今週は、読者からの興味深いメールをご紹介します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法  < 先輩からのアドバイス(5)
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主語の違いで変わるニュアンス

今週は、本メールマガジンへ読者のかたからいただいた
感想やご意見の中から、「なるほど!」「確かに!」と
感じた言葉づかいやメールマナーに関するものを紹介してきました。

次のメールは
VOL.1245 < 過度の敬語(4)>名前を尋ねるときの注意 


で取りあげた
「お名前を頂戴してよろしいですか」に対し
「お名前を教えていただけますか」が適切と述べた点
についていただいたものです。

<読者からのメール>———————————————-

反論するわけではなく、ご参考までに。

名前を聞く場合に、
英語、インドネシア語、マレー語では、
「お名前を頂戴してよろしいですか」(May I have your name?)のほうが、
「お名前を教えていただけますか」(Would you tell me your name?)より
一般的、かつ、より丁寧な言い方です。

英語のhaveと日本語の「頂戴する」のニュアンスと一般性が
若干食い違うとともに、

「相手に行動をお願いする」より「自分の行動の許可をもらう」ほうが
丁寧な表現だと考えられているからなんでしょうね。

ですから、英語、インドネシア語、マレー語の世界では、
「(私が)**してよろしいですか」のほうが
「(あなたに)**していただけますか」より丁寧と考えられています。

日本語と、英語・インドネシア語・マレー語の、
考え方の違いを感じました。
(読者 K.Kさん)
——————————————————————

これは、私自身が「なるほど!」と興味深く読んだご指摘でした。

20代で、英会話を(必要に迫られ)自力で猛勉強していたとき
この「May I ~」と「Would you~」の使い分けの違いがわからず
いつも迷っていた経験があります。

日本語のニュアンスからすれば
「(私が)~してよろしいですか」  (May I~)より
「(あなたに)~していただけますか」(Would you~)の方が
丁寧と思ったので、英語でもそうであろうと使うのですが
どうも相手の反応が違う……。

米国で買い物するときも、お店の人は
「May I ~」
を使いますよね?

そんな経験があったゆえ

> 英語のhaveと日本語の「頂戴する」のニュアンスと一般性が
> 若干食い違うとともに、
> 「相手に行動をお願いする」より「自分の行動の許可をもらう」ほうが
> 丁寧な表現だと考えられているからなんでしょうね。

という一文を興味深く読み、合点がいった次第です。

主語を自分にするか、相手にするかで
尋ね方も、受け止め方も変わるということが
よくわかる内容だったので、ご紹介しました。

当メールマガジンへは
記事に対する質問や感想のほか
このように経験を積まれた先輩からの
勉強になるご指摘やアドバイスをいただきます。

私だけが知っておくのはもったいない!
と感じた内容は、今後もこのような形で
読者のみなさんとも共有していきたいと思っています。

表現の仕方、伝え方を考えるきっかけにしていただけると
うれしいです。

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