今週は、気になる言い回しについてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < 適切な言い回し
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                      「~させていただきます」

昨日、メルマガ読者のPersian(ペルシャ)さんから、
日常使う言葉の表現の仕方について複数の質問をいただきました。

<Persianさんからの質問-1>—————————————

「~いたします」よりも、「~させていただきます」の方が、
「~いたします」よりも丁寧な言葉遣いに感じてしまい、
手紙やメールでの使用頻度がつい多くなってしまいます。

「~させていただきます」以外に、
相手にやさしく、やわらかな印象を与える・伝わる
言い回しがありましたら、ご教示いただければ幸いです。

——————————————————————

「~させていただきます」については、これまで何度か
当メルマガでも取りあげてきました。

Persianさんも書いておられますが、
「~いたします」よりも「~させていただきます」の方が
丁寧な言葉遣いに感じる…

これは私自身もそう思っていましたし、
一般にもよく使われているので、迷うことが多くありました。

なぜ、そう思うのか、調べてみたところ
行き着いた答えが
「敬語は長くなるほど、丁寧に感じられる」
ということです。

実際、言葉の長さからすると
「~いたします」よりも「~させていただきます」の方が
長いので、より言葉を尽くした丁寧な言い回しという印象があります。

確かに「~させていただきます」も敬語の一つですが
ことさら、相手に許可を得る必要がなければ
「~いたします」に置き換えてもよい、と考えます。

なぜなら、「~させていただきます」の多用は
少々くどく、慇懃無礼な印象を与えるからです。

例えば、目上の人に先立ち何かするような場合は
「お先に発表させていただきます」
と相手にへりくだって許可を得るという意味で
「~させていただきます」を使うのは自然な表現です。

ですが、仕事の依頼などは「依頼させていただきます」では
却ってまどろこしく
「○○の制作をお願いいたします」という言い回しで
すっきりまとまり、相手に失礼にもなりません。

丁寧に感じるから、とりあえず「~させていただきます」を使うのではなく
もっとシンプル言い換えるには? と意識して
ほかの言い回しを検討してみてもよいのではないでしょうか。

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今週は、敬語のつもりで使っている誤った表現についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法       < 思い込みの敬語(5)
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「されてください」

「試着されてください」
「住所を書かれてください」

これも一見、敬語のようですが、収まりがよくありません。

「試着されてください」の「される」は「する」の尊敬語ですが、
相手に行動を促す「~ください」が付いて「~されてください」となると、
敬語として少々不自然な感じがします。

この場合、尊敬の「なさる」を使い
「試着なさってください」
と書き換えるほかに、

話し言葉であれば
「試着されますか?」「試着なさいませんか?」
と問いかける表現にすると、感じがよくなります。

同様に「住所を書かれてください」は、
尊敬の「れる」+「ください」で表現するより

尊敬の「お~になる」を使い
「住所をお書きになってください」

あるいは
「住所をご記入ください」
と書き換えることができます。

なんとなく敬語らしくなるというノリで
「される」や「れる」をむやみに付けるのは考えもの。

このほかに
「少し休まれてください」は、
「少しお休みになってください」のほかに
「少し休まれてはいかがですか?」と問いかける言い方もあります。

「広げて見られてください」は
「広げてご覧ください」とするとすっきりします。

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今週は、敬語のつもりで使っている誤った表現についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法       < 思い込みの敬語(4)
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「お待ちしてください」

「受付でお待ちしてください」
「十分ご注意してください」
「ご指導してくださったおかげで、解決しました」

上記の例文、一見、敬語のようですが、よく見直してみると
実は敬語が過剰に使われています。

謙譲の「お(ご)~する」と、
尊敬の「お(ご)~ください」が混在しているのです。

ここでいう「して」(謙譲の「お(ご)~する」の「する」に相当)を
取り払えば、すっきりします。書き換えてみましょう。

「受付でお待ちください」「受付でお待ちになってください」
「十分ご注意ください」
「ご指導くださったおかげで、解決しました」

ちなみに「お待ちください」は、書き言葉にすると命令調にになるので、
「お待ちいただけますか」とすると表現が和らぎます。

「おかけになってお待ちください」
という一文も
「席にかけてお待ちください(お待ちいただけますか)」
と書き換えるとすっきりします。

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仕 事 の メ ー ル 作 法       < 思い込みの敬語(3)>
◆─────────────────────────────────◆
「おやりになる」

