今週は、ミスや混同しやすい言葉について取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法                < 気になる表現
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                          「継続を続ける」

同じ意味の語を重ねた言い方を「重言」と言います。

意外と無意識に使っているもので
例えば……

「大きな粗大ごみ」
もその一つですね。

大型のごみのことを指す「粗大ごみ」に
「大きな」が付くと、意味が重なります。

「継続し続ける」
というのも、「継続」はそのまま続くことを指しますから
後に「続ける」がくると、同じ意味になってしまいます。

同様に
「次の後継者」
も、事業や地位を次に受け継ぐ人を指すのが「後継者」なので
意味が重なる「次」は不要となります。

意外と気づかず使っていることもあるのでは?

微妙なのが
「むやみやたら」。

善悪やあとさきを考えないで事を行う点に重点があるのが「むやみ」。
理由やけじめもなく繰り返すことを「やたら」。

意味としてはかなり近いため、
「むやみやたら」を重言とする説もあります。
が、ほとんどその意識なく使っていることが多い
言葉でもあり、解釈が分かれるところです。

今週はこのように
言葉の雑学っぽく、
さまざまな角度から、気になる言葉を
紹介していきます。

<追記>

上記の重言を言いかえると

「大きな粗大ごみ」
⇒「大きなごみ」「粗大ごみ」

「継続し続ける」
⇒「継続する」「し続ける」

「次の後継者」
⇒「後継者」「後を継ぐ人」「○○を受け継ぐ人」

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今週は、読者の方からいただいた質問にお答えします。
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(3)
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                          「ご教示ください」

<読者からの質問>————————————————

お客様に
「必要か必要でないか、教えてください」と聞きたい場合、
メールで
「○○の要否をご教示ください」
という表現は問題ないでしょうか?
(読者 M.Oさん)
—————————————————————–

「要否」は、必要か否かということ
を意味する言葉なので、問題ありません。

それよりも、「要否」に続く「ご教示ください」が
この場合は問題で、少々、大げさな表現と感じます。

「教示」とは、知識や方法などを教え示すこと。

ですから、単に「必要かどうか」を確認する場合に使うときは
「ご教示」の代わりに「お知らせください」
で事足ります。

「○○の要否をお知らせください」

あるいは

「○○が必要か否かをお知らせください」

文末の「お知らせください」は
「お知らせいただけますか」と問いかける形にしてもよいでしょう。

単に確認するだけ、連絡してもらうだけの用件で
「ご教示ください」
を使っている文面を時折、目にします。

相手にノウハウや極意を詳細に尋ねる場合には
適した言葉ですが、
日程や都合を「教えてください」というような場合は

「お知らせ(ご連絡)ください」
「お知らせ(ご連絡)いただけますか」

という表現で差し支えありません。

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今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法     < 気になる敬語(5)
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「される」

今週は、気になる敬語の使い方について
例を挙げて取りあげていきました。

——————————————————
広島へお越しの際にご利用されてみてはいかがでしょうか
——————————————————

上記の文で気になるのが
「ご利用されてみてはいかがでしょうか」です。

元の言葉の意味としては
「利用してみたら?」
とったところでしょうか。

文意を理解したうえで、敬語に言い換えてみましょう。
この一文の柱となるのは

利用する → ご利用になる

という尊敬語。これに「いかがでしょうか」が続くと

「ご利用になってはいかがでしょうか」。

したがって、上記の一文は下記のように書き換えられます。

——————————————————
広島へお越しの際にご利用になってはいかがでしょうか
—————————————————–

同様に

————————————
ゆっくりと作品を鑑賞されてください
————————————

この一文で気になるのが「鑑賞されてください」。

「鑑賞する」の尊敬語は「鑑賞なさる」です。

すると、上記の文はこのように書き換えることができます。

————————————
ゆっくりと作品を鑑賞なさってください
————————————

「される」は「する」の尊敬語ですが
「なさる」を使う方が、文としての収まりは良いように感じます。

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今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法     < 気になる敬語(4)
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「ご案内のように」

