今週は、感じのよいビジネスメールへの書き換え指南です。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法   < 書き換える技術
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よろしくお願いします

ある催しの案内メールに次のような記述がありました。
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(日時、会場、会費の記述のあと)

今回だけ場所が変わりますのでよろしくお願いいたします!

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毎月一回、定期的に行われる集まりで、今回だけ開催場所に変更がある旨
を伝える一文です。

上記の一文でも意味は通じますが、このように書き換えてみてはどうでしょ
うか?
—————————————————————–

今回は場所が変わりますので、ご注意ください。

—————————————————————–

「よろしくお願いします(いたします)」は便利な言葉ですが、上記のよ
うな場合、「何を」よろしくお願いしたいのか、よくわかりません。

「場所が変わるので、間違えないでくださいね」ということを伝えたいの
であれば「ご注意ください」と結ぶほうが読み手の印象に残ります。

もう少し改まった文章にするなら
「今回は開催場所が変わります。お間違えのないようお願いします」
という書き方もあります。

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【しごび】 の お す す め
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就職活動中の学生さんにも役立つ内容です!

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今週は、読者からの質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 読者からの質問(4)
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ご返答いたします

以前、「上司への敬語」で述べた記事の例文に対して、読者の方からご意
見をいただきました。

<読者からの意見>————————————————

> 部長の山本に確認いたしまして、ご返答いたします。 ⇒ GOOD!

この中の「ご返答いたします」については、
返答する主体は「私」であるので、
「ご」をつけるのはおかしいように思います。

「部長の山本に確認しまして、返答させていただきます」

とすればスッキリするのではないでしょうか。
(読者 K.H さん)
——————————————————————

上記の文章は、ご指摘のとおり主体は「私」です。
主体である「私」が「返答する」相手に向かって書いた一文です。

文章を分解して考えてみましょう。
「ご返答いたします」の「ご~いたす」は謙譲語です。

ここでは、主体である「私」が<向かう先>、つまり、私が返答する「相手」
を立てた言い方として「ご返答いたします」にしています。

主体は「私」ですが、相手を立てた(高めた)表現であるため
「ご返答いたします」という一文で問題はないと思うのですが、
いかがでしょう。

※厳密にいうと、「ご~いたす」は「謙譲語I」兼「謙譲語II」に相当
しますが、ここでは「謙譲語I」と「謙譲語II」の解説は長くなるので
省略します。

むしろ、私が気になったのは「返答させていただきます」です。

「させていただく」は、
・相手の許可を受けて行い
・相手から恩恵を受ける
という二つの条件を満たしている場合に使う表現、と「敬語の指針」にあります。

これに基づいて考えてみましょう。
上記の一文は、「私」が上司に確認して「相手」に返答することを伝える文章
です。

状況としては、相手に許可を得て返答するのでも、返答することで相手から
恩恵を受けるのでもないため、「返答させていただきます」とするより、
「ご返答いたします」としてよいのではないでしょうか。

「させていただく」は、以前から注意が必要な言葉と感じています。
バックナンバーでも触れていますので参考にしてください。

VOL.501
VOL.537

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【しごび】 の お す す め
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今週は、読者からの質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(3)
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                             お疲れ様

<読者からの質問>————————————————

「ご苦労様でした」が目上の人から目下の人へのねぎらいというのは分
かるのですが、「お疲れ様でした」を上司に使っていいのかどうかで、
いつも悩んでいます。

お疲れ様も目上の人が使う言葉に思えるのですが、実際のところはどう
なのでしょうか。

社会人三年目ですが、ちゃんとしたマナー講習を受けたこともなく、
自分の敬語が正しいのかどうか、不安に思っています。

(読者 H.M さん)
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「お疲れ様」の使い方については、以前、このメルマガでも話題になりま
した。今回は文化審議会の「敬語の指針」を基にお答えしますね。

「ご苦労様」が自分のために何か仕事をしてくれた人に対するねぎらいの
言葉であるのに対して、「お疲れ様」は一緒に仕事をした相手に声をかけ
合うような場合に多く用いられる表現です。

ねぎらいの言葉は上位者から下位者に向けてかけるものであるため、
部下が上司に対して「ご苦労様でした」と言うのは失礼になりますが、
共に仕事をした後、部下から上司に「お疲れ様でした」と声をかけるのは
問題ありません。

ただ、同僚や後輩と同じように上司に対しても「お疲れ様でした」を使う
ことに抵抗がある場合は、「お疲れ様でございました」という言い方、書
き方にすると丁寧で差別化も図れます。

状況にもよりますが、型どおりな挨拶で済まさず
「おかげさまで期限に間に合いました」
「お力添えいただき、ありがとうございました」
とその時々にふさわしい気持ちを伝える表現ができれば、なお良いですね。

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今週は、読者からの質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(2)
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                           くだけた文章

