今週は、読者の方からの質問に回答します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法      < 読者からの質問(2)>
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「お墨付き」と「折り紙付き」

<読者からの質問>—————————————————

「お墨付き」と「折り紙付き」は、どう違うのでしょうか?
(読者 R.Sさん)
———————————————————————

「お墨付き」とは、権威や地位のある人からもらった保証。
かつて、幕府や大名が家来に与えた証明書、墨で花押(かおう)という図案
のような署名を押した文書に由来します。

対して「折り紙付き」とは、絶対に間違いないと信頼するに足る、保証付き
という意味。
書画や骨董に付ける鑑定書として、奉書や鳥の子紙などを折って用いたこと
から転じた言葉です。

権威や力を持つ人が「これで良い」と認める時に用いるのが「お墨付き」。
例)書の先生からお墨付きをいただいた作品です。

その人物やその人の持つ能力が十分に信用できる場合に用いるのが「折り紙
付き」です。
例)佐藤さんの書の腕前は折り紙付きだ。

誰が認めたかに重点を置くのが「お墨付き」で、その人や物が優れているこ
とを指すのが「折り紙付き」という違いがあります。

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今週は、読者の方からの質問に回答します。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法            < 読者からの質問(2)>
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                         「早々に」は失礼?

<読者からの質問>————————————————

最近疑問に思うことがございまして、メールいたしました。
「早々」という言葉です。

仕事で発注した案件で、納期より早く納品いただいたときに
お礼のメールをお送りしたいのですが、

「早めに送ってくださってありがとうございます」
という文章をどういうふうに丁寧な文章に直せばよいのか、
困っています。

以前使ってしまっていたのが「早々」という言葉。
でも目上の方には失礼にあたるということを知って、
困ってしまいました。

ネットの言葉のサイトでは
「迅速」ということばが妥当とありましたが、
私にはあまり丁寧と思えず……。
(読者 Y.Tさん)
——————————————————————

「早々にお送りいただき、ありがとうございます」
として差し支えないと考えます。

問い合わせに対する返信メールが「すぐ」というときは
「早速ご返信いただき、ありがとうございます」
と書いたりもしますが

この場合は、製品の納品なので
「早速」より「早々に」の方がしっくりくると思います。

「早々に」を目上の相手に使うのは失礼にあたる
というのは、

年賀状を出しそびれていた相手に
遅れて年賀状を送る場合に
目上の相手に「早々に年賀状をいただき」とするのは
不適切ということではないでしょうか。

※参考

この場合は
あくまで仕事のやりとりなので、
「早々に」を使うのは差し支えないと思います。

そのほかに「速やかに」という言葉もあります。

関連する記事がバックナンバーにあったので
参考にしてください。

 
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今週は、よく使う言葉の改まった言い方についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < 改まった言い方(3)>
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                          程度を表すとき

今週は、くだけた普段着の表現を
改まった書き言葉に変換する例を紹介しています。

程度を尋ねるときに使う
「どのくらい」「どれくらい」。

言い換える場合は
分量や値段を尋ねるときに使う大和言葉として
「いかほど」
を使います。

「どのくらいの量になりますか?」
と分量を尋ねる場合は
「いかほどになりますか?」
「いかほどでしょうか?」。

「いくらですか?」
と値段を聞くときも
「いかほどですか?」
「いかほどでしょうか?」
とすると上品です。

「いかほど」には、どんなんに、どれほど
と程度が多いこと、はなはだしいという意味もあります。

「どんなにうれしかったことか」
「どれほど悲しんだことでしょう」」
と喜怒哀楽の程度を示すとき、

「喜び(悲しみ)はいかほどのものでしょう」
のように使います。
書き言葉に使うと、丁寧さが際立つ言い回しです。

同様に程度を示す言葉には
「いかばかり」
もあります。

「その場に居合わせた人の落胆は、いかばかりかとお察しします」
のように使います。

「どんだけ~」という流行り言葉がありましたが、
書き言葉では
「いかほど」「いかばかりか」を使いこなせると
いいですね。

バックナンバーで
程度を表す丁寧語として「いかほど」を取り上げています。
参考にしてください。

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今週は、相手との関係を壊さない言い回し、断り編です。
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仕 事 の メ ー ル 作 法          < 角の立たない言い回し(5)
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                        即答を避けるには?

