっているのです。

「言う」の尊敬語は「おっしゃる」ですが、
ここでは謙譲語の「申す」が使われています。

「来る」も
尊敬語は「いらっしゃる」であるのに
謙譲語の「参る」が使われています。

上記の文例で
尊敬語として使われている謙譲語を
適切な尊敬語に統一してみましょう。

「お客様がおっしゃるには、先週もいらっしゃったそうです」

「来る」の尊敬語には「いらっしゃる」のほかに
「おいでになる」
「お見えになる」
「お越しになる」
もあるので、いずれかに書き替えることもできます。

 
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