今週は、気をつけたい敬語の使い方についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < 気になる敬語(2)
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                       「享受させていただく

今週は、気になる敬語の使い方について取り上げています。

「円安の恩恵を享受させていただいています」

気になる敬語シリーズでおなじみの
「させていただく」。

上記のような使い方だと
一見、問題はないのでは?
と思ってしまいますが……。

「享受」の意味を考えてみましょう。

「享受」とは、
受け入れて自分のものとすること。受け入れて、味わい楽しむこと。

人から与えられたり、勧められたりするのではなく
自らの意思で受け入れることです。

対して、
「~させていただく」は
相手に許可を願い出るようなときに使う敬語。

したがって
「享受させていただく」
という表現はちぐはぐな意味となるため
「~させていただく」は不要。

「享受」の言葉の意味からも
冒頭の文例は

「円安の恩恵を享受しています

とするのが適切です。

どんな表現にも「~させていただく」を使えば
敬語らしくなるのではなく
言葉の意味と照らし合わせた使い方をしましょう。

 
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今週は、読者の方からいただいた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法  < 読者からの質問(2)
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依頼のメール

<読者からの質問>————————————————

依頼の文章を書くときに、
「○○していただき、」と「お願いします」を繰り返してしまいます。
特に目上の相手には「してください」は無作法な気がして使いにくく、
「良くない文でも無礼よりは良い」様に思い、
その傾向が強くなってしまいます。       (40代 女性読者)
——————————————————————

目上の相手への依頼の文章は、気を使いますよね。

「~してください」という表現は、不作法ではないのですが
場合によっては、強制、強要、命令しているように受け止められる
ことがあります。

したがって、質問にもあるように

「~していただけますか?」
と疑問形にして、相手の都合を尋ねる表現を使ったり

「~をお願いします(いたします)」
のように、「お願い」という言葉を使うと
和らいだ印象を与えます。

例)
× 早く確認してください
○ 至急、ご確認いただけますか
○ 本日11時までご確認をお願いいたします

「~してください」という表現では命令調になってしまうことが多いので
できるだけ、相手の都合を尋ねてから、依頼するとよいでしょう。

例)
打ち合わせをお願いしたいのですが
来週のご都合の良い日程をお知らせいただけますか

対応を急いでほしいときは
「早く提出してください」とストレートに伝えてしまいがちですが

「先週、お願いしていた資料ですが、作成状況はいかがでしょうか?」
とまずは状況確認を。

相手の返信を受けてから
「確認の時間が必要ですので、○月○日までに提出をお願いいたします
と具体的な期日を設けて、提出を促します。

依頼をするときのコツは
すぐにお願い事を切り出すより
一度、相手の都合を打診することです。

手順ややり方を説明したり、
複数の項目について対応を要するときは

「下記の方法でご対応をお願いいたします」
「問題点は下記の通りです。ご検討をお願いいたします」
と最初に述べておき、あとは箇条書きにすると
「~していただき」「お願いします」を何度も使わずに済みます。

余談ですが……

「お願い」という言葉を使うとき
「お願いできませんか?」
「お願いできませんでしょうか?」
という表現があります。

この場合
「できません」という否定表現にはせず
「お願いできますか?」
「お願いしたいのですが、いかがでしょうか?」
と肯定表現にする方が断られにくいように感じます。

ですから、わたしはできるだけ、肯定表現で
依頼メールを書くように心がけています。

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今週は、間違いやすい敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法                           < 敬語レッスン(5)
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                         「ご利用できません」

敬語のようで敬語でない…
そんな「なんちゃって敬語」を取り上げ
正しい使い方を解説してきました。

▼NGな文例
「あいにく駐車場はご利用できません

一見、敬語のように見える
「ご利用できません」。

文を分解すると
「利用できません」は
「利用できる」の丁寧語「利用できます」同様

「利用できない」の丁寧語「利用できません」
となっているだけで、それに「ご」が付いた
「なんちゃって敬語」。

「できません」と相手の行為を禁ずる表現を使うより
ここでは

「利用する」の尊敬語「ご利用になる」から
「ご利用になれません」
という表現をお勧めします。

▼GOODな文例
「あいにく駐車場はご利用になれません

「ご利用できます」も敬語のようで敬語ではなく
「ご利用になれます」が適切な表現です。

▼NGな文例
「割引券がご利用できます

▼GOODな文例
「割引券がご利用になれます

「できる」「できない」という表現は
目上の相手やお客様に使うのは控えます。

「ご利用になれます」「ご利用になれません」は
相手に敬意を払う「尊敬語」ですが

相手に自社の施設やサービスを
「利用してもらう」「利用してもらえない」という意味で使う場合

ご利用いただけます
ご利用いただけません
という謙譲語で表現することもできます。
<追記>
上記以外の例としては
▼NGな文例
「回送車両のため、ご乗車できません」

