今週は、感じのよいビジネスメールへの書き換え指南です。
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仕 事 の メ ー ル 作 法                                        < 書き換える技術
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親しみのわく文章

下記はあるグループのお知らせメールです。
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(中略)

今月は、市の○○福祉月間事業もあり、
私たちのグループも関わらせていただきます。
気軽に参加して、ちょっとためになる楽しい企画を考えていますので
良かったら、遊びにおいでくださいね。
—————————————————————–

謙遜する気持ちから使われることの多い「~(さ)せていただきます」。
しかし、書き言葉になると、意志表明のような強い調子の文章になり
がちです。
文の前半はかたい表現で、後半は話し口調になっているのも気になります。

読みやすく書き換えてみましょう。
—————————————————————–
(中略)

今月は、市の○○福祉月間事業があり、
私たちのグループもイベント企画のお手伝いで参加します。
みなさんが気軽に参加できて、
ちょっとためになる楽しい企画を考えていますので
ぜひ、遊びに来てくださいね。
—————————————————————–

最初の文では「私たちのグループ」がどんなことに「関わる」のか分か
らなかったかったので、書き換え後の文では「イベント企画のお手伝い」
という一文を付け加え、具体的に表現してみました。

「~せていただきます」も「参加します」と書き換えましたが、違和感は
ないと思います。

二つめの文に「みなさんが」と対象を書き添えることで、一文がまとまり
呼びかける感じの文章になったのではないでしょうか。

誰に何を伝えたいのか、目的に合わせ、易しい表現、呼びかける調子の文
章を意識すると親しみのわく一文になります。

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今週は、読者のかたから寄せられた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(3)
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                         「ご確認ください」

<読者からの質問>————————————————

仕事上、「ご確認ください」を使うことが多いのですが、
なんだか命令形ぽい感じがして
「ご確認していただけますでしょうか」もまどろっこしく
「ご確認くださいませ」というふうに「ませ」をつけることがあります。
なんだか女性的?な感じもして違和感を感じています。
これって、どうなんでしょうか?
(大阪の男性読者・N.Iさん)

——————————————————————

「ご確認ください」のように「~(して)ください」という表現は、
話言葉で使う場合は気にならないのですが、メールの場合だと命令調
に感じることがありますよね。

そこで私は

「ご確認をお願いします」 → 依頼形

「ご確認いただけますか」 → 疑問形

この2パターンを使うようにしています。

一緒に組んで仕事している相手にメールで指示を出すようなときは
「~ください」はなるべく使わず、例えば
「この部分の修正をお願いします」
「再度、お送りいただけますか」
と書くようにしています。

「~くださいませ」
は私も多用していたのですが、相手によっては好まない人もいるので
(男性が多いように思います)最近は使うのを控えてます。
これは多分に、読む側の好き嫌いの感覚の問題だと思います。

メールは読み手の精神状態によって良くも悪くも受け止められることが
あるので、なるべく感じのよい表現を選ぶようにしています。

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今週は、注意を要する言葉についての考察です。
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   仕 事 の メ ー ル 作 法          < 気をつけたい言葉(5)
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                            「彼女さん」

最近、目にしたり耳にすることが多くなった言葉に「彼女さん」がありま
す。

「彼女」や「彼氏」に「さん」をつけるのに違和感を覚える人と、
気にならない人に分かれるようです。

気にならない人は、「奥さん」「弟さん」と同じ感覚で使っているのでしょう。
特に、年上の相手の彼女や彼を呼ぶ場合の敬称のような役割で
「さん」をつけることが多いと感じます。

「彼女」「彼氏」は名前に代わる言葉なので、
「さん」を付けるまでもないのでは? と
私は感じています。

社内で上司のことを「部長」「課長」と役職名で呼ぶように、
「彼女」「彼氏」も呼び名の1つと思うからです。

名前が分からない場合は別として、
「○○先輩の彼女さん」というのであれば
「○○先輩の彼女の△△さん」
と言い換えてもいいのではないでしょうか。

役職のある相手の宛名を書くとき
「XXX株式会社 部長 ○○様」
と書くように…。

前回、紹介した「させていただく」は
テレビから波及したのでは? という指摘を
読者のかたからいただきました。

今回取り上げた「彼女さん」「彼氏さん」は
ブログやメール、SNSなど、インターネット
から波及した特有の表現のように感じます。

あなたはどう思いますか?