今週は、気になる敬語の使い方について
例を挙げて取りあげています。

———————————————–
今回ご注文いただきました商品は
サイトでご案内のように、入荷が8~9月の予定です。
———————————————–

上記の文で気になるのが2行目の
「ご案内のように」です。

書き手は読み手(=注文した客)に対して
「ご案内」という言葉を使っているのですが
これだけでは、敬語表現として中途半端な印象が残ります。

「案内する」の尊敬語は
「ご案内します」「ご案内いたします」。

ですから、「ご案内」だけで終わらず
それに続く動詞がついていれば
敬語としてもっと分かりやすくなります。

上記の文を下記のように書き換えてみました。

———————————————————-
今回ご注文いただきました商品は
サイトでご案内しておりますように、入荷が8~9月の予定です。
———————————————————-

「すでにサイトに書いている」ことを強調したい場合は

———————————————————-
サイトでご案内しておりますように
今回ご注文いただきました商品は入荷が8~9月の予定です。
———————————————————-

とする方が分かりやすいかもしれません。

メールでよく見かけるのが
件名に「ご質問」「ご相談」とだけ書いているケース。

「ご」や「お」を言葉の前に付ければ、
一見、敬語風に見えますが

「質問」や「相談」を受ける言葉である
「あります」の丁寧語「ございます」を使うと
文章として収まりがよくなります。

「ご質問」→「質問がございます」
「ご相談」→「相談がございます

名詞に「ご」や「お」を付けただけの敬語風の表現ではなく
名詞を“受ける”言葉を添えて
文として敬語を完成させるようにしてみましょう。

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今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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  仕 事 の メ ー ル 作 法            < 気になる敬語(3)
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                      社外の相手に伝えるとき

今週は、気になる敬語の使い方について
例を挙げて取りあげています。

昨日、取り上げた文例と関連しますが……
客先に対して、自社の上司から用件を聞いたと伝える場合

佐藤部長からうかがっております

とするのは間違いです。

「うかがう」は「聞く」の謙譲語ですから、
社内の連絡として、自分の上司である佐藤部長を高める場合は
「先日、佐藤部長からうかがいました」
とすればよいのですが
ここでは、敬意を示すべきは、客先の相手ですから

部長の佐藤から聞いております

とするのが適切な表現です。

同様に、客先からの資料を上司を通じて受け取った
というときも

高橋課長から資料をいただいております

とするのはNG。
社内で、上司から資料を受け取ったと伝える場合は
上記でよいのですが

客先に対して、上司の課長から資料を受け取った旨を伝える場合は

課長の高橋から資料を受け取りました

とします。

社外の相手よりも、自社の上司に対して敬語を使ってしまう
敬語の捉え違いがないように気をつけましょう。

 
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今週は、同じ意味の表現を重ねて使っている事例を紹介します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法           < うっかり重複(5)
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「引き続き続行する」

さらっと書いてはみたものの
読み返してみると、同じ意味の表現を
重ねて使っていることがあります。

今週は、こうした
うっかり重複して使っている表現を
取り上げてきました。

引き続き、午後からも会議を続行します」

上記の文例は、ご覧のとおり
「引き続き」と「続行」の意味が重なっています。

どちらか一方を使い

引き続き、午後からも会議をします」

「午後からも会議を続行します(続けます)」

とします。

連日、暑い日が続きますが、ご自愛ください」

も同様の意味の重なりです。
この場合も、「連日」か「続く」どちらか一方を使えばよく

連日、暑いですが、ご自愛ください」

「暑い日が続きますが、ご自愛ください」

とします。

このように同じ漢字が使われていると
意味の重なりに気づきやすいですね。

「ペットボトル以外の容器を投入すると返却口に返却されます」

「ペットボトル以外の容器を投入すると返却口に戻されます」

下記は、言葉は違いますが、
意味の重複と思われます。

安全に事故がないように工事監理をする」

「安全に」と「事故がないように」は意味としては同じ。
ですから、これもどちらか一方の表現を使います。

事故がないように工事監理をする」

安全に(注意して)工事監理をする」

見落としてしまいがちですが
読み返してチェックしてみましょう。

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