今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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  仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法          < 読者からの質問(3)
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                           「ご担当者様」

<読者からの質問>————————————————

短い単語のことなのですが、時々、「○○株式会社 経理ご担当者様」
または「▲▲株式会社 ご担当者様」などといった
相手先の方の名前を特定せずにメールを送ることがあります。

名前を確認する必要があるときは電話などで聞いてから送る場合も
あるのですが、先方があえて名前を特定せずにメールをしてほしい
と依頼されているときは名前を入れません。

この場合、「ご担当者様」という書き方は問題ないのでしょうか?
二重敬語のようで、少し丁寧すぎるような気がしているのですが
いかがでしょうか?
また、他に表現方法があれば教えてください。
(読者 Y.Tさん)
——————————————————————

先方があえて名前を特定せずにメールをしてほしい、ということでしたら、
「ご担当者様」という書き方は問題ありません。

通常、担当者名が分からない場合
「○○株式会社 経理部(課)御中」
「▲▲株式会社 御中」
といった書き方もありますが

名前が分からなくても、相手とすでにやり取りしているならば
社名の後に「ご担当者様」を添えると感じがいいですね。

「ご担当者様」という表記自体は二重敬語には相当しません。

ですが、
「▲▲株式会社御中 ご担当者様」と表記すると
敬称の「御中」と「様」が重なるので
「▲▲株式会社 ご担当者様」とします。

「ご担当者様各位」という書き方は誤りなので注意を。
「様」も「各位」も敬称なので
使うなら、どちらか一つにしましょう。

 
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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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仕 事 Begin の メ ー ル 作 法          < 読者からの質問(2)
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                         「社長のおかげ」?

<読者からの質問>————————————————

メール文の言い回しで一つ質問があります。

(中略)

以下がそのメールとほぼ同じ文面ですが、
これは一般社員が全社員に向けて送信したメールの文中にあったもので、
社長を補佐した社員が一緒に作ったシステムを見て思った
ことを書いたものです。

「社長のお陰でいい物が出来上がった」

この文面を見て、私は社長に失礼だと思いました。
神垣さまはどう感じられたでしょうか?

これが、
「社員のお陰でいい物が出来上がった」
「XX君のお陰でいい物が出来上がった」
の様に社長から発信されたものならいいと思んですが。

(中略)
ちょっと立場が違うのではと思いました。

このように、社員からの感謝の意を込めるような事を伝えたい
場合、どの様な文面がよいでしょうか?
(読者 K.Kさん)
——————————————————————

「おかげで」は、他から受けた力添えや恩恵への感謝の意を示す言葉です。
古くは、神仏などの偉大なものの「陰」でその恩恵や助けを受ける
という意味合いでも使われていました。

ですから、上司や目上の相手に「~のおかげで」と使うこと自体は
間違いではありません。

ただ、目上の相手には「おかげ」に「さま」を付けて
「おかげさまで」とする方がより丁寧な言い回しになります。

この場合は

社長にお力添えいただき、おかげさまで、よい物ができあがりました

よい物ができあがったのも、ひとえに社長のお力添えのおかげと感謝しております

と少し言葉を添えるとよいのではないでしょうか。

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仕 事 の メ ー ル 作 法              < 読者からの質問
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                          災害後のメール文

<読者からの質問>————————————————

未曾有の大震災により、日常を取り戻すのは
まだまだ時間がかかりそうです。

こんなときに要望など、大変心苦しいのですが
こんなときだからこそ、お願いしたくご連絡いたしました。

被災地の方々、またこの震災により大きな被害を受けた会社の方々
多少影響のある地域の方々、あまり影響のなかった地域の方々、
いろいろいらっしゃいますが、

ビジネスのメールとしてどのような
挨拶が今ふさわしいのか、大変迷います。

時間も経ってまいりました。しかしこれだけの災害です。
「時下ますます~お喜び、、、」などという文章で
はじまって良いのかすら迷います。

ぜひ、いくつかの例をあげて
決まり切った言葉ではなく、さりげない配慮のある文章を
教えていただけないでしょうか。
(読者 I.Oさん)
——————————————————————

この場合、相手の状況を知ることが、大事だと思います。
被災が分かっている場合と、相手の状況が分からない場合とでは、
かける言葉も違ってきます。

被災状況が分かっている場合は、「お見舞い」と「援助の申し出」を。

(文例)
このたびの震災による被災に際し
心からお見舞いを申し上げます。

私どもでお役にたつことがございましたら、
遠慮なくお申しつけください。
———————
1行目を「報道で御社の被害を知り」「○○様から御社の被災の知らせを受け」
と、被災を知った経過を書くこともできます。

