メールで相手先と日程調整をするとき
あなたは自分の都合を先に伝えますか?
それとも、
相手の都合を先に聞いてから調整しますか?

長らく私は、
後者の方法で日程調整をしていました。
このメールマガジンでも、
そう述べてきました。

昨年、あるIT企業の顧客対応メール文例集を制作する仕事をした際
メールで打ち合わせの日程調整を進める文例で
自分の都合を先に伝え、相手と調整を図る
という文面にしてほしい、と指示があり
時代は変わったなぁ、と感じました。

このメルマガを創刊した17年前から
優先すべきは相手の都合で、
それに自分の都合を合わせて調整するのがマナー
と信じて疑いませんでした。

先に自分の都合を伝えるのは、
相手に対して失礼ではないか、
と思っていたからです。

でも、打ち合わせをすることが決定事項なら
双方の都合の良い日程を
スピーディーに決めた方が良く
既に分かっている自分の予定や都合を
先に相手に伝え、調整していく方が
合理的かつ効率的。

もちろん、相手との関係性や状況にも
よるので、一概には言えませんが
ビジネスのメールのやりとりでは
効率とスピードが優先していることを
実感した出来事でした。

ただ、
自分の都合を先に伝える場合も
文面を工夫する必要はあります。

さらに、相手が
それを合理的と捉えるタイプか
不躾と捉えるタイプか
によっても文の運びは変わってきます。

相手に応じて文面を整えるテクニックは
まだ自分の経験が活かせる範疇ではあるのですが
「こうあるべき」という古い考えは
その都度、アップデイトしていかなくては
と考えさせられた次第です。

 
 

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読者のかたから
「なるほどですね」という言い回しについて
質問を受けました。

目上の相手と話すとき、
「なるほど」と言う代わりに
「なるほどですね」と言ってしまう。

使っていてしっくりこないので
もっと適切な表現を探しているが
「おっしゃる通りです」というのも
相手に完全に同意するときばかりではないので
違う気がする。

「なるほどですね」に代わる
言い回しはないだろうか?

ということでした。

確かに「なるほど」に「ですね」を付けただけでは
意味は変わりません。

調べてみたところ

NHKの放送文化研究所(文研)のWebサイトに
「なるほどですね」について取り上げられていました。

▼「なるほどですね」?

要約すると
・「なるほど」という相づちは、
「自分は今まで知らなかったが、
あなたの言っていることには納得できる」
といった気持ちを表すときに使用。

・ただ、国語辞典の中には
「目上の人には用いない」
と明記しているものもある。
なぜなら、
目上の人が発言した内容に対して、
「評価」を下すことになり、
相手に失礼という考えがあるため

では、どのような言い回しが適切なのでしょう。

目上の人が言ったことに対して
「なるほど」という気持ちを表したいとき
文研のサイトには一例として

・慎みを込めて「はい」「ええ」と言う
・何も言わずに、
ただ首を上下に大きく揺り動かす

とありました。

専門誌の編集者に意見を求めたところ
文研と同じ見解で、言い回しとしては
「そうですか」を挙げていました。

相手の言うことに対する相づちとしては
ほかに
「そうなんですね」という言い方も
考えられます。

私も取材するときに、
「なるほどですね」と
言いそうになることがあったので
これからは
「ええ」
「そうですか」
「そうなんですね」
と返すことにします。

 
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メール対応の「素朴な疑問」にお答えします。
◆────────────────────────────◆
 読 者 か ら の 質 問               「企業様」
◆────────────────────────────◆

<読者からの質問>———————-

 すでに過去に出ている内容でしたら
 すみません。
「企業様」「法人様」「学校様」のように
 団体に「様」をつけることは
 正しいことでしょうか?

 また、「様」を付けず
「多くの企業とお取引をさせていただいて
 おります」のように
「企業」「法人」「学校」と記しても
 失礼にはあたりませんでしょうか?

 教えていただけましたら幸いに存じます。
 よろしくお願いいたします。

            (読者 M・Gさん)
—————————————-

実際に「企業様」「法人様」「学校様」
という使われ方はしていますが
呼称として正しいか、正しくないか
調べることができる範囲で
文献に当たってみましたが、
正解は分かりませんでした。

