今週は、敬語の誤った使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法           < おかしな敬語(5)
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「おけます」

今週は、敬語の誤った使い方を事例とともに取り上げてきました。

——————————————
当社サービスにおけます消費税率の引き上げを
下記の通りお願いをいたしたいと存じます
——————————————

上記の文の問題個所は
「おけます」と
「お願いをいたしたいと存じます」
の2カ所。敬語が過剰に使われています。

丁寧な表現を意識するあまり
使わなくてもいいところが敬語表現になっている一例が
「当社サービスにおけます」の「おけます」です。

ここでは「ます」を取って
「おける」として差し支えありません。

結びの文
「お願いをいたしたいと存じます」
では、「お願い」の後の「を」が不要。

「お願いしたいと存じます」としてもいいのですが
「~と思います」の敬語「~と存じます」も取って

「お願いいたします」
とすれば、さらにスッキリします。

したがって上記の文を書き換えると次のようになります。

——————————————
当社サービスにおける消費税率の引き上げを
下記の通りお願いいたします
——————————————

過剰に敬語を使うことで
文意が伝わりにくくなることがあります。
文の目的、ねらいは何かをまず考え
必要以上に敬語を使わず、
スッキリ伝える文章表現を心がけましょう。

<追記>

文頭に「誠に恐縮ですが」を添えてもよいでしょう。

敬語を不要に付け足すより、
こうした緩衝材になるフレーズを添える方が丁寧になります。

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今週は、敬語の誤った使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法           < おかしな敬語(4)
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「おそろいになりました」

今週は、敬語の誤った使い方を事例とともに取り上げています。

—————————————————–
以上で、ご注文の商品はおそろいになりましたでしょうか
—————————————————–

上記の文にある「おそろいになりましたでしょうか」
に問題があります。

「おそろいになる」は
「そろう」に尊敬語の「お~になる」をつけたもの。

「会員の皆様が全員おそろいになりました」
のように、主語である「会員」を高めて使う場合はよいのですが

上記の文例では
注文した商品を「そろえる」のは店側です。

相手であるお客様を高めるつもりの敬語が
店側の対応を高める表現になっています。

本来は、謙譲語「~ておる」を使って
「そろっておりますでしょうか」とするところですが

ここでは、お客様が注文した商品がそろっているかどうかを
確認するのが文の目的なので

———————————-
以上がご注文の商品でございますね
———————————-

という言い回しで事足りると考えます。

相手に敬意を払いたいのに
尊敬語と謙譲語を取り違えてしまい
冒頭の文例のように、自分の方を高めた表現になっていることがあります。

主語が相手のときは「尊敬語」
主語が自分のときは「謙譲語」
という区別をつけましょう。

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今週は、敬語の誤った使い方についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < おかしな敬語(2)
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                       「ご議論をいただく」

今週は、敬語の誤った使い方を事例を挙げながら
みていきたいと思います。

—————————–
皆様方にご議論をいただいて
大変有意義な会となりました。
—————————–

上記の一文の問題点は
「ご議論をいただいて」
という表現です。

伝えたいのは
「皆さんに議論してもらって」
ということ。

敬語を使って書く場合
「皆様に議論していただいて」
とすればよく

「議論」の前の「ご」、後の「を」
は不要です。

—————————–
皆様に議論していただき
大変有意義な会となりました。
—————————–ー

敬語表現で、不要な「を」を入れてしまう例がほかにもあります。

「ご講演をいただく山田太郎先生」
「ご理解をいただきたく存じます」
「ご執筆をいただき、ありがとうございます」

これらはいずれも
「いただく」の前の「を」は不要です。

「を」を入れると収まりがよく感じられるのか
合いの手のように使われていることがあるので
注意しましょう。

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今週は、敬語の誤った使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法               < おかしな敬語
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                         「お作りしている」

今週は、敬語の誤った使い方を事例を挙げながら
みていきたいと思います。

————————————–
一人でお作りしているので、
お待たせすることがあるかもしれません。
—————————————

上記は、手作りの菓子店のWebサイトにあった一文です。

「お客さまのご要望に応じた
オリジナルのケーキをお作りしています」
という文章であればいいのですが

上記の文例の主語は、自分。
つまり、お店の人ですから
「一人でお作りしているので」の「お作りしている」
という表現は適切ではありません。

なぜなら、
自分の動作に、尊敬語の「お~している」を
付けていることになるからです。

この場合は
「一人で作っているので」
としてよく、敬語を使う必要性はないと考えます。

したがって、次のように書き換えることができます

————————————–
一人で作っているので
お待たせすることがあるかもしれません。
————————————–

相手に対して
「お作りしています」という気持ちを伝えるための
表現だとは分かるのですが
敬語の使い方を間違えると
自分に敬意を払った、おかしな敬語になってしまいます。

主語は誰か
敬意を払う対象は誰かを確認して
敬語の使い方を考えましょう。

<追記>
ほかの言い方をするとしたら
————————————-
お客様のオーダーに
一人で対応しておりますので、
お待たせすることがあるかもしれません。
————————————-
も考えられます。

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今週は、配慮のある敬語表現についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法               < 気配り敬語(3)
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                         「渡してください」

今週は、相手に受け入れられやすい
配慮のある敬語表現について取り上げています。

明日、客先に行くという上司に、ことづけたい書類があるとき

「Aさんに資料を渡してください
「Aさんに資料を渡してもらえます?」
「Aさんに渡してほしい資料があるんですが

という一文が思いつきます。
しかし、自分より目上の相手に頼むには
もう一工夫したいところ。

なぜなら、上記の文例はいずれも
相手の意向を聞かず、自分の都合で書いた
印象を与えるからです。

「~してください」の代わりに
「~いただけますか」と問いかける表現に書き換えてみましょう。

「Aさんに資料をお渡しいただけますか
「Aさんに資料をお渡し願えますか

あるいは、少し長くなりますが
「ありがたいのですが」「ご面倒をかけますが」
というひと言を添えてお願いします。

「Aさんに資料を渡していただけるとありがたいのですが
ご面倒をかけますが、Aさんに資料をお渡しいただけますか」

「~してください」という言い回しは
メールでは命令調に感じることがあるので
問いかける形にしたり、緩衝材になる言葉を添えたりすることで
表現を和らげることができます。

 
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今週は、いわゆる“クッション言葉”についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法           < 緩衝材になる表現(5)
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                             意見を返す

ストレート過ぎる表現を和らげる「緩衝材」になる言い回しを
今週は紹介してきました。

相手に提案するとき、
「余計なことかもしれませんが」より
「差し出がましいこととは存じますが(思いますが)」という
表現を使うと、慎ましやかな印象に……
と、VOL.2114で紹介しました。

では、相手に意見するときは
どのような表現を使うとよいでしょうか。

お言葉を返すようですが
という表現がありますが
反論する姿勢を伝える言い回しなので
「緩衝材」になる表現かというと、疑問が残ります。

代わって
大変申し上げにくいのですが
と書き換えることができます。

例)
大変申し上げにくいのですが
今の状況では、デザインを全面変更するしかないと思います。

断るときの
「大変心苦しいのですが」
「大変ありがたいのですが」
のように心情を伝える表現を知っておくと

判で押したように
「すみませんが」を繰り返すのを避けることもできます。

その時々に応じ
相手の反感を買わず、心遣いを伝える
表現を使うことができたらいいですね。

 
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