今週は、慣用句の誤用についてです。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法   < 間違いやすい慣用句(3)
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似て非なる用語

混同しやすい慣用句に次のようなものがあります。

いやが上にも

いやが応でも

意味の区別としては・・・

いやが上にも = ますます、いっそう
※もとは「弥が上にも」と表記

例)いやが上にも人気が高まっています。

いやが応でも = 有無を言わせず
「いや応なく」も同じ意味です。
※もとは「否が応でも」と表記

例)否が応でも要請があります。

もともと、違う漢字で表現された言葉だったのですね。

▼ 「異存」と「異議」の違い
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
漢字で混同しやすいのが
「異存」と「異議」です。

異存 = まだ心の中に「考え」がある状態
例)おっしゃることに異存はありません

異議 = 心の中にあった「考え」を発表した
例)会議で異議は出なかった
その発言に異議なし

「会議で異存は出なかった」というのは誤った使い方になります。

※参考 朝日新聞の用語の手引

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今週は、慣用句の誤用についてです。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法       < 間違いやすい慣用句(2)
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その他の誤用

昨日に引き続き、文化庁発表の2006年度「国語に関する世論調査」から、
慣用句などの誤用の実態調査にあった事例を紹介します。

次の例文に使われている慣用句の意味、あなたはどちらだと思いますか?

1)「その人は気が置けない人ですね。」の「気が置けない」
A)相手に気配りや遠慮をしなくてよいこと
B)相手に気配りや遠慮をしなくてはならないこと

2)「彼はやおら立ち上がった」の「やおら」
A)急に、いきなり
B)ゆっくりと

本来の意味は

1)気が置けない = A)相手に気配りや遠慮をしなくてよいこと

2)やおら = B)ゆっくりと

です。

調査の結果では、
「気が置けない」は48.2%の人が反対の意味のほうを(本来の意味で捉え
ていた人は 42.4%)、
「やおら」の意味も43.7%の人が反対のほうの意味(本来の意味で捉えて
いた人は 40.5%)で理解していたという数値が出ており、取り違えてい
た人がいずれの場合も若干多くなっています。

▼ 知っておいていい“本来の意味”
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
昨日、今日と例に挙げた慣用句は、日常生活、特にメールなどの書き言葉
で使うことは、実際のところあまりありません。

言葉は生き物、時代とともに意味や解釈も変わっていくという意見もあり
ますが、“本来の意味”は知っておいて損はないとも思います。

私自身もそうでしたが、意味を取り違えて使っていても、
「あれ? 本当はこういう意味なのか」と気づくきっかけがあれば、
言葉を見直し、意味を改めて調べることで語彙を増やすことができるので
はないでしょうか。言葉ってそうやって蓄積していくものように思います。

※参考 文化庁 平成18年度「国語に関する世論調査」の結果について
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/yoronchousa/h18/kekka.html

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今週は、慣用句の誤用についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法            < 間違いやすい慣用句
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                            誤用の実態

9月7日に文化庁から発表された2006年度「国語に関する世論調査」。
8日の新聞各紙で報道されていたので、目にしたかたも多いのではないで
しょうか。

今回の調査では、慣用句などの誤用の実態調査も報じられていました。
私も誤って使っていた慣用句があり、軽くショックを受けました。
その慣用句とは…

「役不足」「流れに掉さす」「ぞっとしない」の三つです。

次の例文に使われている慣用句の意味、あなたはどちらだと思いますか?

1)「彼には役不足の仕事だ」
A)本人の力量に対して役目が重すぎること
B)本人の力量に対して役目が軽すぎること

2)「その発言は流れに棹さすものだ」
A)傾向に逆らって,勢いを失わせる行為をすること
B)傾向に乗って、勢いを増す行為をすること

3)「今の映画は、余りぞっとしないものだった」
A)面白くない
B)恐ろしくない

▼ 感覚で捉えず調べて意味を知る
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
正しい使い方は

1)役不足 = B)本人の力量に対して役目が軽すぎること
2)流れに棹さす = B)傾向に乗って、勢いを増す行為をすること
3)ぞっとしない = A)面白くない

上記の三つの慣用句の意味を、私は完全に取り違えていました。

謙遜したつもりで「今回のご依頼は、私には役不足です」と発言し、
「流れに掉さすようなことはしないほうがいいでしょう」と止めに入り
「ぞっとしない」にいたっては「ぞっとする」の反対語と思い込んでいま
した。あ~恥ずかしい!

