今日は、「国語に関する世論調査」について取り上げます。
◆────────────────────────────◆
 秋 の 特 別 編    < 2020年度の調査結果(4) >
◆────────────────────────────◆
      「休ませていただく」か「休まさせていただく」か

先週の9月24日に文化庁から発表された、
2020年度「国語に関する世論調査」をもとに
言葉の意味や用法を紹介します。

調査と同じ質問に回答してみてください。

下記にそれぞれに挙げた二つの言い方のうち、
あなたが普通使うものはどちらですか。

(1)
(ア) こんなにたくさんは食べられない。
(イ)こんなにたくさんは食べれない。

(2)
(ア)明日は休ませていただきます。
(イ)明日は休まさせていただきます。

(3)
(ア)今日はこれで帰らせてください。
(イ)今日はこれで帰らさせてください。

(4)
(ア)担当の者を伺わせます。
(イ)担当の者を伺わさせます。

(5)
(ア)絵を見せてください。
(イ)絵を見させてください。

(6)
(ア)私が読ませていただきます。
(イ)私が読まさせていただきます。

本来の言い方は、「休ませていただきます」「帰らせてください」、
「伺わせます」、「読ませていただきます」のように「せ」は入れない。
動詞の未然形+使役の助動詞「せる」

(5)の「見せてください」と「見させてください」は、
どちらも文法的には問題のない表現です。

「見せてください」:
下一段活用の動詞「見せる」の連用形+接続助詞「て」
+「ください」

「見させてください」:
上一段活用の動詞「見る」の未然形+使役の助動詞「させる」
+「て」+「ください」

という違いがあります。

※参考
「省かさせていただきます」< 敬語の勘違い(5)>VOL.2756

「見させていただく」と「見せていただく」< 読者からの質問(4)>VOL.2760

令和2年度「国語に関する世論調査」の結果について

ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら
このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

カミガキのフェイスブック

カミガキのツイッター

「仕事のメールの基本を知りたい、でも、誰も教えてくれない。今さら聞けない」という人のためのメールマガジン。
毎週金曜日 配信!
【仕事のメール心得帖】有料版
 登録はこちらから

記事全文を読む

今日は、「国語に関する世論調査」について取り上げます。
◆────────────────────────────◆
秋 の 特 別 編    < 2020年度の調査結果(3)>
◆────────────────────────────◆
「見れる」か「見られる」か?

先週の9月24日に文化庁から発表された、
2020年度「国語に関する世論調査」をもとに
言葉の意味や用法を紹介します。

前回同様、調査と同じ質問に回答してみてください。

下記にそれぞれに挙げた二つの言い方のうち、
あなたが普通使うものはどちらですか。

(1)
(ア)こんなにたくさんは食べられない。
(イ)こんなにたくさんは食べれない。

(2)
(ア)朝5時に来られますか。
(イ)朝5時に来れますか。

(3)
(ア)彼が来るなんて考えられない。
(イ)彼が来るなんて考えれない。

(4)
(ア)今年は初日の出が見られた。
(イ)今年は初日の出が見れた。

(5)
(ア)早く出られる?
(イ)早く出れる?

本来の使い方は、
(ア)の「食べられない」「来られますか」「考えられない」
「見られた」「出られる?」です。
いずれも、動詞の未然形+可能の助動詞「られる」。

調査の結果では、
(2)の「来れますか」、(4)の「見れた」を使う人が
過半数を占めました。

「見れる」「出れる」「来れる」などの形は、
五段活用動詞(「読む」「書く」など)から生じる下一段活用の
可能動詞(「読める」「書ける」など)の影響があるようです。

▼令和2年度「国語に関する世論調査」の結果について

バックナンバーに関連記事があるので、参考にしてください。

▼見分ける練習<「ら」抜き言葉に注意(4)>VOL.1786

▼「ら」抜き言葉が主流に?<「ら」抜き言葉に注意(5)>VOL.1787


 
ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら
このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

カミガキのフェイスブック

カミガキのツイッター

「仕事のメールの基本を知りたい、でも、誰も教えてくれない。今さら聞けない」という人のためのメールマガジン。
毎週金曜日 配信!
【仕事のメール心得帖】有料版
 登録はこちらから

記事全文を読む

   今日は、「国語に関する世論調査」について取り上げます。
◆────────────────────────────◆
 秋 の 特 別 編    < 2020年度の調査結果(2)>
◆────────────────────────────◆
         「寸暇を惜しまず」か「寸暇を惜しんで」か

先週の9月24日に文化庁から発表された、
2020年度「国語に関する世論調査」をもとに
言葉の意味や用法を紹介します。

前回に続き、調査と同じ質問に回答してみてください。

下記に挙げた(1)から(3)の内容を表現するとき、
それぞれ(ア)と(イ)のどちらの言い方を使いますか。

(1)知られていなかったことが、世間に知られること
(ア)明るみになる
(イ)明るみに出る

(2)僅かの時間も無駄にしない様子
(ア)寸暇を惜しまず
(イ)寸暇を惜しんで

(3)快く承諾すること
(ア) 一つ返事
(イ)二つ返事

本来の言い方は下記のとおりです。
(1)知られていなかったことが、世間に知られること
(イ)明るみに出る

(2)僅かの時間も無駄にしない様子
(イ)寸暇を惜しんで

(3)快く承諾すること
(イ)二つ返事

それぞれの言葉の由来や使い方について、
過去の記事で紹介しているので、参考にしてください。

▼「明るみに出る」について
< 間違えやすい言葉(4)>VOL.902

▼「寸暇を惜しんで 」について
< 間違えやすい慣用句(4)>VOL.1984

▼「二つ返事」について
< 気になる言葉(5)>VOL.1806

令和2年度「国語に関する世論調査」の結果について

ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら
このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

