今週は“気になる言葉”をピックアップしてご紹介します。
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 仕 事 ‎の メ ー ル 作 法             < 気になる言葉(3)
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                         「あげる」「やる」

(例文-1)
これ以上、部下に助言してあげられません。
これ以上、部下に助言してやれません。

(例文-2)
観葉植物に水をあげました。
観葉植物に水をやりました。

あなたは上記の二つの例文のうち、それぞれ上の表現と下の表現では
どちらがしっくりきますか?

ここで押さえておきたいのが「あげる」と「やる」の違いです。
「あげる」はもともと、目下の者から目上の相手に何か与えるときに
使われていた謙譲語で、相手への敬意を表す言葉です。

それに対して、目上の者から目下の相手に物を与えるときに使うのが
「やる」です。

そうすると、上記の(例文-1)が上司の言葉であれば
「これ以上、部下に助言してやれません」になります。

(例文-2)で「あげる」を使うと、
人が観葉植物に敬意を表すことになるので、
本来は「観葉植物に水をやりました」になります。

ただ、「観葉植物に水をあげる」や「ペットにえさをあげる」に使われる
「あげる」は敬意を表す言葉ではなく、
美化語として使われる傾向にあります。

ですから、「あげる」を敬意を表す言葉(謙譲語)として捉えるか、
「やる」を丁寧に言い換えた美化語として捉えるか、
でその一文に対する感じ方が変わってきます。

個人的には、自分の子どもや動植物に「あげる」を使うことに
抵抗があるので、話すときも書くときも使わないようにしています。

けれど、一般的には美化語として使われているケースが増えているため、
場合によっては受け入れることも必要と感じています。

 
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今週は、読者のかたからいただいたお便りをご紹介します。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法            < 読者のお便りから(3)
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                       「させていただきます」

12月12日配信のVOL.954 < 適切な言い回し(5)>

の記事に次のメールをいただきました。

<読者のかたからのメール>—————————————-

わたしも、「なになにさせていただきます」が嫌いな一人です。
某地元放送局の、土曜日朝からやっている番組の、
がらがら声のパーソナリティが、「放送させていただいております」
と言っているのが耳についてしょうがありません。

(中略)

これからも耳障りな重複敬語をぶったぎってください。
応援いたします。               (読者 A.Mさん)

—————————————————————–

< 適切な言い回し>の週では
「~させていただきます」について取りあげました。

この言い回しが書き言葉でもよく見られるようになった一因は
A.Mさんが書いておられるように、
テレビやラジオの放送の影響が大きいように感じます。

話の継ぎ目に言う「なので」も、
話し言葉としては、その場のノリで聞き流せる表現だと思うのですが、
書き言葉にすると、私は違和感を覚えます。

目で読むより、耳から入ってくる表現の方が記憶に残りやすいため

本来の意味や使い方を気に留めず

安易に「~させていただきます」を付ける風潮になっていくのかもしれません。

メールやブログの普及により、
書き言葉と話し言葉の境界が曖昧になってきているのも事実です。

話し言葉のように書くことで、親しみやすは感じられますが
改まった表現、丁寧な言い回しを知り
意識して使い分けることも必要ではないでしょうか。

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今週は、読者のかたからいただいたお便りをご紹介します。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法              < 読者のお便りから
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                           世の中の趨勢

11月11日配信のVOL.932 < 思い込みの敬語(2)>「おっしゃられる」

の記事に、次のメールをいただきました。

<読者のかたからのメール>—————————————-

>   ×「課長がそうおっしゃられました」
>   ○「課長がそうおっしゃいました」
>
>  同様の例としては…
>   ×「昼食はお召し上がりになられましたか」
>   ○「昼食は召し上がりましたか」
>
>   ×「昨日、おいでになられました」
>   ○「昨日、おいでになりました」

世の中の趨勢がどうも×の方ではないかと感じております。
正しいと意固地になると今度はぶしつけな印象を与えるのではないかと
悩んでしまいます。

どうお考えでしょうか?              (読者 Hさん)

—————————————————————–

言葉はその時々で変わっていくものなので
上記の例文の×の方を使う人が多数を占めれば
それに違和感を覚える人もいなくなり
そういうものとして使われていくのかもしれません。

ただ、敬語が重複していると、私自身は
言うのも書くのもまどろこしくて
違和感を覚えます。

メールや文書で書くときは、考えたり調べることができるのですが
話し言葉の場合は、つい勢いで
「おっしゃられました」「お召し上がりになられましたか」
「おいでになられました」と口にしてしまうことがあります。

