今週は、勘違いしやすい言葉の変化についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法                                                        < 勘違い言葉
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                       「味あわせてもらった」

 「潔い」を「いさぎがいい」
 「とんでもない」を「とんでもありません」
 のように、本来は一語で意味をなす言葉を
 分解・変化させて使っていることがあります。

 (参考)
 

 「味あわせる」もその一つです。

 元の動詞「味わう」を「味あう」と間違えることはなくても、
 変化形の「味わわせる」は「味あわせる」と間違いやすいです。

 動詞「味わう」のワ行五段活用は
 語幹「味わ」が
 味わワ(ない)・味わイ(ます)・味わウ・味わエ(ば)・味わオ(う)
 と変化します。

 「味わう」の未然形「味わわ」+使役の助動詞「せる」
 が付いて「味わわせる」となります。

 「味」+「合わせる」で「味あわせる」という語になるわけではなく、
 「味あわせる」という言葉はありません。

 × これまでにない充実感を味あわせてもらいました。

 ○ これまでにない充実感を味わわせてもらいました。

 今週はこのように
 本来の言葉を変化させて使っている間違いについて
 取りあげていきます。

 

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 【しごび】 の お す す め
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今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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仕 事 ‎の メ ー ル 作 法          < 気になる敬語(5)
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「おもてなしさせていただきます」

今週は「おや?」と気になる
敬語の使い方を取り上げてきました。

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心を込めて、お客様をおもてなしさせていただきます
—————————————————-

上記の一文で気になるのが
結びの「させていただきます」です。

気持ちとしては、
相手に「おもてなし」を「させてもらう」という気持ちから
「おもてなしさせていただく」という敬語になっているのかもしれません。

ここで用いられている
「させていただく」は、相手への行為をへりくだって伝えるときに使う
「させてもらう」の謙譲語です。

しかし、「させていただく」を適切に使うには
次の2つの条件を満たすことが必要です。

1)相手や第三者の許可を受けて行うことか?
2)そのことで何らかの恩恵を受けることになるか?

この場合、相手を「もてなす」という行為は
相手に許可を得て行うものではないので、
1)の条件は当てはまりません。

したがって、
「おもてなしさせていただく」ではなく
「する」の謙譲語「いたす」を使い、
「おもてなしいたします」
とするのが適切と考えます。

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心を込めて、お客様をおもてなしいたします
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とする方がすっきり収まるのではないでしょうか。

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今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法     < 気になる敬語(4)
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                        「されておられます」

 今週は「おや?」と気になる
 敬語の使い方を取り上げています。

 ———————————
 山田さんは本業の傍ら、
 高校のPTA会長をされておられます
 ———————————

 上記の一文で気になるのが
 後半の「されておられます」です。

 この文で伝えたいのは
 「山田さんが(本業のほかに)高校のPTA会長をしている」
 ということです。

 しかし、上記の文では、
 「している」に尊敬の「られる」を用いて「しておられる」としたうえに、
 「する」の尊敬語「される」を加え
 「されておられます」と
 2段階で尊敬語に変換してしまったものと思われます。

 この場合は、
 「する」の尊敬語「される」または「なさる」を使い
 「PTA会長をされています」
 「PTA会長をなさっています」
 とするか、

 「している」に尊敬の「られる」を用い
 「PTA会長をしておられる」
 とします。

 したがって冒頭の文例は
 ———————————
 山田さんは本業の傍ら、
 高校のPTA会長をなさっています
 ———————————
 とするのが
 敬語の文として収まりが良いのではないでしょうか。

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今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法     < 気になる敬語(3)
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                        「いただく」の多用

 今週は「おや?」と気になる
 敬語の使い方を取り上げています。

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 参加者の皆さまから非常にご関心いただいている新商品について、
 開発者を交え、議論していいただく場としていただきたい
 と考えています。
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 上記の一文で気になるのが
 たびたび使われている「いただく」です。
 一つの文に3回も用いられています。

