今週は、読者の方からいただいた質問に回答します。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(4)>
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                       「ご質問があります」

<読者からの質問>————————————————

最近ふと気になった敬語の使い方があり、お尋ねすることにしました。
まさに、この質問そのものの表現についてです。

基本的に、自分の行為を表すときは謙譲語で、
行為が相手に及ぶときは尊敬語と心得ていますが、
「質問」と「連絡」という名詞を扱う場合には、
何となく感覚で使い分けているような気がします。

例を挙げると、自分の方から相手に質問や連絡がある場合、
「ご連絡があります」とは言っても、
「ご質問があります」ではおかしいと思うのですが、

どちらも自分がする行為でありながら、
前者には違和感がなく、後者には違和感があるのは
どうしてなのだろうと、ふと疑問に思いました。

お時間のあるときに、神垣様の解説を聞かせていただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
(読者 M.Oさん)
——————————————————————

M.Oさんの質問にある通り
・自分の行為を表すときは謙譲語
・行為が相手に及ぶときは尊敬語
を使います。

ただし、
自分の動作でも、その行為が相手に及ぶ場合は
「お」「ご」を付けます。

例)連絡する → ご連絡(いた)します

このほかにも
・説明する → ご説明(いた)します
・報告する → ご報告(いた)します
・回答する → ご回答いたします

・礼を言う → お礼を申し上げます

なども同様です。

しかし、「質問する」は
自分の動作であり、その行為が相手に及ぶものですが
自分の疑問を明らかにするために相手に尋ねる、という
あくまで“自分のため”の行為です。

上記の「説明」「報告」「回答」が
“相手のため”の行為であることとの違いが
この点にあります。

したがって、
「質問する」に「ご」を付けて
「ご質問があります」
「ご質問いたします」
のように使うのは
敬語として適切ではないわけです。

前に「ご」を付けるより
「あります」の方を「ございます」と丁寧に表現すると
しっくりくるのではないでしょうか。

例)敬語について質問がございます

「ご質問があります」については
以前、下記のサイトでも述べているので
参考になさってください。

▼好印象で仕事上手! ビジネスパーソン メール術(8)
間違いやすい敬語-2:「ご質問があります」


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気を遣いすぎるあまり、
結果的におかしな言い回しになっていないか……
確認する際の参考に。

▼「たびたびお世話になっております」はNG。ありがちなメールの間違い

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今週は、読者の方からいただいた質問に回答します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法 < 読者からの質問(3)
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「ご返事」か「お返事」か

<読者からの質問>————————————————

「お」「ご」の使い分けについてですが
「返事」という言葉は、
通常は「お返事いただけますか」で
子供に言う言葉は「ご返事しなさい」とかの使い分けで
よいのでしょうか。
(読者 Hさん)
——————————————————————

一般に「お返事」を使うことが多いのですが
謙譲語の「お」と「ご」の使い分けの基準として、

・訓読みの和語の前には「お」
・音読みの漢語の前には「ご」

を付けます。

「返事」は音読みの漢語なので
本来は「ご返事」とするのが正しい使い方です。

ただ、「お返事」が一般化しており
実際には「ご返事」「お返事」が混在しているのが
現状です。

「ご返事」か「お返事」かについては
過去にメルマガでも取り上げたことがあるので
参考にしてください。

▼VOL.89 気になる言葉(2) 「ご返事」と「お返事」

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 月刊「ビジネスサミット」2015年11月号

 日本各地のユニークな企業を紹介する
 【元気のヒントここにあり!】のコーナーで

 東広島市安芸津町にある
 株式会社コーポレーションパールスター様の
 取材記事を神垣が担当しました。


 同社製造の「転倒予防くつ下」は
 介護予防だけでなく
 足のむくみを対策にもなるスグレモノ。

 「介護予防は美容と健康から」と題し
 同社の取り組みを紹介しています。
 
 月刊「ビジネスサミット」は定期購読誌ですが、
 興味のある方は  ぜひ、読んでみてくださいね。  

▼前回のフレスタ様の取材記事はこちらに掲載  
3分で読める「現場を変えた社長の一工夫」

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今週は、読者の方からいただいた質問に回答します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法            < 読者からの質問(2)
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                       「終わる」の謙譲表現?

<読者からの質問>————————————————

先日、久しぶりにかなり手こずった敬語についての質問です。

「終わる」の謙譲表現は、どのようになりますでしょうか。

私が先日手こずった「終わる」の文脈は、
会社が行っているある製品のサポート業務を、
当社側の都合により終了することになった、という、
現在そのサポートをご利用のお客様に向けた文書の中の一文です。

他の人の書いたものの添削を行ったのですが、
もとの文は、
「2015年12月31日をもって終了させていただきます」

お客様から「終了」の許可をいただいたわけでもなく、
お客さまにとっては「終了」はむしろ不都合なことなのに
「させていただく」はないよな、と書きなおそうと思って
ハタと困りました。

「終わる」「終了する」の謙譲語って何だ?

結局「2015年12月31日ををもって終了いたします」としたのですが、
これだと一方的な通告のニュアンスに思えてしまい、
(実際、一方的な通告なのですが…)
気持ちとしては、
「私どもの勝手な都合で申し訳ない」
というニュアンスを入れたくて、
謙譲表現を探したのですが、見つからず…

「終わる」「終了する」の敬語としての表現は、
やはり「終わります」「終了いたします」
しかありませんか?

