今週は、注意したい敬語の使い方についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < 気になる敬語(4)
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                  「書籍を出させていただけないか

「出版社の佐藤さんにご相談させていただき、
書籍を出させていただけないかと企画を持ち込みました

上記の一文でまず、気になるのは
「させていただきます」の使い方です。

相談相手である佐藤さんを“立てる”ために
「相談する」「書籍を出す」という言葉に謙譲語を使い
「相談させていただく」「書籍を出せていただく」と
していますが、

一文に2度も「させていただく」が使われていて、
スッキリしません。

それに
「書籍を出させていただけないかと企画を持ち込みました」
という言い回しも丁寧な言葉とそうでない言葉が混在して
まとまりがありません。

上記の文で伝えたいのは
「出版社の佐藤さんに相談し、
本を出版してもらえるように企画を提案した」
ということです。

意図が伝わるように書き換えてみましょう。

「出版社の佐藤さんに相談し
書籍の出版を検討していただくための企画を提案しました

相談したのは自分(書き手)
企画を提案したのも自分なので
敬語を使う必要はありません。

この一文で敬語を使って
“立てる”対象は
佐藤さん(および、佐藤さんが所属する出版社)なので
出版を「検討してもらう」を「検討していただく」としました。

伝えたいことを最初にストレートに書いてから
敬意を示す対象がどこかを整理し
敬語に置き換える方が文意は伝わりやすくなります。

書きながら敬語を当てはめていくより
ひと手間かけて
文を整えるようにするといいですね。

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今週は、注意したい敬語の使い方についてです。
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 仕 事 ‎の メ ー ル 作 法             < 気になる敬語(3)
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                     「お間違えないでしょうか?

「先生の発言について
 私は△△と解釈しましたが、お間違えないでしょうか?

ネット上で相手(=先生)が発言した内容について
自分(=私)は△△と解釈したが、
それで間違っていませんか?
と相手に問うているのが上記の一文です。

気になるのは最後の
「お間違えないでしょうか?」
の箇所。

「私の解釈は間違っていませんか?」
と相手に確認しているのに

「間違える」という自分の行為に
尊敬の接頭語「お」を付けてしまっています。

相手の間違いを確認するのであれば
「○○を△△とお間違えではないでしょうか?」
「○○を△△とお間違えではありませんか?」
という尋ね方をしますが

冒頭の文例の場合は、相手ではなく
自分の解釈が間違ってないかどうかの確認です。

したがって
尊敬の「お」は使わず
「間違いないでしょうか?」
とするのが適切です。

「先生の発言について
 私は△△と解釈しましたが、間違いないでしょうか?

この例のように
相手に対する敬意から
本来は自分の行為や動作に
敬語を使ってしまわないように
注意しましょう。

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 仕 事 の メ ー ル 作 法              < 気になる敬語(2)>
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                      「お写真を拝見されて」


 「背景が変わっていることに
  お写真を拝見されて、気づかれましたか?」

 上記の一文は

 ネットにアップしている自分のプロフィール写真の
 背景が変わっていることに気づきましたか?

 と書き手が読み手に問うている文です。

 気になるのは
 「お写真を拝見されて」
 の箇所。

 書き手が読み手に対して敬語を使うつもりが
 尊敬語と謙譲語を混同して
 おかしな敬語になってしまっています。

 「(プロフィール)写真を見た」のは、読み手
 つまり、相手です。

 したがって
 相手の行為に使う敬語は
 尊敬語。

 「見る」の尊敬語は
 「ご覧になる」
 あるいは「見られる」です。

 しかし、上記の一文では
 「見る」の謙譲語「拝見する」を
 相手に対して使っています。

 さらには
 自分の写真のことなのに
 尊敬の接頭語「お」を付け
 「お写真」となっています。

 では、
 「お写真」→「写真」
 「拝見されて」→「ご覧になって」
 と直してみましょう。

 「背景が変わっていることに
  写真をご覧になって、気づかれましたか?」

 より伝わりやすくするために
 文の順番を変えて整えると……

 「写真をご覧になって、
  背景が変わっていることに気づかれましたか?」

 のようになります。
 (最後の箇所は「お気づきになりましたか?」にしてもよいでしょう)

 今回、取り上げた文例のように
 敬語を使う相手と行為を取り違え
 自分を主語とする「謙譲語」と
 相手を主語とする「尊敬語」が
 入れ替わっている間違いを見かけます。

 敬語を使い分けるときは
 その行為の主語は誰か
 を確認してみましょう。

▼この記事が「まぐまぐ:ニュース」に取り上げられました。

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                   「お知らせさせていただきます

 「年末年始の営業予定を改めてお知らせさせていただきます

 この一文の最後
 「お知らせさせていただきます」の敬語の使い方が気になります。

 この一文で伝えたいのは
 年末年始の営業予定を相手に「知らせる」こと。

 シンプルに
 「お知らせします」としても
 差し支えないのですが

 「する」の謙譲語「いたします」を使い
 「お知らせいたします」
 とすれば、スッキリした敬語の使い方になります。

 相手に対してより丁寧に、と気を遣うあまり
 使ってしまいがちな「~させていただきます」ですが

 「送ります」や「報告します」といった
 ビジネスメールでよく使う言葉も
 謙譲語の「~いたします」に置き換える方が
 スッキリします。

 例)
 サンプルをお送りさせていただきます
  ↓
 サンプルをお送りいたします

 調査結果を報告させていただきます
  ↓
 調査結果を報告いたします

 したがって、最初に挙げた文例は

 「年末年始の営業予定を改めてお知らせいたします

 として差し支えありません。

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