今週は、 重複した言い回しについて取り上げます。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法       < 重ね言葉の言い換え
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                     「まず報告することが先決

 「製造メーカー」
 「違和感を感じる」
 「お体にご自愛ください」

 といった意味が重なっている言葉。

 気づかずに使っていることも
 多くあります。

 例えば、
 「まず最初に」は
 「まず」と最初の「最」の意味が重複するため

 「まず初めに」または「最初に」と
 書き換える方がしっくりきます。

 同様に
 「まず報告することが先決です」
 という一文も

 「まず」は漢字で「先ず」と書くように
 先決の「先」と意味が重なるため、

 「まず報告することです」
 「報告することが先決です」
 とします。

 今週はこうした
 意味が重なっている言葉の書き換えを紹介していきます。

 冒頭の重ね言葉について取り上げたバックナンバーはこちら。

 ▼カタカナ重言< 重言注意!(3)>VOL.2307

 ▼「お体にご自愛」< 重ね言葉に注意! >VOL.2436

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今週は、注意したい敬語の使い方についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法      < 気になる敬語(4)
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                「聞いてあげてください」の言い換え

 敬語の使い方で気になることについて
 読者の方からいただいた質問を紹介します。

 <読者からの質問>————————————————–

  普段やり取りしているメール文章で気になっていることがあるので、
  適切な言い方をご教授いただければと思います。

  それは、
  『メール相手に第三者への働きかけを促す言い回し』です。

  例えば、
  機器が壊れたお客様宅へ修理に行ってもらう業者へ
  訪問依頼の連絡を入れるとします。

  この時に
  “修理内容以外にも気になる箇所があるから、
   ついでに相談に乗ってもらえないか”という
  お客様からの申し出も併せて伝えたいのですが、

  「~聞いてあげてください。」「~してあげていただけますか?」
  だと、なんとなく慇懃な上から目線な印象を
  受けてしまう気がするのです。

  お客様にも依頼先の業者のかたへも敬意を表せればと思うのですが。
  失礼にならない依頼の仕方を教えていただけませんか?
                          (読者 S.Tさん)
 ——————————————————————

 S.Tさん、分かります、その感じ。
 「~してあげる」という言い回しを使うことに抵抗を感じるのだと
 思います。

 S.Tさんが修理業者の方に伝えたいのは
 「聞いてもらえますか」
 「聞いてあげてくれますか」
 ということですが、

 ここで立てる相手は
 お客様のAさんです。

 この場合
 修理業者の方は
 S.Tさんの会社の修理担当として
 お客様を訪問するわけですから、

 修理業者の方にとって訪問先のAさんは
 「お客様」であることに変わりありません。

 S.Tさんにとって修理業者の方は ソトの人
 ですが
 S.Tさんと修理業者の方にとってAさんは ソトの人

 ということです。
 したがって、次のように伝えてみてはいかがでしょうか。

 ———————————————–
 ○日のA様の訪問修理ですが
 A様から今回の○○の修理以外に気になる箇所がある
 とのご連絡をいただきました。

 ○○の修理の際、併せて
 A様のご要望をお尋ねいただけますか?
 ———————————————–

 「聞いてもらう」を「尋ねる」という言葉に
 置き換えました。

 Aさんに「尋ねる」のは、修理業者の方なので、
 謙譲語の「お~いただく」を用い、
 「お尋ねいただく」
 とします。

 「お尋ねください」だと、
 メールでは命令調になるので

 「お尋ねいただけますか」
 と問いかける表現にすることで
 印象が和らぎます。

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今週は、注意したい敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法      < 気になる敬語(3)
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「抜粋させていただきます」

————————————
○○○についてお調べしたところ、
資料に詳しい説明がありましたので、
下記に抜粋させていただきます。
————————————

上記の文は
不明な事柄について調べがついたので、
説明部分を抜粋してメールで送ります
という内容です。

「調べた」を「お調べした」
「抜粋します」を「抜粋させていただきます」
とそれぞれ謙譲語が使われています。

一文に2カ所敬語が使われているとくどいので、
この場合、最初の「お調べした」は
「調べた」とする方がスッキリします。

「抜粋させていただきます」は
説明部分を「抜粋する」という行為より、
抜粋して「送る」という行為に謙譲語を用いる方が
自然と考えます。

それに、説明部分を抜粋すること自体は
自分で判断して行うことであり、
相手に許可や了承を得る必要はないので
「~させていただきます」を使う必要もありません。

したがって、下記のように書き換えてみました。

————————————
○○○について調べたところ、
資料に詳しい説明がありました。
下記に抜粋して、お送りいたします
————————————

真ん中の文は「ありましたので」とつなげてもいいのですが、
一度文を切った方がさらにスッキリするので、
2つの文に分けました。

このように不要な敬語を使わなくても、
文を整えるだけで、
意味の通る分かりやすい文章になります。

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今週は、注意したい敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法              < 気になる敬語(2)
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                      「聞く」の敬語の使い分け