今週は、相手との関係を壊すことなく
角を立てずに断る際の言い回しを紹介してきました。

「断りたい」と思っても
即答してしまうのはまずい、という状況のときは
「考えさせていただけますか」
と一度、その場を引く
という方法もあります。

例)すぐには決めかねますので、少し考えさせていただけますか。

断りを入れる場合のほかに
即答できない、あるいは
即答を避けたいときにも用いることができる
言い回しでもあります。

個人ではなく、会社として返答する場合は

「即答できかねますので、社内で検討のうえ
ご返事いたします」

のように書きます。

しかし、「考える時間」を要求し、一旦持ち帰った以上、
うやむやにせず
「考えた結果」を相手にきちんと返す必要があります。

そのときこそ、下記のように丁重に
断りを入れます。

例)よく考えましたが、私では余りにも力不足で
対応いたしかねます。

社内で検討したところ、当方の生産体制が十分でなく
ご希望に添えかねるという結論に至りました。
誠に不本意ではありますが、お断りいたします。

上記は
断る前に、考える時間を持つことで
ワンクッションおく、という持っていき方ですが

個人的には
依頼や勧誘した相手から
「考えさせていただけますか」
と返答があった時点で、
相手の返答はあったも同然で、断りたいのだなと
思っています。

逆に、謙遜やポーズで
「考えさせていただけますか」と返答するのは
相手に期待させることにもなるので
むしろ、依頼や加入があった時点で断る方が得策と考えます。

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今週は、相手との関係を壊さない言い回し、断り編です。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法 < 角の立たない言い回し(4)
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                          気持ちに訴える

 今週は、相手との関係を壊すことなく
 角を立てずに断る際の言い回しを紹介しています。

 協力や対応をしたいが、
 事情や都合で、それができない。
 そんなときは
 「残念です」
 と気持ちを伝える言い回しを使います。

  例)残念ですが、今回は体調を優先し、欠席いたします。

    十分な設備がなく、お役にたてず残念です。

 こちらが迷惑、困惑していることに
 気付かずにいる相手に断りを入れるときは
 「困ります」
 と心情をはっきりと伝えることをお勧めします。

  例)このような直前の変更は困ります。

    当社としても責任を負いかね、困っています。

 こちらの対応が相手に対して
 「迷惑をかける」
 ことになる、という恐れや心配を伝え
 断る方法もあります。

  例)結果的にご迷惑をかけることになるので
    今回は見送らせてください。

    安請け合いしてご迷惑をかけることになってはいけませんので、
    ご容赦ください。
  
 このように心情を伝える言い回しを用いることで
 相手への伝わり方にアクセントがつきます。

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今週は、敬語に対する考え方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法              < 敬語の問題(3)
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                          観点、立場の違い

接客時の言葉遣いとして
「しますか」と「しましょうか」の
どちらが適切か、について2回にわたっては取り上げてきました。

▼「しますか」と「しましょうか」< 敬語の問題 >VOL.2814

▼「しましょうか」が適切な理由< 敬語の問題(2)>VOL.2815

私の考えは VOL.2815 に述べたのですが、
以前、接客業をしていたという読者の方から
次の意見をいただいたので、紹介します。

<読者からの意見>————————————————

基本的に質問者の方に同意ですが、
1点難しいところだな、と思うところがあります。

それは
その行為を販売員のものとするか
お客様のものとするか、で言い回しが変わるということです。

こればかりは、働く場所や人の考え方によると思います。

販売員の行為とする場合

1)(熨斗紙を)お掛けしますか?
→(熨斗紙を)お掛けいたしましょうか?

2)(熨斗紙に名前を入れるのは)いかがいたしますか?
→ いかがいたしましょうか?

3)(予備の手提げ袋を)ご用意しますか?
→ ご用意いたしましょうか?

販売員の行為はお客様に代わってしている、という観点の場合
これは、贈答品というシチュエーションなので、
お客様が先方に対してどうしたいか、という視点となります。

1)(熨斗紙を)お掛けになりますか?

2)(熨斗紙に名前を入れるのは)いかがなさいますか?

3)(予備の手提げ袋を)ご入り用でしょうか?

私は後者の接客を是としていました。
(読者 H.Mさん)
——————————————————————

上記の2通りの対応は、
いずれも相手に問いかける言い回しですが、
お客様に対してお店の人がどういう立場で対応するかで
言葉遣いが変わることを示していて
私自身も勉強になりました。

一方で、
「しますか」でも「しましょうか」でも
どちらでもいいのでは?
という意見もありました。

客として接客を受ける立場なら
そこまで気にしない、
という受けとめ方も当然あると思います。

ただ、店側の接客を改善・指導する立場であれば
「どちらでもいい」ではなく
「なぜ、この対応の方が適切か」を

販売員に説明し、
販売員全員が理解してお客様に接するよう
指導し、徹底させる必要があります
(販売員の対応がお店のイメージを左右するため)。

今回の質問
お店を指導する立場の方からだったので
私もその点を踏まえて回答しました。

立場によって、言葉の受けとめ方も対応も異なります。

【仕事のメール心得帖】では、
メールをはじめとするビジネス対応での「適切な書き方」を考え、
伝えていきたいと思っています。

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