今週は、このように意味を取り違えやすい慣用句について取り上げてみた
いと思います。

※参考 文化庁 平成18年度「国語に関する世論調査」の結果について

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今週は、メール作法の基本を諺に絡めてご紹介します。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法          < 諺に見るメール作法(5)
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                       中身より言い方が大切

「歌を作るのはメロディである」

これはフランスの諺で、「中身より言い方が大切」ということを指します。

書き方ひとつで印象が変わるのらば、ひと手間かける労を惜しまず、読
んだ相手が不快に思わないような表現を工夫したいもの。

例えば、書類の確認を相手にお願いする場合
「あとで見てもらえますか」とメールに書いても意味は通じますが
「後ほどご覧いただけますか」とすると丁寧で、社外の相手に送っても感
じの良いメールになります。

「確認しておいてください」でもいいのですが
「お手数ですが、ご確認をお願いします」
「ご確認いただけるとうれしいです」
とすると、相手への気遣いが感じられます。

文章を書いた後「これを読んだ人はどう思うだろうか?」と自分に投げか
けて読み返す習慣をつけることが、感じのいい文章を書く第一歩です。

▼ 書くことで書けるようになる
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
最後に、これは諺ではありませんが…

「失敗は、成功を味わい深くする調味料」

『ティファニーで朝食を』『冷血』で知られる作家、トルーマン・カポー
ティの言葉です。

メールを書くにあたり、私も何度となく失敗を重ね、恥をかき、後悔して
きました。メールは送信ボタンを送ったら最後、とり戻すことはできませ
ん。それこそ「覆水盆に返らず」「あとのまつり」です。

でも、失敗した数だけ文章も上達する、うまくなれると、気持ちを切り替
え、気をつける。この繰り返しで今に至っています。

「場数を踏む」つまり、経験した数だけ、こんなときはこういう書き方と
応用がきくようにもなります。文章に自信がないという人ほど、どんどん
書いて場数を踏んでほしいです。

文章上達は、才能ではなく訓練なのですから!

 
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今週は、メール作法の基本を諺に絡めてご紹介します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 諺に見るメール作法(4)
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終わりよければすべてよし

良いところを誉めて、悪いところを注意する。
悪いところを注意して、良いところを誉める。

部下や外注先とのメールのやりとり。あなたは上記のどちらのタイプです
か?

私は後者「悪いところを注意して、良いところを誉める」ようにしていま
す。なぜなら、自分が逆の立場だったとき、先に良いところを誉められ、
あとから悪いところを注意されるとがっかりするからです。

「なかなかいいじゃないですか」と言われ、内心「やった~!」と思って
いたら、「でも、こことここの表現がちょっとねぇ」と言われると
「なんだ、言いたいのはそこか…」と気づき、しょんぼり。ぬか喜びだっ
たことを悟ります。

こういう経験があるので、私からメールで指摘する場合は、最初から誉め
ず、ずばっと問題点を先に挙げます。その後、「でも、全体的にすごくよ
くまとまっています。特に○○の表現がうまいと思いました。さすがです
ね」と良い点を具体的に挙げて誉めるようにしています。

最初に問題点を指摘するときも、必要以上に相手を責めたり深入りせず、
率直かつあっさりと指摘し、改善の方法や考え方を合わせて書くように気
をつけています。

▼ あなたなら、どっち?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「でも」に続く言葉が、誉め言葉のほうが私は単純にうれしいと感じます。
けれど、その逆の人もいるかもしれません。

ですから、メールのやりとりでも、ある程度、相手の性格を把握して書き
方を考える必要があるでしょう。

いずれにせよ、「終わりよければすべてよし」で、最後に気持ちよく読み
終えることができる書き方と心遣いを忘れたくないですね。

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 仕 事 の メ ー ル 作 法          < 諺に見るメール作法(3)
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                      求められてもいないのに…

ドイツのことわざに
「求められてもいないのにアドバイスはするものではない」
というのがあります。

メールでも、問わず語りに自分の知識や見解を書きたててしまうことがあ
ります。書く方は気分が乗ってきて、あれもこれもと聞かれもしないこと
を書いてしまいますが、それを読むほうは結構ツライものがあります。

得意げに書いたことが、実は相手も知っていたり、自分以上に詳しいとい
うことも…。アドバイスや意見は、相手に求められてから伝えるほうが的
も絞れて、的確な回答ができます。

▼ 先回りがアダとなる
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
かくいう私も、サービス精神を発揮しすぎて幾度となく「求められてもい
ないアドバイス」をしてしまい、激しく後悔したこと数知れず…。

先んじてあれこれ書くより、
「○○についてはご存知ですか?」
「△△という事例もあります」
と、さわりだけ提示して相手の反応を見てから、詳細を述べても遅くはあ
りません。

「相手は知らないだろうから」ではなく、「相手は知っているかもしれな
い」というスタンスでメールのやりとりをするといいのではないでしょう
か。知識の押し売りにならないよう気をつけたいものです。

 
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