カミガキのフェイスブック

カミガキのツイッター

「仕事のメールの基本を知りたい、でも、誰も教えてくれない。今さら聞けない」という人のためのメールマガジン。
毎週金曜日 配信!
【仕事のメール心得帖】有料版
 登録はこちらから

記事全文を読む

今日は、「国語に関する世論調査」について取り上げます。
◆────────────────────────────◆
 秋 の 特 別 編           < 2020年度の調査結果 >
◆────────────────────────────◆
            「がぜん」「破天荒」等の言葉の意味

先週の9月24日に、文化庁から2020年度の「国語に関する世論調査」
が発表されました。

そこで、今日から5回にわたり、文化庁世論調査の結果をもとに
言葉の意味や用法を紹介します。

まずは、調査と同じ質問に回答してみてください。

下記に挙げた(1)から(3)の言葉は、それぞれ(ア)と(イ)の
どちらだと思いますか。

(1)がぜん
(ア)とても、断然
(イ)急に、突然

(2)破天荒
(ア)だれも成し得なかったことをすること
(イ)豪快で大胆な様子

(3)すべからく
(ア)すべて、皆
(イ)当然、是非とも

いかがでしたか? 本来の意味は下記のとおりです。
(1)がぜん
(イ)急に、突然

(2)破天荒
(ア)だれも成し得なかったことをすること

(3)すべからく
(イ)当然、是非とも

(1)がぜん の質問は、2020年度の調査で初出ですが
(2)破天荒 は2008(平成20)年度に
(3)すべからく は2010(平成22)年度にも調査されています。

恥ずかしながら、私はこれまで
「がぜん」を「とても、断然」という意味で使っていました。

文化庁による解説が新聞にありましたので、紹介します。

・「がぜん」は、漢字で書けば「俄然」。
「俄(にわか)雨のように、急な様子を表す。この漢字を使う
ことが少なく、音が似ている「断然」と意味が混同しやすい。
昭和初期に「とても」の意味で使うのが流行した時期があり、
その影響が残っているとの見方がある。

・「破天荒」は、中国の官吏登用試験だった科挙で、合格者が
なかった地域(天荒)から初めて合格者が出たことに由来する
故事成語。
「破」「荒」の漢字のイメージから、大胆という使われ方が
広まったと推測される。

「すべからく」については過去のメルマガ記事で紹介しているので
参考にしてください。

▼「すべからく」< 好感度アップの表現法(4)>VOL.1717

令和2年度「国語に関する世論調査」の結果について

 
ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら
このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

カミガキのフェイスブック

カミガキのツイッター

「仕事のメールの基本を知りたい、でも、誰も教えてくれない。今さら聞けない」という人のためのメールマガジン。
毎週金曜日 配信!
【仕事のメール心得帖】有料版
 登録はこちらから

記事全文を読む

<読者からのお便り>

先週、掲載したVOL.3551「募金する」
に関連して、お便りをいただいたので紹介します。

———————————————————————-
「募金する」と同様に私が気になっているのは「来店する」です。

店側の人ではなく、店に訪れる自分の行為をいうときにこの言葉を使う人が
最近多くなっていると感じています。

「(自分が)×月×日に来店したとき、~」
「また来店したいと思います!」など。

類似表現では「来院する」もよく目にします。

「来店」「来院」は行為の起点と方向(いわばベクトル)を伴いますから、
終点側にいる人に使われると非常に違和感があるのですが、
「来〇」はかなり広まっている印象です。

私が慣れるしかないのか・・・
                 (読者 Mさん)
———————————————————————-

自分の行為に「来店する」「来院する」を使うのは、私も違和感を覚えます。

「来店」の意味は、人が店に来ること。
店側の人が客に対して「ご来店いただき、ありがとうございます」
「明日、ご来院ください」のように使います。

自分の行為として、店に行くことを伝えるのであれば
「(自分が)×月×日に店を訪ねた(訪れた)とき、~」
「また利用したい(伺いたい、行きたい)と思います!」
という書き方の方が適切ではないでしょうか。

Mさんのお便りにある「行為の起点と方向(いわばベクトル)」がとても大事
で、これを意識するか否かが、「来店」の使い方の分かれ目になっている気
がします。

ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

ビジネスメールを書くときのコツを7000人以上が愛読。
2005年から配信してい る無料メールマガジン
【仕事のメール心得帖】登録はこちらから

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら
このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】
記事全文を読む

「まぐまぐニュース」に過去のメルマガ記事が紹介されました。

新型コロナの「収束」か、「終息」か。間違いやすい言葉の違い – まぐまぐニュース!

新型コロナウイルスの流行拡大に伴い、これまで以上に見聞きするようになった「収束」という言葉。同じ読み方をする語に「終息」がありますが、これらの意味を正確に説明できるでしょうか。今回の無料メルマガ『 仕事のメール心得帖(無料版) 』では著者の神垣あゆみさんが、具体例を上げつつふたつの語の違いを解説しています。 …

「仕事のメールの基本を知りたい、でも、誰も教えてくれない。今さら聞けない」という人のためのメールマガジン。
毎週金曜日 配信!
【仕事のメール心得帖】有料版
 登録はこちらから

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら

このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

記事全文を読む