今週は、読者の方からの質問に回答します。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法 < 読者からの質問(4)
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                      「拝受」だけでいいの?

 <読者からの質問>————————————————

  最近、気になるメールを受信したので、
  質問したくご連絡しました。

  自社の人と、
  他社(グループ会社なので多少仲良し感有り)の方が
  やりとりするメールに私もCCに加えられていたので傍観していました。

  他社の方がファイル添付をしてきたメールに対し、
  「拝受」という言葉で返信していました。

  「拝受」という言葉を使うこと自体は悪くないと思いますが、
  「拝受しました」ではなく、
  ただ「拝受」としていたことが気になりました。

  文面としては、以下のとおりです。
  ++++++++++++++++++
  添付資料 拝受。
  ありがとうございました。
  ++++++++++++++++++

  “拝”を付けることで、この言葉を用いること自体、
  自分をへりくだっていることは理解できるものの、
  使い方だけ見ると上から目線の感じを受けてしまいます。

  同じく“拝”が付く言葉でも、
  「拝見しました」は「拝見」で止めて使わないですよね。
  そう考えると違和感を覚えました。
                          (読者 N.Hさん)
 ——————————————————————

 「拝受」は、受け取ることをへりくだっていう言葉です。

 「拝」に相手にへりくだる意味が込められていますが、
 それだけで完結するわけではなく
 「拝受しました」と文にすることではじめて
 相手を敬う気持ちも含めて、伝わるのではないでしょうか。

 「拝受」だけでは、
 上から目線、あるいは手抜きと思われる可能性もあるので、
 「拝受しました」と文にするのが適切と考えます。

 推測ですが、「拝受」と返信した方は、
 「賀正」とか「謹賀新年」のように
 その言葉だけで新年のあいさつになる賀詞のような感覚で
 「拝受」だけで済ませているのかもしれないし、

 単純に、入力の手間を省くのに
 都合のよい言葉と捉えているのかもしれません。

 でも、ビジネスメールでは、
 「拝受しました」ときちんと文にする方が好ましいと思います。

 ※関連するバックナンバーはこちら
 「受け取りました」< 好感度アップの表現法(2)>VOL.1700

 「拝見させていただく」<ヘンな敬語 >VOL.1821

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今週は、読者の方からの質問に回答します。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法 < 読者からの質問
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                          ~というかたち

 「時間のほう」< 敬語の勘違い(4)>VOL.2755
 に対するメールです。

 <読者からの質問>————————————————

  気になるフレーズがあったので、メールします。

  社外のセミナーを受けた際、
  プレゼンターの方々が皆
  「~というカタチを取らせていただきます」と
  連発されるので笑えてきました。

  「~のほう」と同じく、回りくどい印象を受けました。
                          (読者 N.Iさん)
 ——————————————————————

 「資料のほう、お送りしました」
 「製品のほうですが、すぐに送付いたします」

 このように「~のほう」を
 断定を避けるためにむやみに使うのは
 文章を回りくどくするので注意

 と VOL.2755の配信で述べたことに対して
 いただいたのが上記のメールです。

 「~というかたち」も
 なくても意味の通用する言葉ですが、
 話し言葉や書き言葉でも
 合いの手のように頻繁に使ってしまう
 言い回しかもしれません。

 「送料はお客様にご負担いただくかたちになります」
 「お一人様1個というかたちで販売しております」
 のような使い方をしているのを目にしたり、耳にしたりしますが

 「送料はお客様にご負担いただいております」

 「お一人様につき1個の販売です」あるいは
 「お一人様1個にて販売しております」

 このように
 「~というかたち」という言い回しを取り払っても
 文意は通じ、文もスッキリします。

 「~のほう」「~というかたち」といった言い回しは
 言う側、書く側は丁寧な表現のつもりで使っていても

 聞く側、読む側は「まわりくどい」と感じることがあるので
 無意識に繰り返し使うことがないよう注意が必要です。

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記事全文を読む
今週は、あれ?と思う敬語の使い方を取り上げます。
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仕 事 ‎の メ ー ル 作 法           < 気になる敬語(4)
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年末のあいさつとさせていただきます

今週は、こうしたらもっとしっくりくるのでは?
という敬語の使い方について取りあげてきました。

————————————————
健やかに新年をお迎えになられますよう
お祈り申し上げるとともに、
これをもって年末のあいさつとさせていただきます。
————————————————