そんなときは、言った後で「あれ? 今の言葉遣いで正しかったっけ?」
と気になるのです。

一般に重複した敬語の方が多く使われているから
自分もそれに従うというのも一つだとは思います。

言葉が長い方が丁寧に感じられるということも
あるでしょう。

ですが、本来の言い方、書き方を知っておいても損はないはず。
違いを知ったうえで、どのように言葉を使うかを
判断しても遅くはないのではないでしょうか。

自分が違和感を覚えた時点で、調べてみることも大切だと思っています。

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今週は、気になる言い回しについてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法            < 適切な言い回し(5)
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                       「いたしております」

読者のかたから
「正しいのか間違っているのかわからず、無意識に使用している書き言葉」
についての質問がありました。
いくつか文例を挙げてくださっているものから順にお答えしてきました。
最後はこちら

<Persianさんからの質問-5>—————————————

「楽しみに応援させていただきます」
「楽しみにいたしております」

「楽しく拝見させていただいております」
「楽しく拝見いたしております」

——————————————————————

初めの二つの例文に「これからもメルマガを」を
付け加えて考えてみましょう。

「これからもメルマガを楽しみに応援させていただきます」
この一文では「楽しみに」と「応援」が後の「させていただきます」に
掛かっています。これを二つの文に分けてみます。

これからもメルマガの配信が楽しみです。いつも応援しています
「させていただきます」とヘリくだらなくても、
気持ちは通じる文章になります。

もう一つの例文
「これからもメルマガを楽しみにいたしております」では
「する」の謙譲語「いたす」と「いる」の謙譲語「~しております」が
重複して使われています。

これからもメルマガを楽しみにしております
とすれば、すっきりします。

後の二つの例文には「メルマガを」を付け加えて考えてみます。
「メルマガを楽しく拝見させていただいております」
この一文でも謙譲の「させていただく」と
「いる」の謙譲語「~しております」が重複しています。

メルマガを楽しく拝見しています
に言い換えるとすっきりします。

「メルマガを楽しく拝見いたしております」は
「拝見」自体が「見る」の謙譲語で「見せていただく」
という意味合いを持ちます。

この場合は
メルマガを楽しく拝見しています」として失礼にはなりません。

今週、繰り返し取り上げてきた「~させていただきます」は
それさえ付けておけば丁寧な言い回しになる
と思いこまれている傾向があります。

「~させていただきます」を使わずに、
もっとシンプルに丁寧な表現ができないかを
考えてみてもよいのではないでしょうか。

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今週は、気になる言い回しについてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法       < 適切な言い回し(4)
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「お買い物をさせていただく」

読者のかたから
「正しいのか間違っているのかわからず、無意識に使用している書き言葉」
についての質問がありました。
いくつか文例を挙げてくださっているものから順にお答えしています。
今回はこちら

<Persianさんからの質問-4>—————————————

「お買い物をさせていただきます」
「お買い物をさせていただいております」

——————————————————————

想定されるシチュエーションとしては
相手のところで買い物をする、買い物をしていることを
伝える一文ということでしょうか。

だとしたら、次のように言い換えることができます。

「お買い物をさせていただきます」

「今度(買い物に)うかがいます」
「○○(商品名)は、貴店で購入することにします」

相手のところで買い物をすることは、
相手の許可を得てするものではないので、
ここでは「させていただきます」とせず、
「自分から能動的に行く」というニュアンスの言葉に
言い換えるほうが適切と考えます。

「お買い物をさせていただいております」

「よく利用しています」
「いつも(貴店で)購入しております」

相手に伝えたいのは「あなたのお店に行っているんですよ」
ということ。

買い物をしているのは自分なので
「よく」「いつも」を添えて「利用しています」「購入しております」
という言い方で失礼にはあたらないでしょう。

 いずれの場合も、「買い物」という行為をするのは自分なので
 「お買い物」の「お」は不要と思われます。

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【しごび】 の お す す め
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今週は、気になる言い回しについてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法                < 適切な言い回し(3)
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                                                                「お願いさせていただきます」

読者のかたから
「正しいのか間違っているのかわからず、無意識に使用している書き言葉」
についての質問がありました。
いくつか文例を挙げてくださっているものから順にお答えしています。
今回はこちら。

<Persianさんからの質問-3>—————————————

「お願いさせていただきます」
「お願いさせていただきたいと思っております」

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VOL.950でも質問のあった「~させていただきます」を使った文例です。

この場合、どのような状況での文面かが分かりにくいのですが
相手に「お願いをさせてもらっていいですか」と
打診する意味合いと仮定すれば…

「お願いしてよろしいですか」
「お願いしたいと思っております」

と、それぞれ言い換えられます。例えば…

資料の配布をお願いさせていただきます。

資料の配布をお願いしてよろしいですか。

資料の配布をお願いさせていただきたいと思っております

資料の配布をお願いしたいと思っております

ここは「資料の配布をお願いできれば幸いです」
という言い方もあります。

「~させていただきます」は状況によっては、
高圧的な強い言い方に感じられることがあるので注意が必要です。

「~させていただきます」についてとりあげているバックナンバーを
参考までにご紹介します。

 
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