今週は、「?」と思う言葉の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法               < 疑問な言葉(3)
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                             断トツ1位

「日本選手が断トツ1位でした」

この一文にある「断トツ1位」。私も無意識に使ってたのですが
実は意味が重複しています。

「断トツ」が何の略かご存知ですか?

「断然トップ」を略して「断トツ」。
脱サラが「脱サラリーマン」の略であるように、
「断トツ」も日本語によくみられる略語の一種で、
それが定着したもののようです。

そうすると、「断トツ1位」は意味が重なるため、
「日本選手が断トツでした」
と書くのが適切。

1位であることをより強調したい場合は
「日本選手が大差で1位でした」
のように「断トツ」に代わる表現に言い換えることもできます。

「断トツ」は俗語の一種になるのかもしれませんが、
迫力を伝える表現として、つい使いたくなる言葉ですよね。

「断」に関連して、次の一文も注意。
「間違いないとはっきり断言できます」

「断言」が「はっきり言い切ること」という意味があるので、
「断言」の前に「はっきり」は不要です。この場合は

「間違いないと断言できます」
あるいは
「間違いないとはっきり言えます」
と書き換えられます。

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今週は、「?」と思う言葉の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法               < 疑問な言葉(2)
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                          距離感を感じる

「距離感を感じさせない対応を心がけています」

この一文のように「~感を感じる」という表現が意外と多く使われています。
この例でいうと「距離感」は「距離を感じる」ことを意味するので、
「距離感を感じ」というのは意味の繰り返しになります。

「距離感のない対応を心がけています」
「距離を感じさせない対応を心がけています」

とするのが適切です。

ほかに「違和感を感じる」「嫌悪感を感じる」「充実感を感じる」なども、
ついそのまま使ってしまいがちです。

「~感を感じる」を「~感を覚える」「~感がある」と書き換えると
意味が重複しません。

これに関連して要注意なのが、「自覚を覚える」。

「自覚」は自分自身の立場・状態・能力などをよく知ること。
感じるを意味する「覚える」が続くと重複表現になります。

「役者という仕事に自覚を覚え、熱を入れて取り組んでいる」という一文は
「役者という仕事を自覚し、熱を入れて取り組んでいる」となります。

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今週は、「?」と思う言葉の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法                 < 疑問な言葉
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                             立場に立つ

「後で後悔する」
「犯罪を犯す」
「募金を募る」
これらは、意味が重複して使われている言葉です。

「後悔」は「後で悔やむ」ことなので、「後で」は不要。
「犯罪」は「罪を犯す」ことなので、「犯」を取って「罪を犯す」に。
「募金」は「寄付金などを募る」ことなので、「募金を行う」
「寄付金を募る」という表現が適切です。

このように同じ意味の言葉を繰り返して使っていることがあります。
メールなどでよく見かけるのが「立場に立って」。例えば

お客様の立場に立って運営方法を考えています

という一文。この場合の「立場」は「その人が置かれている、境遇・条件・
地位など」を指しますが、もともとの意味は、その字の通り「立つ場所」。

お客様の立場になって運営方法を考えています
お客様の立場で運営方法を考えています

「立場に立つ」を「立場になる」「立場で」と書き換えられます。

今週は、このようによく考えると「ちょっと変」な言葉をピックアップ
してみましょう。

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今週は、うっかり間違いやすい言葉についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法            < 間違いやすい言葉(5)
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                          「精根」と「精魂」

今週は、思い込みやうろ覚えのまま使ってしまいがちな
間違いやすい言葉を取りあげてきました。

時機を得た措置 ×
時期を得た措置 ×
時宜を得た措置 ○

「時宜(じぎ)」とは、ちょうどよい頃合いのこと。
その時にふさわしい、という意味で使われます。
字のイメージからも「時機」や「時期」と混同しがちですが、
正しくは「時宜」です。

精根込める ×
精魂込める ○

精魂尽きる ×
精根尽きる ○

どちらも「せいこん」と読みますが、「精根」は心身の精力と根気。
「精魂」は文字通り、たましいとか精神を意味します。
込めるのは「精魂」。尽きるのは「精根」です。

論を待たない ×
論をまたない ○

「またない」の漢字は「俟たない」と書きます(常用外漢字)。
「俟つ」とは、期待したり、頼ることを意味します。
この場合、論じるのを待つのではなく、論を期待しない、
つまり、ことさら論ずるまでもないことを表します。

ちなみに、下記の一文も間違いやすいのでご注意を。

論議を醸す ×
物議を呼ぶ ×
物議を醸す ○

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今週は、うっかり間違いやすい言葉についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法           < 間違いやすい言葉(4)
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                          「約10分ほど」?

今週は、思い込みやうろ覚えのまま使ってしまいがちな
間違いやすい言葉を取りあげています。

その問題は、まだ未解決です。 ×
その問題は、未解決です。   ○

「未」自体に「まだ~していない」「まだ~でない」という意味が
あります。
「未解決」で「まだ解決してない」ことを意味するので、
「まだ未解決」は意味が重複します。
この場合、「その問題は、未解決です」とするか
「その問題は、まだ解決していません」とするのが適切です。

満面の笑顔で迎えてくれた。     ×
満面に笑みを浮かべて迎えてくれた。 ○

「満面」は顔全体を指すので、笑った顔を表す「笑顔」と「顔」の
意味合いが重複してしまいます。
上記の例文は「笑顔で迎えてくれた」とするか、
「満面」という言葉を使うなら、後に続くのは「笑み」が適切です。

約10分ほどで着きます。 ×
10分ほどで着きます。  ○

「ほど」は、数量を表す言葉の後に付いて、おおよその分量や程度を
表します。
ですから、「10分ほど」と「約10分」は「だいたい10分ごろ」と同じ
意味合いを持ちます。
「約」を使うなら「ほど」は不要。「ほど」を使うなら「約」は不要です。
上記の例文は「約10分で着きます」とも書き換えられますね。

書き言葉では「約」を使うことが多く、話し言葉では「ほど」を
よく使います。両者を混用しがちです。

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                        「仕事がひと段落」?

今週は、思い込みやうろ覚えのまま使ってしまいがちな
間違いやすい言葉を取りあげています。

先週から働きずくめです。 ×
先週から働きづめです。  ○

「ずくめ」は、名詞やそれに準ずる語句に付いて
「何から何まで、そればかりである」ことを表します
(例:黒ずくめ、いいことずくめ)。

一方、「づめ」は、動詞の連用形の下に付いて、
その動作・状態を続けることを表します(例:歩きづめ、立ちづめ)。

ちなみに、「ずくめ」に対し「づくし」は、
それと同類のものをすべてあげる意(例:花づくし、ないないづくし)。
どちらも漢字で書くと「尽くめ」「尽くし」になりますが、
平がなだと「ずくめ」「づくし」です。

バランスが逆転してしまった。 ×
バランスが崩れてしまった。  ○

「バランス」は、「つりあい、均衡がとれている状態」を表します。
ですから、バランスが「崩れる」ことはあっても
「逆転する」ことはありません。
「形勢が逆転する」ことはあります。

仕事がひと段落したら ×
仕事が一段落したら  ○

私も「ひと段落」と普通に使っていたのですが、
実は誤用で、正しくは「一段落(いちだんらく)」なんですね。

そのほか混同しやすい言葉として、次のようなものもあります。

被害を被る ×
被害に遭う ○

募金を募る ×
寄付金を募る、募金活動を行う ○

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