相手がするかどうかを尋ねるとき、つい使ってしまいがちなのが
「おやりになりますか?」です。例えば

「テニスはおやりになりますか?」

「する」のくだけた表現が「やる」です。
くだけた表現に「お~になる」という敬語表現を当てはめると
文全体がアンバランスになってしまいます。

「する」の尊敬語は「なさる」なので、
この場合は次のように言い換えることができます。

「テニスはなさいますか?」

相手に依頼する場合の言い回しとしては
「確認は後でおやりください」よりも
「確認は後でなさってください」

「研修をおやりいただけますか?」より
「研修をしていただけますか?」
という表現が適切です。

ちょっと居酒屋で一杯というときも、目上の相手には
「今夜、一杯やりませんか?」より
「今夜、一杯お付き合いいただけませんか?」
とすればスマートです。

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今週は、敬語のつもりで使っている誤った表現についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < 思い込みの敬語(2)
◆─────────────────────────────────◆
                         「おっしゃられる」

「言う」の尊敬語は「おっしゃる」です。
それと関連して、よく目にするのが「おっしゃられる」という表現。

尊敬の意を表す「られる」と「おっしゃる」が一緒になっているので、
過剰な敬語表現になっている例です。

×「課長がそうおっしゃられました」
○「課長がそうおっしゃいました

同様の例としては…
×「昼食はお召し上がりになられましたか」
○「昼食は召し上がりましたか」

×「昨日、おいでになられました」
○「昨日、おいでになりました」

「お聞きになられましたか」も過剰に敬語が使われている例です。

「お~になる」で尊敬を表しますが、
さらに尊敬の「られる」がくっついているので、
敬語表現が重なっています。

×「部長にお聞きになられましたか」
○「部長にお聞きになりましたか」

同様の例としては…
「お会いになられる」→「お会いになる」
「お帰りになられる」→「お帰りになる」
「お話しになられる」→「お話しになる」

丁寧に書き表そうとするあまり、敬語を重ねて使ってしまうと、
文章自体がくどく、まっどろこしくなります。
敬語の使いすぎに注意しましょう。

「まぐまぐ!ニュース」でこの記事が取り上げられました。

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 仕 事 の メ ー ル 作 法               < 思い込みの敬語
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                         「させていただく」

一見、敬語のようでも、
表現が過剰だったり、言い回しが間違っていることがあります。
よく見られるのが「させていただいている」という言い回し。

「今、確認させていただいております」
「資料を拝見させていただいていますが」
「担当営業がお伺いさせていただいております」

など、それらしく敬語になっているように思われますが、
「させていただいている」を使うことにより、へりくだり過ぎた表現に
なっています。上記の言い回しをもっとスリムにしてみましょう。

「ただ今、確認しております」
「資料を拝見しておりますが」
「担当営業が伺っております」

「させていただいている」を使わなくても、
きちんと敬意が伝わる一文に書き換えられます。

「させていただく」も同様で
「昨日、商品を発送させていただきました」としなくても
「昨日、商品を発送いたしました」ですっきり表現できます。

「させていただく」は、自分の動作・行動を相手の許可を得て行ったり、
そうすることで何かしら恩恵を受けることがある場合に使用します。
「させていただいている」はその現在形です。

上記に挙げた例文はいずれも、自分や第三者が意思を持って行動している
状態にあるので、「させていただく」「させていただいている」は不要です。

今週は、このように敬語として思い込んでいる表現を検証していきます。

 
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