 前文の「非常にご関心いただいている」は、言葉としておかしいので、
 「関心が高い」と書き換えます。

 後にくる「議論していいただく場としていただきたい」は、
 「もらう」の謙譲語として「いただく」が
 続けて使われ、くどいので
 「議論する場としていただきたい」と一つにまとめます。

 多用されていた「いただく」を整理して書き換えると…

 ————————————————————
 参加者の皆さまからの関心が高い新商品について、
 開発者を交え、議論する場にしていただきたいと考えています。
 ————————————————————

 敬語はたくさん使えば、丁寧さや敬意が増すわけではなく、
 適材適所に用いてこそ、効果的な文章となります。

 書いている最中は気がつかなくても、
 読み返して「変だな」と感じたら、
 余計な言葉を省き、書き直して、文章を整える習慣をつけましょう。
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今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法     < 気になる敬語(2)
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                        「ご持参してください」

 今週は「おや?」と気になる
 敬語の使い方を取り上げています。

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 必要書類をご持参してください
 ——————————

 上記の一文で気になるのが
 「ご持参してください」です。

 「持参」は、もともと「持って参る」という謙譲語で
 自分が相手に持って行くときにへりくだって使う言葉。

 ※参考 「ご持参ください」< 敬語レッスン(3)>VOL.2675
  
 この場合は
 相手に「持ってきてください」と伝えたいので、
 使うのは相手を主語とする尊敬語です。

 尊敬語「お(ご)~になる」を使い
 「お持ちになってください」。

 あるいは「~になる」を省いた尊敬語
 「お(ご)~ください」とした
 「お持ちください」
 とするのが適切です。

 したがって、冒頭の例文は次のように書きます。

 ———————————-
 必要書類をお持ちになってください
 ———————————-
 または
 ———————————-
 必要書類をお持ちください
 ———————————-

 「ご持参して」は
 「ご持参する」の活用形です。

  自分が「持って行く」場合は、
  謙譲語「お(ご)~する」を用い
 「私が資料をお持ちします」
 とし、すでに謙譲の意を持つ「持参」は使わないほうがよいでしょう。

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 仕 事 の メ ー ル 作 法                 < 気になる敬語 >
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                     「店主からのお気持ちとして」

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 寒い中、ご来店いただくお客様へ
 店主からのお気持ちとして、温かい飲み物をご用意しました。
 ———————————————————

 上記の一文で気になる敬語の使い方は
 「店主からのお気持ちとして」の「お」です。

 まず、この文章の主語を考えてみましょう。

 上記の文例は
 店主から、来店する客に対しての文なので、
 主語は「店主」です。

 したがって
 来店する客に対して
 「来店する」の尊敬語「ご来店いただく」を使い
 「ご来店いただくお客様」としています。

 来店客に対して
 店側のサービスとして
 温かい飲み物を「用意する」ので、
 ここでも尊敬語「ご用意しております」を使います。

 しかし、
 来店客に寒い思いをさせないよう
 温かい飲み物をふるまうサービスをするのは
 この文の主語である店主です。

 主語である「店主」の気持ちに
 丁寧語の「お」を付け、
 「店主からのお気持ちとして」
 とするのは適切ではありません。

 客に対して丁寧な言葉を使おうとして
 自分の動作に丁寧語の「お」を付けてしまったのが
 冒頭の例文です。

 したがって、適切な文は下記のようになります。

 ———————————————————
 寒い中、ご来店いただくお客様へ
 店主からの気持ちとして、温かい飲み物をご用意しました。
 ———————————————————

 これが、
 店主が主語で、客の気持ちに丁寧語の「お」を付ける場合は
 問題ありません。

  例)お客様からのお気持ちがうれしくてたまりませんでした。

 誰が主語で、誰に対して敬意を示すのかを
 明らかにして敬語を使うようにすれば
 上記のような間違いを防ぐことができます。

 今週はこのように「おや?」と思う
 気になる敬語を取り上げていきます。

 

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