今週は、気になる言い回しや表現の仕方について取りあげます。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法  < 気になる表現(2)
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                             長い一文

 「もともと遠視と乱視があり、目が疲れやすいため、
  目の健康には気をつけてきましたが、
  そこに老眼が入ってきて、目の疲れがひどくなってきています」

 上記は「一文が長い」例として取り上げました。

 視力の衰えを訴える内容で、私も他人事ではないのですが
 「訴える」気持ちが強く働くと、感情にまかせて
 一文も長くなってしまいがちです。

 「あり、」「ため、」「ましたが、」「てきて、」
 と、接続語で続けていくと文章はいくらでも長くなってしまいます。

 一度、ざ~っと思いのたけを書いた後
 もう一度読み返し、文章を整えてみましょう。
 上記の文例の場合は…

 「もともと遠視と乱視があり、目が疲れやすいため、
  目の健康には日ごろから気をつけてきました。
  ところが、最近では老眼も入ってきて、
  目の疲れがひどくなっています」

 長い一文を、途中で一度一区切りしました。

 この書き手が最も訴えたかったのは
 「日ごろから気をつけているにもかかわらず、老眼も!」
 という点。

 その点を強調するためにも
 一度、文を切り「ところが」から、
 後半の文を続けました。

 強く伝えたい内容は、
 「しかし」「ところが」「けれど」など
 逆接の接続詞を使うと、後に続く内容を強調できて効果的です。

 少々大げさな「にもかかわらず」「しかしながら」なども
 場合によっては、使える言葉です。

記事全文を読む

今週は、気になる言い回しや表現の仕方について取りあげます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法                               < 気になる表現
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「よろしければ」に続く言葉

「もしよろしければ、佐藤さんのコメントがひとことほしいです」

という一文。なんだか変です。

ここでの「もしよろしければ」は
「差し支えなければ…」という意味合いで
相手に何かしらの行動や行為を打診するフレーズ。

「コメントがほしいです」と言い切るよりも
「コメントをお願いできますか?」
あるいは
「コメントをいただけますか?」
と疑問形にする方が、文としてしっくりくるように思います。

読者からも次のような質問があったので、ご紹介します。

<読者からの質問>————————————————

先日、あるメールを見ていたら
「よろしければ、ぜひご覧くださいませ」という
フレーズにふと目がとまりました。

質問に対してとてもよく案内されていた内容だったので
文末に「よろしければ、ぜひご覧くださいませ」という文字が
とても不自然に感じました。

よろしければ⇒謙遜
ぜひ⇒強調

謙遜と強調が同居していて違和感を感じるのは
私だけでしょうか?

「よろしければ、ぜひご覧ください」は普通に使って
問題ないでしょうか?
(読者 uffahhaさん)
——————————————————————

「よろしければ」は上記同様
「差し支えなければ…」と相手の行動を打診する際に使う表現です。

それに対して
「ぜひ」は、「なにとぞ」と相手の行動を強く願う表現。

相手の都合を尋ねる「よろしければ」と
相手に強く要求する「ぜひ」とでは
相反する表現なので、一緒に使うことに違和感を覚えるのでしょう。

この場合は
「よろしければ」は付けず
「ぜひ、ご覧ください(ませ)」
とする方がよいと思います。

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今週は、読者からの興味深いメールをご紹介します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法  < 先輩からのアドバイス(5)
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主語の違いで変わるニュアンス

今週は、本メールマガジンへ読者のかたからいただいた
感想やご意見の中から、「なるほど!」「確かに!」と
感じた言葉づかいやメールマナーに関するものを紹介してきました。

次のメールは
VOL.1245 < 過度の敬語(4)>名前を尋ねるときの注意 


で取りあげた
「お名前を頂戴してよろしいですか」に対し
「お名前を教えていただけますか」が適切と述べた点
についていただいたものです。

<読者からのメール>———————————————-

反論するわけではなく、ご参考までに。

名前を聞く場合に、
英語、インドネシア語、マレー語では、
「お名前を頂戴してよろしいですか」(May I have your name?)のほうが、
「お名前を教えていただけますか」(Would you tell me your name?)より
一般的、かつ、より丁寧な言い方です。

