今週は、過剰に使いすぎている敬語について取りあげます。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法               < 過度の敬語(4)>
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                       名前を尋ねるときの注意

「受付で、お名前をおっしゃってください」

上記の「おっしゃってください」は
「言う」の尊敬語は「おっしゃる」が使われ
一見、丁寧な表現に感じます。

ですが、「おっしゃってください」の元の意味を考えてみましょう。
敬語を取っ払うと「言って、言え」と命令していることになります。

この場合は
「受付で、お名前をお聞かせください」
とします。

「お聞かせください」に代わり
「お願いします」「お聞かせ願えますか」としてもよいでしょう。

同じような意味合いを指す言葉で
書き言葉としてより、話し言葉で使うことの多い
「お名前を頂戴してよろしいですか」
も敬語が過剰な表現です。

「頂戴する」や「いただく」は、「もらう」の謙譲語です。
この場合、元の意味に直すと
「(あなたの)名前をもらってもいいですか?」ということになり、

名前を物のように人にあげたり、もらったりすることになります。
ですが、本来、名前は受け渡しするものではありません。

「よろしいですか?」という表現も
相手に良いか悪いかを尋ねることになるため、
相手が「名前を名乗りたくない」と思った場合
「いいえ」とか「嫌です」と返答したら、そこで終わってしまいます。

ですから、名前を尋ねる必要がある場合に
「よろしいですか?」と問うのは具合が悪いことになります。

「お名前を頂戴してよろしいですか」は
「お名前を教えていただけますか」
とすれば、すっきりします。

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