前回に続き、これも年末のあいさつメールです。

1行目の「お迎えになられます」と
3行目の「あいさつとさせていただきます」の
敬語の使い方が気になります。

「迎える」の尊敬語は
「お迎えになる」。

「お迎えになられます」には、
「お迎えになる」に尊敬の「られる」が付け足されています。

「挨拶とさせていただきます」の言い回しですが
年末のあいさつは、自分から相手に
感謝の意を伝えるために行うもので
相手の許可や了承を得て行うものではありません。

したがって
「~させていただきます」ではなく
「する」の謙譲語「いたします」とします。

しかし、上記の文例ではそこまで書かなくても
あいさつと分かるので
次のようにまとめました。

———————————-
健やかに新年をお迎えになりますよう
心よりお祈り申し上げます。
———————————-

3行目の「これをもって年末のあいさつとさせていただきます」を取り
「心よりお祈り申し上げます」で結び、
簡潔な一文としました。

敬語で飾り立てた文章はぎょうぎょうしくなるばかりで、
本来伝えたい感謝の気持ちが今ひとつ伝わりません。

敬語を的確に使った簡潔な文で
印象付けることを心がけましょう。

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今週は、あれ?と思う敬語の使い方を取り上げます。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法 < 気になる敬語(3)
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                          「ご愛顧を賜り」

 今週は、こうしたらもっとしっくりくるのでは? 
 という敬語の使い方について取りあげています。

 ————————————————-
 本年は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。

 来年も変わらずサービス向上につとめて参りますので、
 変わらぬご愛顧を賜りますようお願いいたしまして、
 簡単ですが年末のご挨拶とさせて頂きます。
 ————————————————-

 年末のあいさつメールですが、
 2行目が要素を詰め込み過ぎていて長くなっています。

 最後の「簡単ですが年末のご挨拶とさせて頂きます」を省き、
 その上の行を整理してみましょう。

 1行目の「変わらずサービス向上に」と
 次の行の「変わらぬご愛顧を」は、
 「変わらず」「変わらぬ」が続くので、
 1行目を「一層」に。

 「つとめて参ります」の表記は
 「まいる」が補助動詞なので平仮名表記にして、
 「努めてまいります」に変更します。

 「ご愛顧を賜り」も文の最初の行にあり、
 次の「ご愛顧を賜りますよう」と重なるので、
 言いまわしを変えて「お付き合いを」とします。

 したがって、書き換えると…

 ————————————————-
 本年は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。

 来年も一層サービスの向上に努めてまいりますので、
 変わらぬお付き合いをお願いいたします。
 ————————————————-

 最後の行の「お付き合い」は
 「お引き立て」としてもよいでしょう。

 同じ敬語の言い回しを繰り返し使っていることがあるので、
 書いた後は読み返して、重複がないか整理すると
 行数も減り、スッキリします。

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                「詳しいお話をお聞きになられたい方」

今週は、こうしたらもっとしっくりくるのでは?
という敬語の使い方について取りあげています。

————————————————-
求人について、詳しいお話をお聞きになられたい方は、
こちらのアドレスへご連絡ください。
————————————————-

上記は、ある店舗のスタッフ募集に関する案内メールです。

尊敬語が相手ではなく店側に使われていたり、
敬語が重ねて使われていたりして、まとまりがありません。
整理してみましょう。

求人についての話をするのは店舗側なので
「詳しいお話」の「お」は不要です。

「お聞きになられたい方」も
「聞く」の尊敬語は「お聞きになる」なので、
「お聞きになりたい方」とするのが適切です。

したがって、下記のように書き換えることができます。
————————————————-
求人について、詳しい話をお聞きになりたい方は、
こちらのアドレスへご連絡ください。
————————————————-

さらに整えて、文意を分かりやすくると……

—————————————————————
求人についてのお問い合わせは、こちらのアドレスへご連絡ください。
改めて詳細をお知らせいたします。
—————————————————————

一度、正しい敬語に書きかえてから
結論を先に書く文章に書き直しました。

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まぐまぐニュースに過去のメルマガ記事が紹介されました。

年末年始のあいさつをテーマに、
気をつけたいポイントを挙げています。

▼「新年あけましておめでとうございます」このメール何が間違い?

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                          「時間のほう」
 ------------------------------------
 時間のほうはいかがいたしましょうか。
 ------------------------------------

 このように使われることの多い「~のほう」。

 本来は、2つ以上の選択肢がある中で、
 どれかを選ぶときに用いる言葉です。

  例)午前と午後なら、午後のほうが都合がよい。

 このように区別をするためではなく、
 断定を避け、曖昧にぼやかすために用いられていることがあります。

 しかし、下記の文のように
 「~のほう」がなくても文意は通じます。

 ------------------------------------
 時間はいかがいたしましょうか。
 ------------------------------------

 「~のほう」を付けると丁寧な言い回しになるわけではなく、
 むしろ、まわりくどい印象を与えることにもなります

 × 私のほうから説明させていただきます。
 ↓
 ○ 私説明させていただきます。 

 「電車とかでもよいと思います」の「とか」、
 「そのあたりはいかがですか」の「あたり」も同様で

 表現をぼやかしてしまうと
 真剣さや真意が伝わらず
 あいまいな文章になりがちです。

 きちんと意向を伝えるためにも
 余計な言葉を省いて

 「電車がよいと思います」、
 「○○についてはいかがですか」

 とすることをお薦めします。

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 まぐまぐニュースに先週のメルマガ記事が
 紹介されています。

 頼み事やお願いをするときに
 用いるとよい言い回しについてとりあげています。

 ▼「急なお願いごと」をするとき、どんなメール文を書けばいい?

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