英語のhaveと日本語の「頂戴する」のニュアンスと一般性が
若干食い違うとともに、

「相手に行動をお願いする」より「自分の行動の許可をもらう」ほうが
丁寧な表現だと考えられているからなんでしょうね。

ですから、英語、インドネシア語、マレー語の世界では、
「(私が)**してよろしいですか」のほうが
「(あなたに)**していただけますか」より丁寧と考えられています。

日本語と、英語・インドネシア語・マレー語の、
考え方の違いを感じました。
(読者 K.Kさん)
——————————————————————

これは、私自身が「なるほど!」と興味深く読んだご指摘でした。

20代で、英会話を(必要に迫られ)自力で猛勉強していたとき
この「May I ~」と「Would you~」の使い分けの違いがわからず
いつも迷っていた経験があります。

日本語のニュアンスからすれば
「(私が)~してよろしいですか」  (May I~)より
「(あなたに)~していただけますか」(Would you~)の方が
丁寧と思ったので、英語でもそうであろうと使うのですが
どうも相手の反応が違う……。

米国で買い物するときも、お店の人は
「May I ~」
を使いますよね?

そんな経験があったゆえ

> 英語のhaveと日本語の「頂戴する」のニュアンスと一般性が
> 若干食い違うとともに、
> 「相手に行動をお願いする」より「自分の行動の許可をもらう」ほうが
> 丁寧な表現だと考えられているからなんでしょうね。

という一文を興味深く読み、合点がいった次第です。

主語を自分にするか、相手にするかで
尋ね方も、受け止め方も変わるということが
よくわかる内容だったので、ご紹介しました。

当メールマガジンへは
記事に対する質問や感想のほか
このように経験を積まれた先輩からの
勉強になるご指摘やアドバイスをいただきます。

私だけが知っておくのはもったいない!
と感じた内容は、今後もこのような形で
読者のみなさんとも共有していきたいと思っています。

表現の仕方、伝え方を考えるきっかけにしていただけると
うれしいです。

●このメルマガ配信時の「あとがき」はこちら


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【しごび】 の お す す め
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入社後、メール対応で困っていませんか?

さらりと返せる、大人のメール表現334

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今週は、読者からの興味深いメールをご紹介します。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法         < 先輩からのアドバイス(4)
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                          1通に1つの用件

今週は、本メールマガジンへ読者のかたからいただいた
感想やご意見の中から、「なるほど!」「確かに!」と
感じた言葉づかいやメールマナーに関するものを紹介したいと思います。

次のメールは
VOL.1255  < 読み返す際のポイント(4)> 内容の検証
にいただいたものです。

<読者からのメール>———————————————-

>  1)メールは原則、1通に1つの用件でまとめます。
>   あれもこれもと複数の用件を一度に送ると、返信にも手間がかかり
>   用件を見落としやすいです。

大いに賛成です。
人間というのは、To Doリストを一つ一つつぶして行く、
進捗が目に見えるような仕事を好むもの。
複数の案件が一つのメールに詰まっていて、済んで消す項目が一つでは、
やるほうも、せいがない。

それと、難しい案件と易しい案件を一緒にしていると、
難しい案件を処理するのに時間がかかるゆえに、
本来すぐ返事をもらえるような易しい案件の返事まで、
もらえるのが遅くなってしまいます。

> 3)誤解やトラブルのもと。できるだけ数値化したり、具体的に伝わる
> 表現を心がけましょう。

具体的に伝わる表現でいくと、上記の場合は:
「県会議員に面会するアポイントを取ってほしい」(前者)という案件と、
「今度の日曜日に花見に行きましょう」(後者)という誘いを、
一つのメールに入れた場合。

このとき、すぐに返事が欲しい「後者」の案件の回答が、
当然「前者」の重さに引きずられて、遅くなってしまいますよね。

(読者 K.Kさん)
——————————————————————

K.Kさん、わかりやすい例をありがとうございます。

送信する側は「ついでに、この案件も」と
別件を追加して送ってしまいがちですが

受信する側が、そのメールに返信する際に
「本来すぐ返事をもらえるような易しい案件の返事まで、
返事が遅くなってしまう」
という事態が発生することが多くあります。

ですから、送信する側は面倒でも
後のことを考えて、用件を分けて送信する方が
やり取りの遅れや混乱を避けることができるわけです。

仕事全般に言えることですが
目の前の損得とか、手間を省くことだけにとらわれず
先のこと、次の工程、次の人が困らない
配慮ができるか否かが、
仕事のでき不できを大きく左右するように思います。