宛名に敬称として使うのであれば
「会社名+御中」
ですが、

文章として
「多くの企業とお取引をさせていただいて
 おります」と書いているケースは
多く目にします。

ほかにも相手の会社のことを呼んだり、
書いたりするときに
「会社名+さん」とさん付けするケースも
一般化しています。

私見ですが、
会社=法人として、
人格を与えられたものとみなすことから
会社名に「様」や「さん」という呼称を
付けているのかもしれません。

こうした言い方が普及すると
「様」や「さん」を付けずに
相手の会社名を呼んだり書いたりするのが
失礼な気がしてくるのも自然なことでしょう。

会社の慣習やルールもあると思うので、
M・Gさんの会社内で書き方、呼び方の統一が
とれているのであれば
「企業様」という呼称を使うことは
問題ないと思います。

「企業様」という表記が正しいか正しくないか
「企業」とう言葉に「様」を付けないことが
失礼になるのかどうか
私には判断がつきません。

ただ、個人的には、
「企業」「法人」「学校」という名詞に
敬称の「様」は不要ではないか、
と考えています。

「多くの企業とお取引をさせていただいて
 おります」
という一文は、私なら

「メーカー30社と取引があります」
のように「企業様」とくくらず、
業種などを具体的に書いて示します。

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メール対応や言葉について神垣が日々思うこと
◆────────────────────────────◆
 言 葉 コ ラ ム    承知しました? かしこまりました?
◆────────────────────────────◆

相手に「分かりました」と伝える場合
あなたは
「承知しました」「かしこまりました」
のどちらを使いますか?

返答として、
「承知しました」「かしこまりました」
どちらでも良いのですが、
私は下記のように使い分けています。

・メールなどの書き言葉=「承知しました」

・お客様に対面するときなどの話し言葉
 =「かしこまりました」

使い分けの理由は、
「かしこまりました」は、
謹んで目上の人の言葉を承る、
という意味で、
接客用語として
相手に敬意を伝えるのに適した言葉
と考えるからです。

書き言葉で「かしこまりました」を
使うのも間違いではありません。

しかし、対面しない文字でのやりとりに
「かしこまりました」はやや大げさに感じるので、
メールなどの書き言葉では
「承知しました」と返答することにしています。

書き言葉、話し言葉の
両方で使える言い回しとしては
「承りました」
があります。

私は状況に応じて
「承知しました」
「かしこまりました」
「承りました」を使い分けています。

書き言葉でのやり取りが多いので
使用頻度としては
「承知しました」「承りました」
が多いです。

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誤って使いやすい言葉を取り上げます。
◆────────────────────────────◆
 間 違 え や す い 言 葉         「表決」と「評決」
◆────────────────────────────◆
読みは同じでも意味が異なる言葉があります
(同音異義語)。

文字を入力するとき、
迷ったり間違って使ったりすることを避けるためにも
意味の違いを知っておきましょう。

「書面ひょうけつにおいて総会にすることができる」
の「ひょうけつ」は
「表決」と「評決」のどちらでしょうか?

答えは、「表決」です。

「表決」は、議案に賛否の意思表示をすること。

  例)投票による表決、表決権、オンライン表決

一方
「評決」は、評議して採決する、という意。

  例)有罪評決、陪審員の評決、決議案が評決される

という違いがあります。

「表決」の方法としては挙手をしたり、起立したりします。

「票決」という言葉もありますが、
新聞表記では「表決」に統一されています。

※参考
記者ハンドブック 第14版: 新聞用字用語集

ある総会で配布された資料に
「書面表決において総会にすることができる」とあり、
「表決」ではなく「評決」ではないか、という意見がでたので、
調べてみたところ、「表決」ということが分かりました。

普段からあまり意識することのない言葉で、一瞬
私も「評決では?」と思いました。
迷ったときには調べてみることが大切ですね。

余談ですが、
私の大好きな映画に「評決」があります。
ポール・ニューマン主演で、シャーロット・ランプリングが共演。
落ちぶれた弁護士役のポール・ニューマンが
ある事件をきっかけに正義を取り戻していく物語なのですが、
ニューマンの落ちぶれ具合が渋くてカッコイイ。
ランプリングとの絡みも切なく印象的な映画です。

映画「評決」

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誤って使いやすい言葉を取り上げます。
◆────────────────────────────◆
 間 違 え や す い 言 葉          「施行」と「施工」
◆────────────────────────────◆

読みは同じでも意味が異なる言葉があります
(同音異義語)。

文字を入力するとき、
迷ったり間違って使ったりすることを避けるためにも
意味の違いを知っておきましょう。

「店舗の内装せこう」の「せこう」は
「施行」と「施工」のどちらでしょうか?

答えは、「施工」です。

「施工」は、工事をすること。
  例)施工図、施工主、施工の優先交渉権者

一方
「施行」は、主に法令の効力を発生させる
という意。
  例)新法施行、施行日、条例を施行する

という違いがあります。

読みは、新聞の統一表記では
「せこう」「しこう」
どちらでもよく、区別はありません。

放送で標準とする読み方として
「施行=しこう」
「施工=せこう」
とされているため、
区別して使っているケースもあるようです。

私も上記の使いわけをしていましたが
今回、「記者ハンドブック」を確認して
読みに特に区別はないことを知りました。

 
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