▼GOODな文例
「回送車両のため、ご乗車になれません」

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今週は、間違いやすい敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 敬語レッスン(4)
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おっしゃられた

敬語のようで敬語でない…
そんな「なんちゃって敬語」を取り上げ
正しい使い方を解説しています。

▼NGな文例
「部長がおっしゃられたとおりです」

上記の文例の
「おっしゃられた」は
尊敬語の「おっしゃる」と「~られる」が重なった
二重敬語です。

元の文意は「言った」ですから
「言う」の尊敬語「おっしゃる」だけでよく
尊敬語の「~られる」は不要。

ただ、「動詞+られる」という尊敬語の公式が頭にあると
すでに尊敬語の「おっしゃる」にも「られる」を付け加えて
書いたり、言ったりしてしまいがちなので
注意しましょう。

▼GOODな文例
「部長がおっしゃったとおりです」

同様に、元の言葉が「話す」の場合も
「お話になられて」と二重敬語を使ってしまうことも。

「話す」の尊敬語は「お話になる」。
「お話になる」に「られる」を付ける必要はありません

▼NGな文例
「部長がお話になられていた○○の件ですが」

▼GOODな文例
「部長がお話になっていた○○の件ですが」
「部長がお話になった○○の件ですが」

上記の文例のように
「とおり」とか「ていた」のような補足的な言葉が付くと、
二重敬語をうっかり使ってしまいがちなので気をつけましょう。

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今週は、間違いやすい敬語の使い方についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < 敬語レッスン(3)
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                     「ご希望になられています」

敬語のようで敬語でない…
そんな「なんちゃって敬語」を取り上げ
正しい使い方を解説しています。

▼NGな文例
「会員証の再発行をご希望になられています

上記の文例の敬語の使い方で、どこが問題かというと……
「ご希望になられています」
の部分です。

元の文は「(再発行を)希望する」。
相手を敬う文なので、主語は相手ですから
「尊敬語」を使います。

「希望する」の「する」の尊敬語は
「される」または「なさる」。

したがって、次のような一文になります。

▼GOODな文例
「会員証の再発行を希望されています」

「会員証の再発行を希望なさっています」

この場合
「希望されています」「希望なさっています」で
敬語の役割は果たしているのですが

「ご」とか「なられる」といった余計な敬語を付け加えることで
却って回りくどく、分かりにくい表現になっています。

このように、本来の敬語の一文に
「なんちゃって敬語」を付け加えることで
過剰になっているケースがあります。

ノリや感覚ではなく
動作の中心となる言葉を見極め、主語を確認し、
適切な敬語表現を使うことを心がけましょう。

 
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今週は、間違いやすい敬語の使い方についてです。
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 仕 事 ‎ の メ ー ル 作 法              < 敬語レッスン(2)
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                       「いかがいたしますか?

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▼NGな文例
「いかがいたしますか?」

「どちらにいたしましょうか?」

上記は、相手に「どうするか」「どちらにするか」を尋ねる際の敬語です。

一見、間違いではないように思いますが
実は間違いがあります。

「いたします」は
「する」の謙譲語。

つまり、自分のことをへりくだって
相手に敬意を払う敬語なので
主語は「自分」です。

でも、上記の文例を見ると
「どうするか」「どちらにするか」を尋ねられている主体は
相手(主語は、相手)。

ということは、ここで使うべき敬語は
相手の動作を高める尊敬語です。

「する」の尊敬語は
「なさる」。

上記のNGな文例の「謙譲語」を「尊敬語」に書き換えると
次のようになります。

▼GOODな文例
「いかがなさいますか?」

「どちらになさいますか?」

上司に確認するときは
「○○の件はいかがいたしますか?」ではなく
「○○の件はいかがなさいますか?」

「打ち合わせは午前と午後、どちらにいたしましょうか?」ではなく
「打ち合わせは午前と午後、どちらになさいますか?」

という使い方をしましょう。

 
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