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今週は、読者からの興味深いメールをご紹介します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法  < 先輩からのアドバイス(3)
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社名の表記

今週は、本メールマガジンへ読者のかたからいただいた
感想やご意見の中から、「なるほど!」「確かに!」と
感じた言葉づかいやメールマナーに関するものを紹介したいと思います。

次のメールは
VOL.1254  < 読み返す際のポイント(3)> 間違い探し
で取り上げた、表記の際注意したい社名についていただいたものです。

<読者からのメール>———————————————-

いつも楽しく拝読しております。

本日の社名のことで、「キユーピー」、知りませんでした。

どうせなら、「キヤノン」も紹介されたら、と思いました。

(読者 A.Mさん)
——————————————————————

「キヤノン」は広く知られているかな、と思い
敢えて「キユーピー」を取り上げたのですが
このように、小文字でなく大文字で表記する社名としてはほかに

三和シヤッター工業
東洋シヤッター
文化シヤッター
シヤチハタ
富士フイルム

などがあります。

そのほか注意を要する社名表記としては…

味の素ゼネラルフーヅ   ×フーズ

ブルドックソース     ×ブルドッグ

アメリカン・エキスプレス ×エクスプレス
三菱レイヨン       ×レーヨン

ニッカウヰスキー     ×ウイスキー
日本トイザらス      ×トイザラス

上記は、上場企業や大型企業の社名で注意を要するものを挙げていますが
身近なところでも
・「ジ」と「ヂ」の違い
・「・(なかぐろ)」の有無
・「ー」と伸ばすのか、「ィ」「イ」と表記するのか
に留意をする必要があります。

ビル名でも「ビルディング」と「ビルヂング」と表記するところが
ありますよね。

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【しごび】 の お 知 ら せ
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わ~い! 私の手書きPOPも載っとる~。

広島限定情報ですが……
今朝の中国新聞・文化面(13面)に

尾道・啓文社福屋ブックセンターで開催中の
「ツィッター発・作者直筆POPフェア」
の記事が大きく掲載されています。

写真で神垣の手書きPOPも紹介されていて
うれしはずかし…。

この本のPOPを書きました↓
さらりと返せる、大人のメール表現334
さらりと返せる、大人のメール表現334
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今週は、読者からの興味深いメールをご紹介します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法         < 先輩からのアドバイス(2)>
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件名を最後に書く効用

今週は、本メールマガジンへ読者のかたからいただいた
感想やご意見の中から、「なるほど!」「確かに!」と
感じた言葉づかいやメールマナーに関するものを紹介したいと思います。

次のメールは
VOL.1253 < 読み返す際のポイント(2)> 件名と本文は合っているか
についていただいたものです。
<読者からのメール>———————————————-

本日の内容で良い意味で「気付き」があったので
返信を書いています。

私は件名を最後につける派なのですが、
多くの方が件名を最初につけるということにびっくりしました。

そういえばそうですよね・・・と。

後輩の子にメールの書き方をレクチャーすることもあるのですが、
タイトルと内容がマッチしていないことがよくあります。

あとは、メールの本文だけチェックしていて
あとで送ったメールを見たらちぐはぐな件名をつけていたり・・・

そういう作り方のポイントとして伝えるべき点なんだなぁと
いうことを気づかされました。

私は内容をたくさん書いた場合は、
それを総合して端的に表せるように、内容が少ない場合は
少し具体的に書いたりするように意識しています。
(読者 R.Fさん)
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「件名を最後につける」ことにも利点があります。
本文を一通り書いた後なので、内容が頭の中に入っており
的確な件名をつけやすいのです。

R.Fさんが件名を付ける際の工夫として、最後に挙げている

・本文が多くなった場合 → 本文の内容を端的に表した件名
・本文が少ない場合   → 本文の内容を補う具体的な件名

このように、本文のボリュームに応じて
件名を意識的に調整できるのは
「件名を最後につける」効用でもあります。

ですから、本文と件名がちぐはになっている後輩のかたへは
「件名を最後につける」練習をアドバイスすると
件名に合った本文(本文に合った件名?)が
書けるようになると思います。

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