——————————
編集会議の日程変更について
お伺いになったでしょうか。
——————————

上記の文は
上司に会議の日程が変更になったことを聞きましたか、
と尋ねる一文です。

「伺う」は「聞く」の謙譲語。
「聞きましたか」と目上の相手に尋ねる場合は
主語は相手で、
尊敬語を使うので「お聞きになりましたか」
とするのが適切です。

——————————
編集会議の日程変更について
お聞きになりましたか
——————————

過去形の謙譲語「お伺いになった」を
そのまま過去形の尊敬語「お聞きになった」に書き換えるよりも
「お聞きになりましたか」
とする方がすっきりします。

では、自分が
会議の日程変更について
客先から聞いている
という場合は、どのような書き方になるでしょうか。

——————————
編集会議の日程変更の件
伺っております
——————————

日程の変更について聞いている
ことを伝えるときは
主語は自分なので、
「聞く」の謙譲語「伺う」を用います。

整理すると
・相手の行為に使うのが「尊敬語」
主語は相手
「聞く」→「お聞きになる」

・自分の行為をへりくだって相手を立てるときに使うのが「謙譲語」
主語は自分
「聞く」→「伺う」「お聞きする」

客先や上司など、目上の相手から
「聞きました」「聞いています」という場合は
謙譲語「承る」
を使ってもよいでしょう。

——————————
編集会議の日程変更の件、
承っています
——————————

では、最後に
上司の佐藤部長から、日程変更の件を聞いていると
客先に伝えるときは
どのような書き方になるでしょうか

——————————
編集会議の日程変更の件、
佐藤から聞いております
——————————

この場合、立てるのは客先で
上司の佐藤部長ではありません。

したがって
「佐藤から聞いた」とし
「佐藤部長から伺いました」では
客先に対して、社内の上司を立てることになるので
NGです。

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あ と が き
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今朝の日経の29面
「さあ準備 会社デビュー 言葉遣い磨き印象アップ」
という記事に、顔写真付きで掲載されております。

社会人らしい言葉遣いをする上で
知っておくと便利な言い回しや
表現について話をしています。

日経新聞を購読していない、という方も
今日はぜひ、手にとってみてくださいね。

一つだけ記事の補足をしますと、
メールで具体的に表現する際のポイントは
数値を意識して使うことです。

「今日のイベントはすごかったです」

「100ブースほど出展していて、
来場者数も今日だけで2000人だったそうです」

といった具合です。

今回の取材は
入社2年目という若い女性記者から連絡があったのですが、
拙著を読んだことがあり、
この度、声をかけてくださったとのこと。

こういう展開が何よりうれしいです。

これまで、6冊
ビジネスメールの書き方をテーマにした書籍を出版していますが
いずれも、新社会人や入社間もない方たちを主な対象としています。

これから会社デビューする方たちの
お役にたつ内容だと思うので
機会あれば、ご一読ください。

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今週は、注意したい敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法      < 気になる敬語
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拝見させていただき

—————————————–
5年間、アシスタントとして
プロの貴重なお仕事を拝見させていただき
勉強させていただきました
—————————————–

上記の文は
ある写真家のもとで5年間
アシスタントをしてきた人が
職場を離れるにあたり、送ったメールの一文です。

写真家に対する敬意が表れた文章ですが
敬語を使い過ぎていて
空回りしている印象があります。

気になるのが「拝見させていただき」の箇所です。

この場合、伝えたいのは
プロの写真家の仕事ぶりを間近に見させてもらった
ことへの感謝の気持ち。

そこで
「見せていただき」をより丁寧に書こうとして
「拝見させていただき」となったものと想像します。

「拝見する」は「見る」の謙譲語で、
それだけで「見せていただく」という意味になるため
後の「させていただき」は不要です。

余分な敬語を取り除いて、スッキリさせてみましょう。

—————————————–
5年間、アシスタントとして
プロの仕事ぶりを間近で目にすることができ
大変勉強になりました
—————————————–

「プロの仕事ぶりを間近で拝見でき」
としてもよいのですが
「間近で目にすることができ」と
敢えて敬語を使わず、事実だけを述べるあっさりした表現に
書き換えました。

プロの下でアシスタントを5年経験し、
勉強したのは自分自身で、
相手に強制されたり、許可を得ながらしてきたことではないので、
「勉強させていただく」ではなく
「勉強になりました」とする方が適切です。

このように今週は
気になる敬語の使い方をピックアップして
解説していきたいと思います。

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「まぐまぐ大賞 2016」キャリアアップ部門で
2位に入賞しました!

2015年に編集協力した単行本「一目置かれる大和言葉の言いまわし」が文庫化

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今週は、「ウチ」側・「ソト」側への敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法       < 敬語の使い分け(5)
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 立てる相手に使えない言葉?

「分かりました」という意味で使う
「了解しました」。

これまでに何度か取り上げてきましたが
「了解」は本来
目上の人から目下の人に対して
了承の意を伝えるときの言葉です。

したがって
社内の人を「ウチ」の人
社外の人を「ソト」の人
とすると

「ソト」の人に対して
「企画案の件、了解しました」
のように使うのはNGです。

「了解」の代わりに
「確かに承りました」「承知しました」
と返す方が好ましいです。

「ウチ」の人同士の場合も
上司に対して「了解です」「了解しました」は
控えましょう。

「企画案の件、すぐに対応します」
「それでは早速、企画案をまとめます」

のように、
上司の連絡や指示を理解したうえで
次にどのようなアクションをとるか
伝えるとよいのではないでしょうか。

「了解」はほかに
「了解を得る」「了解を求める」
という使い方もします。

「ウチ」の人(=上司)に
「ソト」の人(=客先)からOKをもらっています
と伝える場合は

「企画については先方の了解を得ています」
「先方に事前に了解を求めることにします」

「ソト」の人(=客先)に
「ウチ」の人(=上司)のOKをもらっています
と伝える場合は

「上司の了解を得ております」
「上司に了解を求めたのですが」

目上の人から理解し、認めてもらう場合には
上記のような使い方があります。

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【しごび】 の お 知 ら せ
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読みは同じでも字と意味が異なり、間違いやすい言葉を取り上げた
メルマガの過去の記事が
「まぐまぐニュース」で紹介されました。

 ▼【メール作法】意外と知らない? 「科する」と「課する」の使い分け

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