その場合、どのように謙譲の気持ちを表現したらよいか、
アドバイスをいただければ幸いです。
(読者 M.Sさん)
——————————————————————

「終わる」「終了する」の敬語ですが
M.Sさんが書いておられる通り
「終了させていただきます」は
お客様から「終了」の許可をいただいて行うことではないので
適していません。

この場合は
「する」の謙譲語「いたします」を用い
終了いたします
とするのが最適と考えます。

しかし、これでは
謙譲の気持ちを表現しきれていないのではないか
という心配があれば

「私どもの勝手な都合で申し訳ない」
というニュアンスの言葉を
添えるとよいのではないでしょうか。

例えば

「誠に勝手ながら、2015年12月31日をもちまして
△△のサポートを終了いたします」

のように、「終了いたします」の前文に
「誠に勝手ながら」
「誠に不本意ではございますが」
といったひと言を添えると、文章が和らぎます。

あるいは

「2015年12月31日をもちまして
△△のサポートを終了いたします。
長きにわたり弊社のサービスをご利用いただき
心からお礼申し上げます」

のようにお客様への感謝の言葉を添えても
よいかもしれません。

謙譲語「終了いたします」以外の表現としては
終了する運びとなりました
も考えられますが、少し弱いというか
他人事っぽくなってしまう気がします。

終了する、という事実を伝えたうえで
フォローする一文を前後に添える方が
丁寧で気持ちも伝わるのではないかと考えますが
いかがでしょうか。

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今週は、読者の方からいただいた質問に回答します
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仕 事 の メ ー ル 作 法  < 読者からの質問
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「3か月」? 「3ヵ月」?

<読者からの質問>————————————————

最近、テレビのニュースでの字幕で「3か月」とか「虹が丘」などと
表示しているのを目にします。

従来の表記では、「3ヵ月」「虹ヶ丘」と記憶していたのですが、
最近、何らかの変更があったのでしょうか。

よろしければ、教えてください。よろしくお願いします。
(読者 K.Mさん)
——————————————————————

表記に変更があったかどうかは定かではないのですが
NHKの場合は「3か月」のように
平仮名の「か」に表記を統一しているようです。
(NHKことばのハンドブック第2版 参照)
http://amzn.to/1RnqzrZ

民放各局もそれぞれ
統一表記があると思うのですが
わたしには調べる術がありません。

ちなみに、新聞表記では
数字に付く場合はカタカナの「カ」に統一されていて
「ケ」「ヶ」は使わないようです。

どれが正しい表記かというより
放送や新聞などの各媒体で表記が統一されていれば
差し支えないとわたしは捉えています。

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今週は、話し言葉と書き言葉の違いについてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法 < 話し言葉と書き言葉(5)
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丁寧すぎる話し言葉

今週は、
「書き言葉」と「話し言葉」の違いについて
取り上げてきました。

話し言葉は、書き言葉より
ラフでくだけた印象がありますが

改まった席で使う話し言葉は
かしこまった丁寧な
もの言いになることもあります。

例えば
「続きまして」
「したがいまして」
といった接続詞

「皆さまにおかれましては」
「~と考えております」
「~の中にありまして」

といった大げさな言い回し
などです。

「~する」を丁寧に言うと
「~します」になりますが

書き言葉にそれを流用すると
文が冗長になるばかり。

下記のように
「ます」「まして」は取り
スッキリさせる方が
読みやすいです。

続きまして   → 続いて
したがいまして → したがって

皆さまにおかれましては → 皆さまは
~と考えております → ~と考えています
~の中にありまして → ~の中にあり、
~の中にあります。しかし、

言いやすい言葉や
耳に入ってきた言葉を
そのまま文字にするのではなく

一度、書き言葉として整え
読みやすい言葉に変換する作業が
必要ではないでしょうか。

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第2回は10月29日(木)開講!

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◆時 間/19:00~20:30(90分)

◆場 所/紅茶のお店「linden&chervil」プライベートルーム

◆受講料/単発受講 1回につき2,000円(テキスト代含む)

※別途、ドリンクセットのオーダーをお願いします
※欠席された場合の払い戻し、および振替授業はございません。

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今週は、話し言葉と書き言葉の違いについてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法       < 話し言葉と書き言葉(4)
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語尾だけの同意

今週は、
「書き言葉」と「話し言葉」の違いについてです。

気になる言葉として
これまでにも何度か取り上げてきた
「なので」。

「○○なので、△△です」
のように、前文を受けて後の文につなげるときに
使われていた言葉ですが

最近では
「だから」「したがって」
と同じように、
理由を述べるときに
文頭に持ってきて、使われています。

会話で使われていたものが
書き言葉にも流用され始めている言葉と言えるでしょう。

「ですね」「ですよね」
も、会話の合いの手のような感覚で
使われ始めています。

「確かにそうですね」と
相手に同意する気持ちを
略して、語尾の「ですね」「ですよね」で
だけで伝えようとしているわけです。

「そうです、そうです」の短縮形で
「ですです」
というのも聞いたことがあります。

いずれも
会話なら、その場のノリで察しはつきますが
書き言葉にするときは省略せずに

「ごもっともです」
「おっしゃるとおりです」
「確かにそうですね」

と、意思をきちんと言葉にして
伝えましょう。

「確かに」とか
「なるほどですね」も
話し言葉で合いの手のような感覚で
使ってしまいがちな要注意ワードです。

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今年3月に刊行された「 一目置かれる大和言葉の言いまわし」
に続く、大和言葉関連本の新刊をご紹介!

今回は、雑誌感覚で読めるムックです。

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日本古来の上品で優しさのある言葉遣いを
知ることができますよ。

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ぜひ、手に取ってみてください。

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