<読者からの質問>————————————————

メールに口語、俗語をどの程度含めてよいものでしょうか。
私は「○○ッつー話<という話>を聞いたけど、どうヨ」などと
若い女性に書いて、自分では喜んでいるのですが。

同様に、件名の特定もどの程度までが適当と思いますか?
例えば「この間話に出た本のこと」とするか、
「書籍発行計画(○年○月○日AA社BBさんご提案)の件」とするか。
後者の方が良いにきまっているけれど、いつもこれでは大仰で…。

(読者 K.I さん)
——————————————————————

メールのやりとりが頻繁であったり気心の知れた相手であれば、四角四面
な硬い文章より、多少は口語調の文章が入るのはよいのではないかと個人
的には思っています。

相手が客先の場合でも、基本的に丁寧語は使いますが、用件の終わりに
「今日のブログ、いつにも増して良い内容でしたね」とか
「体調は回復されましたか」といった相手を気遣う一文を意識的に添える
ようにしています。

書かなくても良いことではありますが、その一文を添えることで、直接対
面しない相手との人間関係を円滑にする助けになると思うからです。

件名も同様で、上記の例にある「この間話に出た本のこと」という件名で
通用する相手には、敢えてそうした件名でメールを送ることもあります。
例えば、その話が出た直後に出すメールや、電話でその用件について話し
た後、補足的にメールを送るような場合です。

▼ 相手に受け入れられる境界線を知る
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
懇意な客先の場合、常にかしこまった硬い文章のメールだと、却ってよそ
よそしいとか、打ち解けてないという印象をもたれることもあるので、そ
のときどきの状況に合わせ、相手がニコッとしてくれる程度のくだけた文
章や親しみを込めた表現は使っています。

逆に、自分の中で禁止しているのは、親しい間柄でも客先や仕事関係のメ
ールの文章は「です、ます」調で統一し、顔文字の類は使わないと決めて
います。

口語や俗語の使用も、件名の表現も、過ぎたるは及ばざるが如しですが、
相手との間柄から自分で「ここまでなら許容範囲」という線引きをし、
上手に活用すればよいのではないでしょうか。

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今週は、読者からの質問にお答えします。
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 読者からの質問
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ご便利

<読者からの質問>————————————————

「お」「ご」の事ですが、日ごろ電車のアナウンスできになっていること
があります。

「○○へは前の階段がご便利です。」

正しいのかなァ・・・と疑問です。「便利」は動作では無いから変に感
じたのでしょうか。「ご利用が便利です」なら良いと思うのです。
なにを調べたら解決するのかもわからず、悶々と毎日地下鉄を利用して
います。
(読者 M.C さん)
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国の文化審議会「敬語の指針」によれば、

「お」と「ご」を付けて敬語にする場合の「お」と「ご」の使い分けは
「お+和語」「ご(御)+漢語」が原則である

とあります(和語は漢字の訓読みに相当し、漢語は音読みに相当)。
この理屈でいうと「便利」は漢語にあたり、「ご便利」ということになり
ます。

しかし、上記の使い分けはあくまで原則。

美化語の「お料理」「お化粧」のように「お」が好まれるものや、尊敬語
の「お加減」「お元気」のように「お+漢語」のように変則的な使い方を
するものもあります。語によっては「お」「ご」がなじまないものもある
わけです。

この「ご便利」も実際に使われている例は多くあるのですが、言葉として
は読者のM.C さんが疑問に思ったように、言葉としてしっくりこない気が
します。

言い換えるとすれば

「○○へは前の階段をご利用になると便利です」

と名詞の「便利」を敬語にするより、「ご利用になる」という動詞の尊敬
語を持ってくるほうが収まりがよいように思います。

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今週は、社内・社外での上司に対する敬語表現についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 上司への敬語(5)>
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                             ご苦労さま

時間外に仕事を手伝ってくれた上司に何かひと言メールしたい。こんなと
き、どのような表現がよいでしょうか?
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1)昨日は遅くまでご苦労さまでした。

2)昨日は遅くまでありがとうございました。

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「ご苦労さま」は基本的に、自分のために仕事をしてくれた人に対して
かける言葉です。

身近な例では、荷物を届けてくれた配達員さんに荷物を受け取るときに
「ご苦労さま」と“ねぎらい”の気持ちを込めて用います。

ですから、上記のようなケースでは、上司から部下に「ご苦労さま」を使
うことはあっても、部下から上司へ「ご苦労さま」を使うのは失礼になり
ます。

上司に対しては、1)のねぎらいの言葉ではなく2)のような感謝の言葉
を伝えるほうが好ましいです。

「昨日は大変助かりました。ありがとうございます」
「おかげさまで期限に間に合いました」
など、感謝の気持ちとともに結果や成果を伝えるのもよいでしょう。

「敬語の指針」より

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