<追記>2022.05.02
上記は、15年前に書いた記事ですが
「彼女さん」「彼氏さん」という呼び方は
今やネットショップなどでも使われています。

「精選版 日本国語大辞典」によると
『日本では古くから三人称は「かれ」で、
 男女両性を指していたが、西欧語に接して、男女の区別が必要となり、
 西欧語の三人称女性代名詞の訳語として生まれた』
 のが「彼女」とあります。

代名詞に「さん」を付ける必要があるのでしょうか。

▼参考記事

 
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今週は、注意を要する言葉についての考察です。
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仕 事 の メ ー ル 作 法     < 気をつけたい言葉(4)
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「させていただきます」

「では、後ほど読まさせていただきます」

この一文の問題点は、「読まさせて」の「さ」が余計な点です。
このように不要な「さ」が入った表現を「さ入れ言葉」と呼び、うっかり
使ってしまいがちです。

「させていただく」を分解すると、
使役の助動詞「させる」 + 謙譲語の「いただく」
となります。

この場合の「させる」は、だれかに何かをさせる意味を表しており、
「いただく」とセットで使うことで、相手に許可を得るようなときに使わ
れます。しかし、使役の助動詞には「せる」もあり、「させる」と「せる」
が混同されていることが多いようです。

上記の場合、「読ませていただく」で意味は通じます。相手に敬意を払う
表現を意識するあまり、不要な「さ」が入ってしまった例です。

その他の例では

× やらさせていただきます ⇒ ○ やらせていただきます
させていただきます

× 休まさせていただきます ⇒ ○ 休ませていただきます

× 送らさせていただきます ⇒ ○ 送らせていただきます

実は私も時々使ってしまいがちで、「さ」を入れるべきかとるべきか迷う
ことが多くあります。
「させていただく」とすれば、とりあえずへりくだった表現になっている
はず、という思い込みが間違いを招いているように思います。

一方、「~させていただきます」と人から言われた場合、一見、丁寧なよ
うで強引にことを進めようとする印象を受けます。注意したい言葉です。

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今週は、丁寧な表現について取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法      < 丁寧な表現(5)
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丁寧語と美化語

丁寧語から派生したと言えるのが「美化語」です。
丁寧であると同時に上品な印象を与える言い回し、言葉遣いとして、主に
接頭語の「お」や「ご」を付ける言い方を指します。

例えば
お礼、お話、お食事、お車、お手洗い

ご挨拶、ご参加、ご出席

原則として、和語(訓で読む語)につくのが「お」、漢語(音で読む語)
につくのが「ご」とされますが、「お電話」「お会計」のような例外もあ
ります。

これも程度の問題で、何にでもつければいいというものではありません。
昨今よく耳にする「お受験」なども、過度に美化した言葉の一つではない
でしょうか。

これまで挙げてきた丁寧語にもいえることですが、改まって丁寧な表現に
なる一方で、かしこまった堅苦しさが感じられるのものでおあります。
話し言葉と書き言葉でも印象が変わります。

相手との立場の違いや、親密度により使い分けることも必要でしょう。

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今週は、丁寧な表現について取り上げます。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法            < 丁寧な表現(4) >
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                          形容詞を丁寧に

「うまい」より丁寧な表現が「おいしい」です。
「よい」の丁寧な表現が「よろしい」です。

文章にするときは「おいしいです」「よろしいです」と言ったり書いたり
しますが、本来、形容詞は動詞につかないとされ、「形容詞+です」は誤っ
た表現とされていたとか。

では、どう表していたかと言うと…
「おいしい」「よい」などの形容詞を受けるのは「ございます」で、
「おいしゅうございます」「よろしゅうございます」と表現するのが、か
つては正しいとされていたそうです。

戦後、「形容詞+です」という表現が認められ、「おいしいです」「よろ
しいです」という言い方が一般化しましたが、「おいしゅうございます」
「よろしゅうございます」も古めかしいですが雰囲気のある上品な言葉です。

▼ より感じ良く表現するには…
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「おいしいです」でも問題はないにせよ、「おいしいお茶ですね」と
「おいしい」対象を表すようにすると文として落ち着く場合もあります。

気をつけたいのが「いいですか」。
人に確認や打診する時は「よろしいですか」とするほうが丁寧できちんと
した印象が残ります。

おいしいです   ⇒ おいしいお菓子です

おいしかったです ⇒ おいしくいただきました

いいですか ⇒よろしいですか

うれしいです ⇒ うれしく思っています

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