相手へのお見舞いの気持ちを伝える場合は
「お見舞い申しあげます」という件名で
上記の全文を送信しますが

通常の用件の前に、ひと言お見舞いの文を添える
という方法もあります。

結びの一文として「一日も早い復旧をお祈りしています」という表現もありますが
援助や支援の申し出の方が、現実的だと私は思います。

相手の被災状況が不明な場合は…

(文例)
連日の報道で、御社への
震災の被害(影響)を心配しています。

差し支えなければ、
状況だけでも教えていただけますか。
——————–

余談ですが…

朝日新聞の4月1日に掲載のコラム「経済気象台」の一文に
東北工場のある筆者の会社に
震災のあった翌日、見舞いの電話や生活必需品の輸送の申し出がある一方

「納入品の問い合わせだけの企業も。
工場被害はなくても、従業員の家は倒壊、なかには行方不明の家族も抱える。
なのに見舞いの言葉すらなく、自分の都合を優先する」

とあり、考えさせられました。

もう一つ。
フリーランスのサステナビリティー活動家、
丹羽順子(にわ・じゅんこ)さんの3月26日のツイッターにあったつぶやき
をご紹介します。
他人事じゃなく、相手に寄り添う気持ちを伝えることが
大切なのではないでしょうか。

被災者にかけないほうが良い言葉の例
「色々あったけど命が助かったから良かったじゃない」
「早く元気になって」
「頑張って」
「早く忘れて前向きに生きよう」
今後、被災地に入る人の数も増えるだろう。
手伝いたいという気持ちを伝えよう。

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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 読みづらいメールとは?(5)
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否定と肯定の混在

読者のかたから読みづらい文例の投稿がありました。ご紹介します。

「本年の申告書に読み込む必要のない項目がある場合には、項目のチェッ
クを外してください」

この一文、確定申告の際に目にしたかたもいるのでは?
一回読んだだけでは、私はすぐに理解できませんでした。

読みづらい原因は、否定と肯定の表現が一文に混在しているためです。

「必要のない項目がある場合」の「ない」と「ある」。
一体、どちらなのか、分かりづらい表現です。

文末の「チェックを外してください」も意味としては
「チェックしないでください」と同じなので、
「読み込む必要のない」と重なって、分かりづらい表現になっています。

これを分かりやすく書きかえるとしたら…

「本年の申告書に読み込む必要のある項目にチェックしてください」

読者によると、この一文の後に複数の項目があり、あらかじめ幾つかチェッ
クが入っていたということなので、それをくみ取れば…

「本年の申告書に読み込む必要のある項目のみチェックしてください」

または

「本年の申告書に不要な項目がある場合は、チェックをはずしてください」

という書き方にすれば、もっと分かりやすくなります。

文例を紹介してくださったシュウさん、ありがとうございました。

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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 読みづらいメールとは?(4)
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くどい文章

次の文例は、自分の担当業務に対する説明文です。

「私は、○○管理会社として△△管理させていただいている当社としては、
お客様から信頼されて△△の管理を任されているからこそ、その信頼に
応えなければならないという責任感が非常に大切だと考えています」

上記の一文が読みづらいのは、
主語「私は」と述語「~と考えています」の間に入る一文が長すぎる
ためです。

「○○管理会社として△△管理させていただいている当社としては、
お客様から信頼されて△△の管理を任されているからこそ」のくだりは、
説明を意識するあまり、同じような内容が繰り返されています。

そのため、主語「私は」と述語「~と考えています」が
つながりにくくなっているのです。

内容の重複を取り除き、文を整理してみましょう。

「○○管理会社として△△管理をお客様から一任されている当社の使命は
その信頼に責任を持って応えることだと、私は考えます。

「○○管理会社としてお客様に信頼されているからこそ、
当社はその信頼に応える責任があると、私は考えます」

同じ内容を繰り返してしまうのは、それだけ強調したい部分ということ
でもあります。しかし、それが過ぎると「くどい文」になりがちです。

一度文章にしてから読み返し、重複していると感じた部分は整理して
短くまとめ直すと、すっきりとメリハリのある文になります。

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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 読みづらいメールとは?(3)>
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居丈高(いたけだか)な文章

社内向けのメールの一文です。件名は「管理課人員減に伴うお願い」で、
下記の文章が始まります。

「首記の件、御既承の通り、○○事業採算改善策の一環として10月1日から
諸施策が施行されていますが、中で○○営業部管理課に関しましては、
結果として担当者が1名削減となっておりますので、業務対応効率化を
実践しております」

上記の一文が読みづらい要因は2つ
「一文が長い」「表現がかたい」ことです。

長いうえにかたいので、用件がすっと頭に入ってきません。

このような“格式ばった”文章は、書く側の威厳を示すことはできても、
読む側にとっては、その威厳が煩わしく感じられ、
「で、何が言いたいの?」という伝わり方しかしません。

行政機関でも、いわゆる「お役所言葉」の改善が図られている昨今、
社内向けのメールに「御既承の通り」「諸施策が施行」という表現が
果たして適切なのか、という疑問を抱きます。

しかも、件名には「お願い」とあります。
お願いの前に現状を述べるにしても、ずいぶんと居丈高な文面という印象。
これは書く側の自己満足にすぎず、読む側に理解を求めるのであれば、
もっと分かりやすく自然な言い回しが必要でしょう。

「○○事業採算改善策として、10月1日からさまざまな取り組みが
行われています。
中でも○○営業部管理課では、担当者が1名削減され、
業務対応のより一層の効率化を実践しています。そこで・・・」

「関しましては」「~しております」という表現も繰り返し使うと、
文章が長くなるばかりです。
社内向けのメールであれば、必要以上に丁寧な表現よりも、要点を簡潔に、
分かりやすく述べる点に重点を置くべきでしょう。

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