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   仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法          < 読者からの質問(2)
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                   「ご無理申しあげます」の「ご」

<読者の質問>—————————————————-

「ご無理申しあげますが」はビジネスのやりとりでよくよく耳にする
言葉です。

が、無理を言っているのは自分なので、
この場合は、「ご」をつけずに「無理を申しあげますが」のほうが
適切ではないかと思っているのですが、いかがでしょうか?

逆に、相手が無理を言う場面なら「ご無理をおっしゃらないでください」
など。

常々「ご」の必要性について迷っていましたので、正しい使い方を
ご存じでしたら是非教えていただけないでしょうか。

読者 はて? さん
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「ご」の使い方についてですが、
「ご無理申しあげますが」の場合、自分が相手に対して「無理を言う、無
理をさせる」状況を指します。

このように自分の行為が向かう先の相手にかかる場合、無理を言う相手を
たてる(敬う)ために尊敬の「ご」を使います。

「ご相談があります」も同様です。
相談は自分からするものですが、それを受ける相手がいて成り立つもので
す。ですから、相談という行為が向かう先の相手を立てて「ご相談」とし
ているわけです。

一方、「勝手を申しあげます」は「勝手を言う」のはあくまで自分であり、
相手を立てるものではないので「勝手」の前に「ご」は付きません。

相手が無理を言ってくる場合は、「無理を言う」相手の行為をたてるため
に尊敬の「ご」を付け、
「ご無理をおっしゃらないでください」とします。

「ご質問をいただき、ありがとうございます」
「ご相談の内容についてですが…」
なども同様に、相手からの「質問」「相談」という行為に対して敬意を表
すために「ご」を付けます。

敬語の「ご」の使い方については、
『さらりと返せる、大人のメール表現334』
Q74「ご質問」「ご依頼」は正しい?
でも詳しく取り上げています。
よろしかったら、ご覧になってみてください。

<追記>
 考え方として
「無理」と「言う」を切り離して捉えると
「無理を申しあげます」として問題ないと思います。

「ご無理申しあげます」は
「無理なことを言って申し訳ありません」という意味合いで
 ひとまとまりの言葉として捉えるとよいのではないでしょうか。

 
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